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インビザラインの部分矯正とは?メリットや治療できる歯並びについてわかりやすく解説!

2022年11月30日
インビザラインを着脱しようとしている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

全体的には悪い歯並びではないけれど、前歯の部分だけ治したいといった場合は、部分矯正を行います。その際にインビザラインを使った治療法があることをご存知でしょうか?全顎的な矯正治療に比べると、使用するマウスピースの量は半分ほどになるので、費用を抑えてさらに短期間で行うことができる患者さんにとって負担の少ない治療法といえます。

インビザラインの部分矯正の種類

歯の模型

インビザラインを使った部分矯正は2種類あります。どのプランが適しているのかは歯並びの状態によって変わってきますので、歯科医師と相談のうえ検討しましょう。それぞれの特徴を全顎的な治療と比較してご紹介します。

<インビザラインの全顎矯正と部分矯正の比較>

製品名治療範囲マウスピースの数治療期間
インビザライン全顎約30〜80枚約2〜3年
インビザライン・ライト部分最大14枚約半年〜1年
インビザライン・GO部分最大20枚約半年〜1年

インビザライン・ライト

インビザライン・ライトは、軽度の歯列不正や矯正治療終了後の後戻りに適した部分矯正です。前歯のみならず、奥歯も含めた歯の移動が可能です。使用するマウスピースは最大でも14枚なので、費用を抑えた治療が可能です。

ただし、症例が限られていることや途中での治療計画の変更が難しいことがデメリットです。

インビザライン・GO

インビザライン・GOは、前歯のみの歯の移動が可能な部分矯正です。奥歯の歯の移動は対象ではないため、奥歯はきちんと噛んでいても前歯の歯並びだけ治したい、という方に向いている治療法です。

インビザラインの部分矯正のメリット

メリット

インビザラインの部分矯正のメリットについて、解説します。

費用が抑えられる

インビザラインで全額的な治療を行う場合だと、使用するマウスピースの量はおよそ30〜80枚ですが、部分矯正の場合だと最大でも14〜20枚と少ない量のマウスピースを使用します。そのため、かかる費用も全額的な治療よりも抑えることができます。

治療期間が短い

インビザラインは、1枚のマウスピースにつきおよそ10日〜2週間ほど使用します。その後、きちんと歯が移動していれば次のステップのマウスピースに交換していきます。 月に2枚ずつ使用するとしても、使用するマウスピースは最大で20枚のため、1年以内には治療が終了することになります。

痛みが少ない

部分矯正の場合は使用するマウスピースの枚数が少ないため、歯を移動させる量も少なくなり、痛みも少なくなります。全顎的な歯の移動を行う場合でも、インビザラインは痛みが少ないのが特徴ではありますが、部分矯正ではさらに痛みが少なく、快適に治療が行うことができます。

インビザラインの部分矯正で治療できる歯並び

OKのジェスチャーをする女性

インビザラインを使用して治療できる歯並びは「軽度の歯列不正」が共通事項です。具体的な4つの症例をご紹介します。

軽度の叢生

叢生とは、歯並びがガタガタで、歯と歯が重なって生えてしまっている状態をいいます。顎の大きさに対して歯が収まりきれていないことが原因で、通常はIPRと呼ばれる歯と歯の間を削ってわずかに隙間を作る処置を行い、その隙間を利用して歯を移動させていきます。

軽度のすきっ歯

すきっ歯のような空隙が歯と歯の間にあるような場合は、すきっ歯以外の問題がなければ部分矯正での治療が可能です。すきっ歯と併発することが多い問題としては、歯と歯の間の顎の中に埋まったままの歯があったり、舌で歯を押す癖があるような場合です。このような問題がなく、すきっ歯のみを治す場合は部分矯正の適応です。

軽度の出っ歯

上下の顎のズレが大きいことが原因である出っ歯は部分矯正で治療することは難しいですが、抜歯が必要のない軽度の出っ歯であればIPRを行うことで、歯を後方へわずかに下げることができます。

軽度の歯のねじれ

前歯のみに軽度の歯のねじれがある場合も、IPRを行うことで部分矯正の適応になります。

ただし、奥歯にねじれがあるような症例は適応外です。

インビザラインの部分矯正で治療できない歯並び

医者

次に、インビザラインで部分矯正できない歯並びについて解説します。具体的な症例は、以下の3つです。

重度の叢生

重度の叢生がある場合は、IPRを行なっても歯を移動させるためのスペースが確保できないことがあります。その場合は抜歯が必要となり、歯を移動させる量も多くなるため、部分矯正での治療はできません。

