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歯科金属アレルギーの症状と検査方法を解説!

2024年6月29日
歯科金属アレルギーが起きた人

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

金属を使用した歯科治療が原因で、金属アレルギーを発症することがあります。そのため、金属アレルギーが心配な方もたくさんいらっしゃるはずです。

では、歯科治療においてアレルギーを起こす可能性がある金属にはどのようなものがあるのでしょうか。また、どの金属に対してアレルギーの症状が現れるのか検査する方法はあるのでしょうか。

そこでこの記事では、歯科金属アレルギーを起こす可能性のある金属の種類や検査方法、対処法について解説します。歯科金属アレルギーが心配な方は、ぜひ参考にしてください。

歯科金属アレルギーとは

歯科金属アレルギーのイメージ

金属アレルギーと聞くと、ネックレスやピアスが肌に直接触れることが原因で、かゆみが出たりかぶれたりすることを想像する方が多いでしょう。

しかし、歯科治療で金属を使用した場合にも金属アレルギーの症状が現れることがあります。これを、歯科金属アレルギーといいます。歯科金属アレルギーは金属そのものが原因ではなく、溶け出した金属が体内に吸収されることで発症します。

金属には熱伝導がよいという特徴があり、食事による熱い・冷たいなどの温度変化によって膨張・収縮を繰り返します。

また、そこに咀嚼による刺激が加わったり、唾液に長期間さらされたりすることで、金属成分が口内に溶け出し、体内に吸収されて金属アレルギーの症状が現れることがあるのです。

アレルギーに対する許容範囲には個人差があるため、金属を使用した歯科治療を受けた方全員がアレルギーを発症するわけではありません。

しかし、歯科金属アレルギーは長年にわたって吸収した金属成分に反応し、突然アレルギー症状が出ることがあるといわれています。そのため、アクセサリーが原因で皮膚に炎症が起こるのとは異なり、すぐには原因を特定しにくいのが特徴です。

「歯科治療を受けてから体調が悪い」「口内炎が治りにくい」などの症状がある場合、歯科金属アレルギーの可能性があるため、一度金属アレルギーの検査を受けるとよいでしょう。

歯科金属アレルギーの症状

歯科金属アレルギーで口内炎ができた人

歯科金属アレルギーの症状には、お口やお顔に出る症状と全身に出る症状があります。それぞれの症状について、以下に詳しく解説します。

お口やお顔に現れる症状

お口やお顔に現れる症状は、以下のとおりです。

・口内炎
・唇の発赤や腫れ
・歯茎の発赤や腫れ
・舌炎
・口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)

歯科金属アレルギーでは、口内の金属の周りの粘膜や歯茎が赤く腫れたりかぶれたりすることがあります。また、口内の金属の周りだけでなく、唇に口内炎ができたり、舌に炎症が起きたりすることもあるでしょう。

特に、注意したいのが口腔扁平苔癬です。歯茎や頬、唇に白い炎症が起き、食べ物がしみたり触ると痛んだりと、口内炎に似た症状が現れます。

全身に現れる症状

全身に現れる症状は、以下のとおりです。

・アトピー性皮膚炎
・接触性皮膚炎
・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
・頭痛
・肩こり
・めまい
・味覚異常

歯科金属アレルギーは金属が体内に吸収されることで発症するため、口内だけでなく全身にも症状が現れることがあります。アトピー性皮膚炎や手や足に水ぶくれができる掌蹠膿疱症を発症することがあるでしょう。

また、一見歯科金属アレルギーとはわかりにくい、頭痛や肩こり、めまい、味覚異常などの症状が現れることもあります。

歯科金属アレルギーを起こす可能性がある金属

歯科金属アレルギーを起こす可能性のある銀歯

歯科治療では、被せ物や詰め物、入れ歯などに金属を使用することがあります。

ここでは、歯科金属アレルギーを起こす可能性のある金属について解説します。

金銀パラジウム合金

金銀パラジウム合金は、保険の詰め物や被せ物、いわゆる銀歯に使用されます。また、保険の入れ歯の留め金(クラスプ)にも使用され、安価で使い勝手のよい金属です。

しかし、経年劣化によって錆びやすいため、金属アレルギーの原因になるだけでなく、歯茎が黒ずむリスクがあります。

銀合金

銀合金は保険の詰め物や被せ物だけでなく、被せ物の土台(メタルコア)にも使用されます。金銀パラジウム合金と同じく、経年劣化によって錆びやすいため、金属アレルギーの要因となることがあるでしょう。

また、被せ物の土台に使用することで、歯茎が黒ずむ可能性もあります。

ニッケルクロム合金

ニッケルクロム合金は、以前詰め物や被せ物、入れ歯などに使用されていた金属です。ニッケルクロム合金は安価で強度が高いですが、金属アレルギーや癌を発症するリスクがあることから、現在はほとんど使用されていません。

以前治療したものが現在もお口の中に入っている可能性があります。金属アレルギーを発症する要因になるため、心配な場合は一度歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。

