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インビザライン矯正の費用はいくらくらい?治療の流れごとに解説!

2023年10月7日
インビザラインのマウスピースを手に持つ

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

装置が目立たないことから人気のインビザライン矯正ですが、費用が気になる方は多いのではないでしょうか。

今回は、インビザライン矯正の費用や保険が適用されるのかどうかなどを解説します。治療の流れに沿って詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

インビザライン矯正の費用

机に置かれた植物と電卓

インビザライン矯正にかかる費用は、トータルでおよそ600,000〜1,000,000円です。自費診療になるので、歯科医院ごとに費用が異なります。口内や歯並びの状態によっても費用が変動するため、相場に幅があります。

インビザライン矯正にかかる費用を、治療前・治療中・治療後に分けて詳しく確認しましょう。

治療前にかかる費用

インビザライン矯正を始める前に、カウンセリングと口内の状態を調べるための精密検査が行われます。検査の結果、インビザライン矯正の前に虫歯治療や抜歯が必要となった場合は、先に処置を行うのが一般的です。

カウンセリング

カウンセリングの費用相場は、無料〜10,000円程度です。無料でカウンセリングをしている歯科医院と、有料で行っている歯科医院がありますが、どちらがよいというわけではありません。

カウンセリングでは、簡易的に口内の状態も検査します。インビザライン矯正の進め方や必要な費用、治療期間などの説明を受けるでしょう。

歯科医院や歯科医師・スタッフの雰囲気などを知ることもできます。インビザライン矯正は長期間歯科医院に通う必要があり、費用もかかります。そのため、相性のよい歯科医院を選ぶための参考にするとよいでしょう。

カウンセリングを受けたからといって、必ずその歯科医院で矯正治療を始めなければいけないわけではありません。インビザライン矯正を検討している方は、一度カウンセリングを受けて費用などの説明を受け、歯科医院の雰囲気を確認しましょう。

検査

検査は、実際に矯正治療を始めるにあたって緻密な治療計画を立てるために行います。

検査費用の相場は、10,000円〜50,000円程度です。検査費用は、インビザライン矯正全体の費用に含まれている場合もあります。

インビザライン矯正で主に行われる検査の内容は、以下のとおりです。

・レントゲン撮影

・CT撮影

・顔の写真撮影

・歯並びの撮影

・CTスキャンによる歯型採取

インビザライン矯正では、専用のソフト「クリンチェック」を使い、検査のデータをもとに現在の歯並びから治療終了までの歯の動きをシミュレーションできます。治療開始前に矯正治療完了後のイメージを確認できることは、インビザライン矯正の大きなメリットでしょう。

虫歯治療や抜歯

インビザライン矯正を始める前に、虫歯治療が必要になる場合があります。虫歯治療は歯列矯正とは直接関係のない治療なので、保険で治療することも可能です。矯正専用の歯科医院の場合、別の歯科医院を紹介されることもあるでしょう。

費用の相場は虫歯の状態によって異なりますが、数千円程度です。虫歯の治療が終わり次第、矯正治療に移行します。

抜歯が必要な場合、虫歯や歯周病など歯科治療のための抜歯は保険が適用されます。矯正のために特に問題のない歯を抜く場合は、保険が適用されません。自費診療で5,000〜10,000円程度の費用がかかるでしょう。

治療中にかかる費用

治療中にかかる費用は、インビザライン矯正で使用するマウスピースの作製に関わる費用と、毎回の診察にかかる費用です。

マウスピースの作製

マウスピースの作製にかかる費用の相場は600,000〜1,000,000円です。

上述したようにインビザライン矯正では、クリンチェックというソフトによって治療開始から終了までのシミュレーションを行います。一度の歯型の採取で治療終了までに必要なマウスピースをすべて作製します。

診察

インビザライン矯正を開始したら、定期的に歯科医院で治療の進み具合をチェックしなければなりません。1〜2か月に一度の通院が一般的で、1回の診察にかかる費用の相場は3,000〜10,000円程度です。

歯科医院によって異なるので、カウンセリングの際などに確認しましょう。

インビザライン矯正では、1日20〜22時間マウスピースを装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら矯正治療を進めます。基本的にご自身で進めなければなりませんが、マウスピースの装着時間や交換時期が守られていないと、計画どおりに矯正治療が進みません。