重度の出っ歯

重度の出っ歯の場合は、抜歯が必要になることが多いです。軽度の出っ歯であればIPRを行うことで改善が見られることがありますが、重度の出っ歯で大きく口元を下げるためには、ワイヤーを使った矯正治療やインビザラインの全顎矯正のほうが適しています。

噛み合わせに問題がある場合

上下の歯がきちんと噛んでいないような噛み合わせに問題があるような歯並びは、部分矯正の適応外です。噛み合わせをきちんと治すためには上下顎の歯並びのバランスが大切で、部分的な治療のみでは対応しきれないことがあります。

インビザラインの部分矯正にかかる費用

電卓とノート

インビザラインの部分矯正にかかる費用は医院ごとに異なりますが、相場は約30〜50万円といわれています。そのほかにも、通院時に調整料など別途料金が発生することが一般的です。

<インビザラインの部分矯正にかかる費用の一覧>

項目料金
相談・カウンセリング無料
精密検査・診断30,000円〜50,000円
矯正料金300,000円〜500,000円
調整料5,000円〜10,000円
保定装置30,000円〜50,000円

初回の相談やカウンセリングは無料で行っている医院がほとんどですが、精密検査などは料金がかかります。新しいマウスピースを受け取るタイミングでおよそ1〜2か月ごとに通院が必要となり、調整料はその都度支払うことになります。さらに、インビザラインでの治療が終わった後は、後戻り防止のための保定装置を作成していきます。

上記料金はあくまで一例なので、詳しい料金は相談時に担当医へ確認しましょう。

治療費の支払いが難しい場合

インビザラインの部分矯正は、全顎矯正ほどではないものの、大きな金額の支払いが必要になってきます。今すぐの支払いが難しいという場合に活用したい2つの制度をご紹介します。

デンタルローン

デンタルローンとは、歯科治療費専用のローン商品です。審査は必要となりますが、一般的なカードローンに比べると低い金利設定になっているため、返済計画が立てやすいことがメリットです。

ただし、すべての歯科医院が取り扱っているわけではないため、通院予定の医院でデンタルローンが使えるかどうかは事前に確認が必要です。

医療費控除

医療費控除とは、1年間でかかった医療費が10万円を超える場合に、確定申告の際に所得税の一部が還付される制度です。歯列矯正治療費も医療費控除の対象となりますので、必ず申告するようにしましょう。

インビザラインの部分矯正にかかる期間

歯科医で説明を受けている

インビザラインの部分矯正は、全顎矯正に比べて短い期間で終了するのが特徴です。

冒頭でもお伝えしたように、使用するマウスピースの枚数はインビザライン・ライトで最大14枚、インビザライン・GOで20枚となっています。1枚のマウスピースを10日から2週間使用するので、終了するまでにかかる期間は半年から1年程度となります。なるべく短期間で治療を終わらせたいという方に向いている治療法です。

ただし、最後のマウスピースまで使用した段階でもう少し歯を動かしたいという場合は、2年以内であれば再度型取りや専用の機械でスキャンすることで追加のマウスピースを1度のみ作成することができます。その場合は、当初予定していた期間より長くかかってしまいますので注意が必要です。

まとめ

歯と治療器具

今回は、インビザラインを使用した部分矯正についてご紹介しました。

部分矯正で考えていても、症例によっては全顎矯正を行わないと思うような治療結果を得られないこともありますので、事前のカウンセリングで疑問点の残らないようにしましょう。軽度の歯列不正でも、治療することで口元の印象は大きく変わります。

今回の記事の内容を参考に、部分矯正の治療を検討してみてください。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

インビザラインとキレイラインどちらがいいの?特徴と違いを解説!

2022年11月23日
アイボリーの背景の前で微笑んでいる長髪の女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

透明のマウスピースを装着することで歯を動かすマウスピース矯正は、目立ちにくく簡単に取り外せることなどから人気になっています。マウスピース矯正は、装着しているマウスピースを取り替えながら理想的な歯並びに近づけていく治療方法です。

さまざまなマウスピース矯正を提供しているブランドがありますが、今回はインビザラインとキレイラインをさまざまな特徴ごとに比較します。

インビザラインとは?

マウスピース

インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社によって開発されたマウスピース矯正ブランドです。2022年6月時点で世界100か国以上の国々で、1300万人を超える人々がインビザラインによる治療を受けています。

確かな技術と実績により日本でもよく知られるマウスピース矯正で、多くの歯科医院が提供しています。独自の3D画像化技術と多数の治療実績を基に治療計画を立案し、治療開始から完了までの歯並びをシミュレーションすることが可能です。

キレイラインとは?