アマルガム

アマルガムとは、以前使用されていた歯科素材です。水銀を主な成分としており、金属アレルギーや健康へのリスクが高いことから現在は使用されていません。

しかし、アマルガムを使用した虫歯治療を受けたことがある場合、現在もお口の中に入っていらっしゃる方もおられます。アマルガムは現在の銀歯と違いザラザラしており、錆びつきやすいのが特徴です。

そのため、アマルガムが原因で金属アレルギーを発症する可能性もあるため、気になる場合は一度歯科医院でご相談ください。

歯科金属アレルギーの検査方法

歯科金属アレルギーか血液検査するイメージ

歯科金属アレルギーの原因になる金属は主に4種類あると解説しましたが「合金」という名の通り、さまざまな金属を混ぜ合わせたものです。そのため、歯科金属アレルギーが疑われる場合、原因となる金属がどの種類のものなのか特定しなければいけません。

そこで行われるのが歯科金属アレルギーの検査で、パッチテストもしくは血液検査を行います。

一般的には皮膚科で検査が行われますが、歯科医院で行っているところもあります。

ここでは、歯科金属アレルギーの検査で行われるパッチテストと血液検査について解説します。

パッチテスト

パッチテストとは、歯科金属アレルギーの検査で行われる一般的な方法です。パッチテストは、以下の流れで行います。

1.パッチを背中に貼る
2.2日後、アレルギー症状の有無を確認
3.3日後と7日後のアレルギー症状の有無を確認

まず、金属試薬が含まれたパッチを背中に貼り、2日後にアレルギー症状の有無を確認します。さらに3日後・7日後にもアレルギー症状の有無を確認し、陰性か陽性か判断します。金属の種類ごとにパッチを背中に貼るため、一度のテストで複数の結果を得られるのがメリットです。

しかし、正確に検査を行うためには検査期間中は汗をかく運動や入浴を控えなければなりません。日常生活に制限がある点はデメリットといえるでしょう。また、金属に対する反応が広範囲である場合、再検査が必要になる可能性もあります。

血液検査

パッチテストだけでなく血液検査で金属アレルギーの有無を調べることも可能です。採取した血液から培養した白血球に金属成分を加え、アレルギー症状が出るかを検査します。

パッチテストでは、金属を肌に触れさせることで一時的に症状が悪化したり、新たな症状が出たりするリスクがあります。また、生活においても制限があったり、検査が1週間ほどかかったりするのもデメリットです。

その点、血液検査は1回の検査で結果が出るため、患者さんの負担になりにくいでしょう。

しかし、偽陽性が出ることもあるため、パッチテストで検査するのが一般的です。

歯科金属アレルギーだとわかったときの対処法

歯科金属アレルギーと判明して治療している様子

上記のような検査を行い、金属アレルギーだと判明したら、以下のように対処します。

1.原因となる歯科金属を除去する
2.仮の詰め物や仮歯を取り付ける
3.経過観察をする
4.金属を含まない補綴物で修復する

まずは、金属アレルギーの原因となる金属を除去し、仮の蓋や詰め物、仮歯などで様子をみます。すぐに新しい詰め物や被せ物を作成するのではなく、原因となる金属を除去し、経過観察することが大切です。

金属アレルギーの症状が改善されたのを確認後、金属を使用しない詰め物や被せ物を作成します。金属を使用しない詰め物や被せ物には、さまざまな種類があります。

保険が適用されるレジン(プラスチック)やCAD/CAM冠(強化プラスチック)、自費のセラミックやジルコニア、ハイブリッドセラミックなどです。金属を使用しないものを選択することで、金属アレルギーの症状が改善されるでしょう。

また、金属の土台が入っている場合には、土台を除去し、金属を使用しないレジンやファイバーコアなどで土台を立ててから、仮歯を装着します。

ただし、保険が適用される素材は強度が低く、欠けたり割れたりする可能性があります。また、経年劣化により着色し、歯が黄ばんで見えることもあるでしょう。

その点、セラミックやジルコニアは耐久性があるのはもちろん、自分の歯のように白くて美しいです。

費用を抑えようと保険の素材を選んだはずが、劣化しやすいことで再治療が必要になり、その分費用がかかってしまうことも少なくありません。セラミックやジルコニアは初期費用がかかりますが、長持ちしやすいため、長期的な目線で見ると経済的だといえます。

まとめ

セラミックの歯に変えて健康な口元になった人

口内の銀歯や入れ歯が原因で歯科金属アレルギーを発症すると、歯茎や唇に炎症が起こったり、口内炎が頻繫にできたりすることがあります。また、お口の中だけでなく、全身の不調につながることもあるため注意が必要です。

歯科金属アレルギーが疑われる場合には、まずはパッチテストや血液検査を受けましょう。金属の詰め物・被せ物が原因でアレルギーの症状が現れている場合には、セラミックの歯に交換するという方法があります。

歯科金属アレルギーについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

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