こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
出っ歯は見た目に影響を与えるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクを高めることが分かっています。また、咀嚼や発音などの機能に影響が出ることで、食生活やコミュニケーションに支障がでる可能性も考えられるでしょう。そのため、できるだけ早めに対処するのが理想です。
本記事では、出っ歯になる原因や放置するリスク、治療方法、治療を開始する年齢の目安、予防法などについて解説します。
目次
出っ歯とは
出っ歯とは、上の歯そのものや上顎全体が大きく前に出ている状態のことで、専門的には上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれます。
正常な噛み合わせの状態かどうかを判断するポイントは、主に2つあります。1つ目は、正面から見たときに上の前歯と下の前歯の中心線が一致していること、2つ目は下の前歯の半分程度が上の前歯に隠れていることです。
しかし、上顎前突の場合は、上顎が大きく前方に出ているため、下の前歯の大部分が隠れたり、中心線がズレたりします。また、横から見たときに下の歯の先端が上の歯の裏に接触しなかったり、歯が大きく前に突き出していたりすることによって、唇が閉まりにくくなる方もいます。
子どもが出っ歯になる原因
子どもが出っ歯になる原因には、先天的なものと後天的なものがあります。ここでは、主な5つの原因について解説します。
遺伝
出っ歯になる原因のひとつとして、遺伝が挙げられます。歯並び自体が遺伝するわけではありませんが、顎の形や大きさなどは親から子へ遺伝します。両親や親族などに上顎前突の方がいる場合、子どもも出っ歯になる可能性が高くなります。
また、アジア系の骨格は、下顎が小さいという特徴があります。上顎に比べて下顎の成長が乏しいことにより、出っ歯が引き起こされるケースも考えられるでしょう。
おしゃぶりや指しゃぶり
後天的な原因としては、おしゃぶりの使用や指しゃぶりによる影響も考えられます。指しゃぶりをしたりおしゃぶりを使用したりするお子さまは少なくありません。
しかし、3歳を過ぎても続けているような場合には、吸う力によって上の前歯が徐々に押し出され、上顎前突が引き起こされることがあります。1日のうち短時間のみおしゃぶりの使用や指しゃぶりをしているだけであれば、基本的には問題はありません。
ただし、寝ている間中ずっと指をしゃぶっている場合や、1日に6時間以上おしゃぶりを使用しているなどの場合には、注意が必要です。なお、3歳頃までのおしゃぶりの使用や指しゃぶりは、歯並びに大きな影響を及ぼす心配はないといわれています。
口呼吸
お子さまの口呼吸や口をポカンと開けている様子が気になっている方も多いのではないでしょうか。通常、前歯の位置は唇と頬、舌との圧力によって正常な位置に保たれています。
しかし、口呼吸をしていたり口をポカンと開けていることが多い場合、前歯を抑える力がかからなくなります。このため、上の前歯が徐々に外側に押し出されて出っ歯が引き起こされます。
舌癖
上顎前突の原因のひとつとして、舌癖も挙げられます。舌癖とは、前歯を裏側から舌で押すなどの癖ことです。このような癖を長期間続けていると、歯並びに影響を及ぼすことがあります。
また、舌癖があると、飲み込む際や会話の際に上の前歯と下の前歯のすき間を埋めるように無意識に舌を動かすことがあります。これにより、さらに前歯が外側に押し出されて、上顎前突が重症化することも考えられるでしょう。
子どもの出っ歯を放置するリスク
子どもの出っ歯を放置するリスクは、以下のとおりです。
虫歯や歯周病にかかりやすくなる
出っ歯によって歯並びが乱れると、凸凹した部分に歯垢や汚れが溜まりやすくなります。ブラッシングもしにくいため、歯周病や虫歯のリスクが高まるでしょう。
また、突き出した前歯によって口が閉じにくくなると、口腔内が乾燥しやすくなります。唾液には、口腔内の細菌の繁殖を抑えたり食べカスを洗い流したりする自浄作用がありますが、口腔内が乾燥するとこの作用が働きにくくなるのです。
その結果、虫歯や歯周病を発症しやすくなることが考えられるでしょう。
食事がしにくくなる
通常、前歯には食べ物を噛み切る役割があります。