歯科医

キレイラインとは、2016年に設立された日本のマウスピース矯正ブランドです。2022年11月時点で提携クリニックは全国に85院、症例数11万人以上と発展途上にあります。

低価格で気軽に矯正治療を始められることをコンセプトにしています。国家資格を保有している歯科技工士が日本国内で製造しているマウスピースを提供しているのが特徴のひとつです。

インビザラインとキレイラインの違い

白い風船と赤い風船

高品質のマウスピース矯正を提供しているインビザラインとキレイラインですが、費用や治療適応範囲など、さまざまな違いがあります。

インビザラインとキレイラインを比較した表は、以下のとおりです。

<インビザラインとキレイラインの比較表>

インビザラインキレイライン
治療適応範囲上下の歯16~28本上下の前歯12本
費用の目安(税込)21~38万円20~100万円
治療期間3か月~3年5か月~1年3か月
通院頻度2~3か月に1回1か月半もしくは3か月に2回
歯型を採取する回数治療開始前に1回歯並びの変化に合わせて歯型を採取する
治療開始可能な年齢6~7歳男性:16歳・女性:14歳

治療適応範囲

インビザラインの治療適応範囲は、4種類ある治療コースによって異なります。

<インビザラインの治療適応範囲>

治療コースの種類歯並びの状態
インビザライン エクスプレス上下16本(歯並びの悪さが軽度)
インビザライン GO上下20本(歯並びの悪さが比較的軽度)
インビザライン ライト上下28本(歯並びの悪さが比較的軽度)
インビザライン コンプリヘンシブ上下28本(歯並びの悪さが重度)

インビザラインは、前歯などの部分的な矯正から奥歯を含む全体的な矯正まで幅広く対応しています。治療適応範囲が異なる4種類の治療コースが用意されているのが特徴のひとつです。抜歯を伴う治療も行なっているため、大きく歯を動かす必要がある難しい症例にも対応可能です。

キレイラインは、八重歯・出っ歯・受け口など、さまざまな歯並びに対応しています。治療適応範囲は上下の前歯12本で、奥歯の噛み合わせの治療が必要な症例は適応外です。抜歯も基本的には行なわない方針であるため、軽度の歯並びを治すのに適しています。

費用の目安

インビザラインの費用は、治療コースの種類によって異なります。

<インビザラインの費用の目安・使用するマウスピースの枚数>

治療コースの種類費用の目安使用するマウスピースの枚数
インビザライン エクスプレス20~40万円最大7枚
インビザライン GO35~50万円最大20枚
インビザライン ライト45~70万円最大14枚
インビザライン コンプリヘンシブ70~100万円無制限

インビザラインの費用は、治療範囲が広い場合や重度の歯並びに対応するほど高額になります。歯並びが複雑になるほど使用するマウスピースは多くなり、治療期間が長くなるためです。インビザラインの費用は、基本的にはマウスピース発注前に支払わなければなりません。

キレイラインは、支払い方法によって2種類の治療コースがあり費用が異なります。

<キレイラインの費用の目安>

都度払い(税込)・初回:2.2万円

・2回目以降:5.5万円

コース払い(税込)・4回コース:17.6万円

・7回コース:31.9万円

・10回コース:46.2万円

キレイラインは、治療ごとに支払いをする「都度払い」とまとめて支払う「コース払い」が選べます。都度払いであれば、初回料金の2.2万円でマウスピース矯正を試してみて、その後に治療を続けるか決めるのも可能です。コース払いは都度払いよりもお得になるため、費用を安く抑えられます。

治療期間

治療期間は元の歯並びの状態によって大きく異なります。矯正する範囲が広かったり歯を大きく動かす必要がある症例では、治療期間が長くなることが多いです。

<インビザラインの治療期間の目安>

治療コースの種類治療期間の目安
インビザライン エクスプレス3~4か月
インビザライン GO7か月程
インビザライン ライト5か月程
インビザライン コンプリヘンシブ1年半~3年

インビザラインの治療期間が比較的長いのは、複雑な歯並びにも対応しているためです。キレイラインは比較的程度の歯並びを対象としているため、治療の期間は短い傾向にあります。

通院頻度・歯型を採取する回数

インビザラインは、治療開始前に1回だけ歯型を採取します。採取した歯型を3D画像化しシミュレーションを行ない、治療開始から完了までのマウスピースを一度に製作する仕組みです。

ただし、矯正途中にむし歯になり被せ物をするなどの治療を行なうと、歯の形態が大きく変わります。マウスピースが合わなくなり再製作が必要になるため注意が必要です。

キレイラインは、動いた歯に合わせてマウスピースを製作するため、歯型を採取する回数は多くなります。都度払いであれば1か月半に1回、コース払いであれば3か月に2回行われます。数か月ごとに型取りをするため、むし歯ができても対応が可能です。

治療開始可能な年齢

インビザラインには、成長過程にある子供を対象とした「インビザライン ファースト」があります。乳歯と永久歯が混在する時期である小学校低学年から治療を開始することが可能です。

キレイラインは、男性では16歳以上、女性では14歳以上を対象年齢としています。

ただし、前歯の歯根が完成する時期を治療開始の目安にしているため、歯根が未完成であれば経過観察になる場合があります。

インビザラインとキレイラインどちらがいいの?

悩んでいる3人の男性

インビザラインとキレイラインの大きな違いは、治療適応範囲が異なることです。

キレイラインは前歯の12本を治療適応範囲としているため、奥歯の歯並びを治したい場合は適応外になります。また、基本的には抜歯はしない方針であるため、抜歯をしてスペースを確保して歯を大きく動かす症例には不向きです。奥歯も含めた治療や抜歯をして歯を動かすスペースを確保しなければならない症例にはインビザラインを選択するのが良いでしょう。軽度の歯並びの悪さを治すには、キレイラインがおすすめです。奥歯の噛み合わせに問題がなく、「前歯の歯並びを治したい」「以前矯正をしていたが再び歯並びが乱れてきた」といった症状に適しています。

キレイラインは都度払いが選択できるため、一度に支払う金額を抑えることが可能です。インビザラインにも軽度の歯並びの悪さに対応した治療コースがありますが、費用は治療開始前にすべて支払わなければなりません。

支払い方法は、どちらも現金・クレジットカード・デンタルローンに対応しています。取り扱いは歯科医院によって異なるため、あらかじめ確認しましょう。

インビザラインとキレイラインで治療をするときの注意点

ビックリマーク

インビザラインとキレイラインは、どちらも優れたマウスピース矯正ブランドです。

ただし、どちらを選択したとしても治療を行なううえで注意しなければならないことがあります。インビザラインとキレイラインで治療をするときの注意点は、以下のとおりです。

・症例によっては治療を行なえない場合がある

・装着時間や交換時期を守らなければならない

・飲食をするときはマウスピースを外す必要がある

・矯正治療終了後は一定期間リテーナーを装着する

それぞれ解説していきます。

症例によっては治療を行なえない場合がある

骨格に問題がある症例は、インビザラインやキレイラインに限らず、マウスピース矯正の適応外になることが多いです。上下の顎骨の大きさや位置に不調和があり、出っ歯や受け口になることがあります。マウスピース矯正では改善が難しいと判断された場合は、ワイヤー矯正や外科的手術を視野に入れて対応します。

重度の歯周病である場合も、マウスピース矯正だけではなく矯正治療全般を行なえないことがあります。歯周病の症状が進行すると、歯を支えている骨が吸収し溶けだします。そのような状態で矯正治療によって歯を動かすために力を加えると、歯が抜ける恐れがあるため治療を行なえない場合があります。

装着時間や交換時期を守らなければならない

マウスピースの装着時間や交換時期を守らないと、治療が計画通りに進みません。

インビザラインとキレイラインでは、以下の装着時間・交換時期が推奨されています。

<マウスピースの装着時間・交換時期>

インビザラインキレイライン
1日の装着時間20~22時間以上20時間以上
交換時期1~2週間ごと2~3週間ごと

装着時間や交換時期は歯並びなどによって異なることがあります。歯科医師に確認し、指示に従いましょう。

飲食をするときはマウスピースを外す必要がある

飲食するときは必ずマウスピースを外しましょう。

マウスピースを装着したまま飲食をすると、破損したり変形したりする恐れがあります。また、食べ残しや糖分がマウスピースと歯の隙間に残り、むし歯や歯周病のリスクも高まります。マウスピースが破損・変形すると、再製作する必要があるため、注意が必要です。

矯正治療終了後はリテーナーを装着する必要がある

矯正治療が終了した後は、一定期間リテーナーを装着する必要があります。

矯正治療が終了したばかりの骨や周辺組織は固まっておらず、歯は元の歯並びに戻ろうとする後戻りを起こしやすい状態です。リテーナーを装着することで、歯並びが崩れるのを防ぎます。

まとめ

歯科医

インビザラインとキレイラインは、同じマウスピース矯正でありながら、さまざまな特徴の違いがあります。矯正治療は高額であるため、費用面での比較はもちろん大切です。そのうえで、なりたい歯並びに適している治療法を選択しましょう。

まずは歯科医院に相談し、歯並びの状態を確認してもらうことが大切です。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

 

インビザラインとは?メリットや向いている人、注意点についても解説!