しかし、上下の噛み合わせがズレると、食べ物をうまく噛み切ることができなくなります。よく噛まずに飲み込む癖がつくようになる可能性もあるでしょう。このような状況は、成長期のお子さまの食生活に大きな影響を与える可能性があります。
発音に影響が出る
出っ歯は、発音するときに音が漏れやすいため、サ行・タ行・ラ行の発音がしづらくなります。その結果、周囲とのコミュニケーションに支障が出たり、人と会話することが苦手になったりする可能性も考えられるでしょう。
子どもの出っ歯を治療する方法
子どもの出っ歯の治療には、1期治療と2期治療の2つがあります。ここでは、それぞれの治療内容や対象年齢について解説します。
1期治療
1期治療とは、顎の成長を調整するために行われる治療のことで、乳歯から永久歯に生え変わる時期に行われます。対象年齢の目安は、6歳~12歳頃です。
上顎を横に広げて前歯がきれいに収まるためのスペースを確保したり、上顎の過成長を抑制したりする治療が行われます。具体的には、マウスピース型の装置やプレート型の装置、固定式の急速拡大装置、ヘッドギアなどを使用します。
ただし、どのような装置で治療するかは、お子さまの口腔内の状態によって異なります。
2期治療
2期治療は、全ての乳歯が永久歯に生え変わった後に、乱れた歯並びを整えることを目的として行われます。永久歯が生え揃う年齢は人によって異なりますが、目安としては13歳頃からです。
具体的な方法としては、マウスピース矯正やワイヤー矯正が挙げられます。
マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の装置を1日に20~22時間装着する方法です。1~2週間に1回の頻度でマウスピースを交換しながら段階的に歯を動かしていきます。装置は着脱可能なので、食事やブラッシングは普段通りに行うことが可能です。
一方、ワイヤー矯正は、歯の表面に直接装置を装着し、ワイヤーを通して強い力をかけて歯並びを整える方法です。自己管理の必要がなく、幅広い症例に対応できるというメリットがありますが、装置が目立ちやすく痛みが出やすいというデメリットもあります。
出っ歯治療は何歳から受けられる?
出っ歯の治療開始のひとつの目安は、6歳です。上顎前突の原因のひとつとして下顎の成長が乏しいことが挙げられますが、下顎は6歳以降に急成長します。そのため、下顎が最も成長する時期に治療を行うと、効果が出やすいといわれています。
また、6歳頃になると、6歳臼歯と呼ばれる第一大臼歯や前歯の永久歯も生えてくるため、治療計画も立てやすくなるでしょう。
お子さまの年齢が6歳未満であれば、成長に伴って歯並びが整う可能性もあります。未就学児であれば急いで治療をする必要はありませんが、気になるようであれば、一度歯科医院を受診するとよいでしょう。
子どもが出っ歯になるのを予防する方法
子どもの上顎前突を予防するためには、口呼吸や指しゃぶり、舌癖などを改善することが重要です。また、口周りの筋肉の発達を促進するために、正しい姿勢を保つことやよく噛んで食べることも意識するとよいでしょう。
さらに、歯並びの乱れを予防するためには、定期的に歯科医院を受診することも大切です。歯科医院では、歯並びや噛み合わせの確認はもちろん、虫歯や歯周病などのチェックやクリーニング、ブラッシング指導なども受けられます。
なお、歯科検診は、乳歯が生え始めた赤ちゃんのうちから受けられます。早期に受診することで将来的なリスクを予防できますので、乳歯は生え始めたら受診を検討しましょう。
まとめ
子どもの出っ歯の原因には、遺伝以外にも、口呼吸や指しゃぶり、舌癖などが挙げられます。歯並びを悪化させないためには、このような習慣を改善することから始めましょう。6歳未満のお子さまであれば、成長とともに歯並びが自然と整っていくケースも多いです。
しかし、6歳以上のお子さまであれば、顎が最も成長するタイミングで早めに治療を開始することが重要です。「このまま様子を見てもいいのか分からない」「歯科医院を受診したほうがいいの?」と悩んでいる保護者の方は、お気軽に歯科医院にご相談ください。
子どもの出っ歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では入れ歯や矯正治療、小児矯正など、さまざまな診療を行っています。当院のホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご覧ください。