2022年11月16日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正に興味はあるけれど、ワイヤーの装置を付けることに抵抗があるという方は多いのではないでしょうか。インビザラインは透明のマウスピースを使用して歯を移動させるので、見た目を気にすることなく矯正治療を行うことができます。

今回は、インビザラインの治療概要、メリットや向いている人についても解説していきます。

インビザラインとは?

歯の模型と矯正器具を持った女性

インビザラインは、1997年にアメリカで開発された透明のマウスピースの装置を使用した歯列矯正法です。

型取りを行い、専用のマウスピースが出来上がってきます。どのくらいの枚数のマウスピースを使用するかはプランや歯並びによっても異なりますが、難しい症例のほうがマウスピースの枚数は多くなり、治療期間も長くなります。1日20〜22時間以上の使用を推奨されていて、基本的に食費と歯磨きの時間以外は装着することになります。1枚のマウスピースを約10日〜2週間使用して、その後新しいマウスピースに交換していきます。

インビザライン治療のメリット

メリット

インビザラインで矯正治療を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説していきます。

目立ちにくい

インビザラインは、従来のワイヤーを使用した矯正装置に比べると、透明のマウスピース型なので矯正していることが気付かれにくいです。見た目の点で歯列矯正をするかどうか悩まれている方も抵抗なく始めることができます。

取り外しができる

ワイヤーを利用した矯正装置は固定式のため、治療が終わるまでは外すことができません。そのため、食べ物が装置の間に詰まりやすかったり、歯磨きもとても時間がかかります。インビザラインのようなマウスピース型の矯正装置は取り外しが可能なため、歯磨きもしやすく虫歯や歯周病になるリスクも低くなります。

痛みや違和感が少ない

従来の矯正装置は違和感を感じやすく、粘膜に当たることで唇や頬の粘膜を傷つけてしまうことが多いのですが、インビザラインはわずか0.5mmの厚みしかありません。また、1枚のマウスピースで歯を移動させる量は最大で0.25mmのため、装着している間の痛みも少なくなるようになっています。

信頼性の高い装置である

インビザラインは比較的新しい治療法ではありますが、世界中で1300万人以上の治療実績があります。その数はマウスピース矯正の中でもトップであり、信頼性の高い治療と言えるでしょう。

インビザライン治療のデメリット

デメリット

インビザラインでの治療は、メリットのみならず、デメリットもあります。詳しく解説していきます。

難しい症例には対応できない

ワイヤーを使用した矯正に比べると、インビザラインは矯正にかかる力が弱くなります。そのため、歯並びのガタガタが強い場合や重度の出っ歯や受け口、骨格的な顎のズレが大きい場合は、インビザラインでの治療の対象外になるか治療の期間が長くかかってしまう可能性があります。

マウスピースの管理が必要

インビザラインのマウスピースは使用していくと汚れも付きやすく、毎日のお手入れが必須といえます。また、透明の装置は紛失しやすく、もし紛失してしまった場合は新しく作成するための費用が発生してしまうこともあります。治療期間が伸びてしまう原因にもなりますので、自己管理の徹底が重要です。

食事や歯磨き時には外す必要がある

インビザラインは取り外し可能な装置で、お食事や歯磨きの際は外さなければいけません。糖分を含む飲み物は虫歯の原因になるので避ける必要があります。また、熱い飲み物は変形の原因になります。よく間食をする方や職業柄よく味見などをする飲食関連のお仕事をされている方などは向いていない治療法です。

治療できる歯科医院が限られている

歯科医師がインビザラインの治療を行うには条件があり、どの歯科医院もインビザラインを取り扱っているわけではありません。現在ご自身が通っている医院で取り扱っていない場合は、別の医院にも通院する必要があります。

インビザライン治療にかかる期間

歯の模型

インビザラインの治療にかかる期間は症例によっても異なりますが、短い方でも1年半で、一般的には2年から3年かかるとされています。

治療の流れは、まずインビザラインを取り扱っている歯科医院でのカウンセリングを受けます。カウンセリングでは、インビザラインのメリットやデメリット、治療内容や費用などが確認できます。その後、治療を開始する場合は、レントゲンや型取りを行う精密検査を行います。精密検査で問題がなければ専用の口腔内スキャナーでの撮影かインビザライン用の型取りを行い、約2週間前後でマウスピースが届いて治療を開始できます。

治療が開始すると、1〜2か月ごとに通院が必要となり、その都度新しいマウスピースがきちんと使用できているかの確認と、新しいマウスピースの受け取りが必要です。治療が終了したあとは、後戻り防止のためのリテーナーの装置を約1〜2年使用します。

インビザライン治療にかかる費用

電卓とボールペン

インビザラインの費用は、治療期間と同様に症例ごとに異なりますが、平均的な相場はおよそ800,000〜1,200,000円です。治療期間が長くなるほど使用するマウスピースの枚数が多くなるため、費用が高くなる傾向があります。

歯列矯正は基本的に保険が効かないため自費診療となり、多くの医院が治療前に行う検査やマウスピースを作成するための矯正料金と、通院時に毎回発生する処置料を設定しています。また、治療が終わった後は後戻り防止のための保定装置を作成するための料金も発生します。

<インビザラインにかかる費用の一例>

 

カウンセリング0円〜5,000円
 精密検査・診断料20,000円〜50,000円
矯正料金650,000円〜1000,000円
処置量5,000円〜10,000円
保定装置10,000円〜30,000円

上記以外にも、もし途中でマウスピースを紛失してしまった場合は別途料金が発生することもあります。医院ごとに料金も変わりますので、詳しい料金体系に関してはカウンセリング時にしっかり確認をしておきましょう。

インビザライン治療が向いている人・向いていない人

歯と時計

インビザライン治療に向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれ解説していきます。

インビザライン治療が向いている人

抜歯が必要ない症例

インビザラインは1枚のマウスピースで歯を動かす移動量が少ないため、歯並びのガタガタが多い場合や極端に出っ歯や受け口のような抜歯を必要とする症例よりも、比較的軽度な歯並びの治療を得意としています。

使用時間を1日20〜22時間以上確保できる

インビザラインは1日20〜22時間の使用を推奨しています。日常生活で使用時間を確保できる方はきちんと治療の効果を発揮することができます。

インビザライン治療が向いていない人

抜歯が必要な症例

抜歯が必要な症例の場合は歯の移動量が多く必要なため、インビザラインよりもワイヤーを使用した矯正のほうが適しています。

骨格に問題がある

顎の骨格に大きなズレがあったり変形があるような場合、インビザラインでは対応できません。

使用時間を1日20〜22時間以上確保できない

お仕事などでマウスピースを頻繁に外さなければいけない場合や装着し忘れることが多い可能性がある方は、思うような治療結果が得られない可能性があります。

インビザライン治療をするときの注意点

チェックリスト

インビザライン治療において気をつけておきたい注意点があります。詳しく解説していきましょう。

装着時間を守る

インビザラインの治療効果を発揮するためには、1日20〜22時間以上のマウスピースの装着が必要です。

もし装着時間が足りないと、予定通りに歯が移動せずに想定している治療期間に終了しなかったり、追加のマウスピースを作成する必要が出てきてしまうことがあります。その場合は、追加の料金が発生する可能性もありますので、確実に治療の効果を得たい場合は装着時間を守りましょう。

飲食時の取り外し

食事をする際は必ずマウスピースを外しましょう。

マウスピースを装着したまま食事をすると、歯と歯肉とマウスピースの間に食べ物が詰まり、虫歯や歯周病の原因になります。飲み物は装着したまま飲むこともできますが、糖分の含まれているものや熱いものは避けましょう。また、マウスピースは透明のため、着脱しない状態で冷たいコーヒーやお茶を頻繁に飲んでしまうと、着色が付いて黄ばんだ状態になりやすいです。

交換や通院のタイミングを守る

マウスピースは、通常10日〜2週間のタイミングで交換します。

交換のタイミングが早すぎたり遅すぎたりしてしまうと、予定通りに治療が進まなくなってしまいます。特に交換が早すぎる場合は、歯や歯肉などの組織に余計な力がかかってしまいトラブルに繋がることもあり危険です。交換の時期は確実に守りましょう。

通院はおよそ1〜2か月ごとで、その際は歯科医師にマウスピースの状態やきちんと装着されているかの確認を行います。通院間隔が長引いてしまうと、もし治療の経過でトラブルが起きてしまっていても把握することが難しくなりますので、決められた時期に通院するよう徹底しましょう。

まとめ

歯を指している女性

今回は、インビザラインのメリットや治療に向いている方などについて解説しました。

料金形態などは医院ごとに異りますので、カウンセリング時に疑問点がないように確認しましょう。インビザラインは、目立ちにくく取り外しができるという点では非常に優れた治療法ではありますが、デメリットや治療に向かない方もいますので、自分は治療に適しているのかどうかを今回の記事の内容を参考に検討してみてください。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

インビザラインで噛み合わせが悪くなるの?その原因と対応方法について詳しく解説!

2022年11月11日
歯科医で説明を受けている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインは、透明なマウスピース型の装置を使って矯正治療を行なうマウスピース矯正ブランドです。装置が目立たず周囲の人に気づかれにくいメリットがある一方で、噛み合わせが悪くなるといった声も聞かれます。

今回は、インビザラインで噛み合わせが悪くなるのか、原因や対応方法について解説します。

インビザラインで噛み合わせが悪くなるの?

歯科医で検診中の女性

インビザラインで矯正治療を行なって噛み合わせが悪くなることは、基本的にはありません。
インビザラインでは、独自の3D治療計画ソフトウェアを使用し、治療開始から治療終了までの歯の動きをシミュレーションします。歯並びはもちろん、噛み合わせもしっかりと確認するため、インビザラインが原因で噛み合わせが悪化することはありません。

正しい噛み合わせとは?

笑顔の女性

インビザラインでは、正しい噛み合わせを目指し矯正治療を進めていきます。

正しい噛み合わせとは、一般的に以下のようなものをいいます。

  1. 上下の前歯の中心が揃っている
  2. 上下の前歯の隙間が5mm以下になっている
  3. 下の前歯が上の前歯の内側にある
  4. 上の前歯が下の前歯に2~3mm被さっている
  5. 上下の奥歯がしっかり噛み合っている
  6. 上下の歯列がどちらもきれいなU字のアーチを維持している

正しい噛み合わせであるかは、自身で鏡を見てある程度は判断ができます。

ただし、最終的な確認は歯科医院で行ないましょう。レントゲン撮影や歯型を採取し、歯並びや噛み合わせをさまざまな角度から診断します。

インビザラインで噛み合わせが悪くなる原因

マウスピース

インビザラインが原因で、噛み合わせが悪くなることは基本的にはありません。

しかし、矯正治療によって歯並びが変わることや不適切なマウスピースの使い方が原因で、噛み合わせが悪くなったと感じることがあります。

インビザラインで噛み合わせが悪くなる原因には、以下のようなものが考えられます。

  • 矯正治療によって歯が動いているため
  • 装着時間が守れていないため
  • マウスピースを正しく使用できていないため

詳しく解説していきます。

矯正治療によって歯が動いているため

矯正治療によって歯が動くことで、噛み合わせに変化が生じて噛み合わせが悪くなることがあります。歯が動くことで起きる噛み合わせの悪さは、インビザラインに限らず矯正治療全般で感じる可能性が高いです。特に、治療を始めた頃やマウスピースを交換したタイミングで違和感をもつ方が多い傾向にあります。

ただし、一時的であることが多く、治療が完了する頃には改善しています。矯正治療が完了したにもかかわらず噛み合わせに不具合がある場合は、歯科医師に相談しましょう。

装着時間が守れていないため

装着時間を守らないことは、噛み合わせに影響が出る大きな原因になります。

インビザラインは1日20〜22時間以上の装着時間を推奨しています。装着時間が短かったり装着していなかったりする日が続くと、シミュレーション通りに歯が動かないばかりではなく「後戻り」が起こります。後戻りが起こると、治療期間が長引く可能性があります。マウスピースが合わなくなり、再製作が必要になる場合もあるため注意しましょう。

マウスピースを正しく使用できていないため

インビザラインで噛み合わせが悪くなる原因には、マウスピースを正しく使用できていないことが挙げられます。

マウスピースの不適切な使用方法は、以下のとおりです。

  • マウスピースが浮いたまま使用している
  • 変形したマウスピースを使用している
  • 交換時期を守っていない

詳しく解説していきます。

マウスピースが浮いたまま使用している

マウスピースを浮いたまま使用していると噛み合わせが悪くなることがあります。マウスピースと歯がしっかり密着していないと、装置から歯に適切な力が掛からず正しく歯が動きません。

変形したマウスピースを使用している

噛み合わせが悪くなる原因のひとつに、変形したマウスピースを使用している場合があります。マウスピースを正しく取り扱っていないと、落としたり踏んだりして変形してしまいます。変形したマウスピースを使用し続けていると、シミュレーション通りに治療が進まない可能性があるため注意が必要です。

また、噛み締めや歯ぎしりをする方は、マウスピースを変形させたり破損させたりする恐れがあります。噛み締めや歯ぎしりがあまりにも強いとインビザラインの適応になりません。ワイヤー矯正などの治療方法はあるため、歯科医師に相談してみましょう。

交換時期を守っていない

マウスピースの交換時期を守らないことは噛み合わせを悪化させる原因になります。インビザラインの交換周期は1〜2週間であることが多いです。交換周期には個人差があり、年齢や歯並びの状況などをみて歯科医師が判断します。インビザラインでは、マウスピースを交換することで徐々に歯を理想的な歯並びになるように動かしています。交換時期が来たにもかかわらず以前のマウスピースを使い続けていても、歯並びは改善しません。

また、自己判断でマウスピースを交換すると、痛みが出たり噛み合わせが悪くなったりする可能性があるので控えましょう。

インビザラインの正しい装着方法と注意点

ビックリマーク

インビザラインで矯正治療を進めるうえで噛み合わせの悪化を防ぐには、マウスピースを正しく装着することが大切です。また、治療中のトラブルを回避するため、マウスピースの取り扱いにも注意しましょう。

インビザラインの正しい装着方法

インビザラインを装着する際は、以下を意識して正しく装着しましょう。

  • 1日20時間以上装着する
  • 指定された交換時期を守る
  • しっかり奥まで装着する

装着時間や交換時期は、歯科医師の指示を守りましょう。マウスピースは浮いたまま使用すると正しい治療効果が得られません。マウスピースを装着する際は、指でしっかりと押して歯に隙間がないか確認しましょう。マウスピースが途中までしかはまっていないのに噛み込んで装着するのは、変形や破損の原因になるため避けてください。

最後にチューイーを噛みましょう。チューイーは、弾力のある素材でできたロール状のチューブで、噛むことで歯とマウスピースの密着度を高められます。

インビザラインを装着しているときに注意すること

インビザラインで矯正治療を行なっているときの注意点は、以下のとおりです。

  • マウスピースを装着したまま飲食をしない
  • 紛失や破損をしない
  • むし歯や歯周病に注意する

詳しく解説していきます。

マウスピースを装着したまま飲食をしない

マウスピースを装着したまま飲食をするのは、破損や変形などの原因になるため避けてください。「飲み物であれば問題ない」と思いがちですが、マウスピース装着中に飲めるのは、基本的には水のみです。甘い飲み物は、マウスピースと歯の間に糖分が蓄積されむし歯の原因になります。

また、ワインやコーヒーなどの色素の濃い飲み物は着色する可能性があるため、マウスピース装着中には控えてください。インビザラインで矯正を行なっているときは、飲食の際はマウスピースを必ず外しましょう。

紛失や破損をしない

マウスピースの紛失や破損には十分注意してください。

マウスピースを外した際に、ティッシュなどに包んでそのまま捨ててしまうことがあります。紛失や破損した場合は再製作しなければならず、治療期間が長くなったり余計な費用がかかったりとあまり望ましくはありません。マウスピースを外した際には、専用のケースに保管するなどしてしっかり管理しましょう。

むし歯に注意する

むし歯の治療のために詰め物や被せ物をして歯の形態が変わってしまった場合は、マウスピースを再製作しなければなりません。

ワイヤー矯正と比較して、インビザラインはマウスピースを取り外せるため歯磨きがしやすいのが特徴です。フロスなどの補助器具も併用してむし歯を防ぎましょう。

インビザラインで噛み合わせが悪くなったと思ったら

マウスピース

噛み合わせの悪さを感じた場合はそのままにせず、すぐに対処することが大切です。

対応方法は以下のとおりです。

  • マウスピースの状態や使用方法を確認する
  • 歯科医師に相談する

詳しく解説していきます。

マウスピースの状態や使用方法を確認する

噛み合わせが悪くなったと感じた場合、まずはマウスピースの状態や使用方法を確認しましょう。マウスピースが変形・破損している場合は、歯に適切な力が加わっておらず噛み合わせが悪化している可能性があります。無理に装着せず、歯科医院へ連絡しましょう。

また、歯科医師が指示した使用時間や交換時期を守れていない場合も、予定通りに歯が動かず噛み合わせに影響が出ることがあります。装着する際は、マウスピースがしっかりと密着するようチューイーを使用してください。マウスピースの使用方法に誤りがあった場合は、歯科医師にその旨を伝え、指示を仰ぎましょう。

歯科医師に相談する

マウスピースの状態や使用方法に問題がないにもかかわらず、噛み合わせが悪いと感じた場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。

噛み合わせが大幅にずれている場合は、マウスピースを再製作し、歯並びや噛み合わせの修正を行なう可能性もあります。矯正治療によって歯が動いているため、噛み合わせが悪くなっている場合は治療が進むにつれて改善します。いずれにしても、不安を感じた場合には歯科医師に相談するのが良いでしょう。

まとめ

歯をいたがるビジネスマン

インビザラインで噛み合わせが悪くなることは基本的にはないため、安心して治療を進めてください。

ただし、矯正治療では、インビザラインに限らず、歯が動く過程で一時的に噛み合わせに変化が生じることがあります。不安を感じた場合は、歯科医師に相談しましょう。また、インビザラインの治療をスムーズに進めるためには、装着時間や交換時期を守ることが重要です。必ず歯科医師の指示に従い、正しく治療を進めましょう。

インビザラインに不安がある方や検討されている方は、浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。