診察の際は、矯正治療の進み具合をチェックし、必要な場合はマウスピースを追加するなど、治療計画を修正することもあります。

治療後にかかる費用

治療後とは、歯を並べ終わったあとの保定期間を指します。

矯正治療では、歯を動かす「動的治療期間」と、動かした歯の位置を固定させるための「保定期間」が必要です。保定期間は、一般的に矯正にかかった期間と同程度とされています。歯を動かすのに1年半かかった場合は、保定期間も1年半程度です。

保定期間は、リテーナーという保定装置を装着する必要があります。保定装置の作製にかかる費用の相場は、10,000〜60,000円程度でしょう。

保定期間中も定期的に受診する必要があり、1回の診療あたり3,000〜5,000円の費用がかかります。保定期間中の通院は、矯正治療中と比較して頻度が減るのが一般的です。

インビザライン矯正は保険が適用される?

資料を見ながら電卓を使う女性医師

インビザライン矯正は、保険が適用されません。歯列矯正は病気の治療ではないので、どのような治療でも基本的に自費治療になります。

例外的に、先天的な顎変形症などで矯正治療を行う場合は保険が適用されますが、大掛かりな手術が必要な症例が多いのでインビザライン矯正のみで改善することは難しいでしょう。大学病院などの大きな病院と連携して行われることが多いです。

インビザライン矯正は医療費控除の対象になる?

医療費控除の書類を虫眼鏡で拡大する

インビザライン矯正は、医療費控除の対象になることがあります。

医療費控除とは、1年間にかかった医療費が100,000円を超えた場合に受けられる、所得控除の制度です。対象になる場合は、確定申告の際に申請すれば還付金を受け取れます。

インビザライン矯正の費用が直接安くなるわけではありませんが、結果的に治療費を抑えられるでしょう。

インビザライン矯正で医療費控除を受ける場合は、注意する点があります。

見た目を美しくするための審美性の改善を目的とした矯正治療の場合、医療費控除の対象にはなりません。咀嚼や噛み合わせの改善など、機能の回復が目的の場合は医療費控除の対象になります。

インビザライン矯正の費用を安くする方法

顎に手を当てて考える女性

インビザライン矯正の費用を安くする方法はありませんが、歯科医院によって金額が異なるため、費用の安い歯科医院を選べばインビザライン矯正の費用は安くなります。

しかし、「費用が安い歯科医院」が「相性のよい歯科医院」とは限りません。インビザライン矯正は費用と時間がかかる治療です。費用の安さだけで歯科医院を選ぶのはあまり推奨できません。

必要以上に費用がかからないように、以下の点に注意しましょう。

マウスピースの装着時間と交換時期を守る

インビザラインは、自己管理が重要な矯正治療です。計画どおりに治療を進めるには、マウスピースの装着時間・交換時期をしっかりと守らなければなりません。

装着時間・交換時期を守らないと、治療計画を立て直す、マウスピースを追加で作製するなど、本来必要なかった費用がかかります。

トラブルがあった場合はすぐに連絡する

マウスピースがうまくはまらない、装着時間を守れなかったなど、問題が起きた場合はすぐに連絡して、歯科医師の指示を受けましょう。

インビザライン矯正では、マウスピースと歯の密着度を高めるためにアタッチメントという突起を装着することがあります。装着したアタッチメントが外れた場合や、マウスピースが破損した場合など、矯正装置にトラブルがあったときも計画どおりに治療が進まなくなるかもしれません。早めに歯科医院に連絡し、受診する必要があります。

すぐに歯科医院を受診すれば、治療計画が乱れて余計な費用がかかることを防げるでしょう。

まとめ

インビザラインのマウスピースを持って笑う女性

インビザライン矯正にかかる費用は、600,000〜1,000,000円が相場です。

矯正装置の費用以外に、矯正前のカウンセリングや検査、矯正中の診察、矯正後の保定装置などに費用がかかります。これらの費用は歯科医院によって異なります。すべて含めた金額を設定している歯科医院もあれば、診察のたびに支払う歯科医院もあるでしょう。治療開始前に確認することが重要です。

インビザライン矯正は、決して安い治療ではありません。インビザライン矯正を検討している場合は、カウンセリングを受けて費用について詳しく確認してください。

インビザライン矯正に興味がある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

入れ歯の値段はどれくらい?保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いも解説

2023年9月11日
入れ歯

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯を失ってしまって入れ歯を入れることになった場合、費用はどのくらいかかるのか、またどのような入れ歯があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。入れ歯には、保険で作ることができる入れ歯と、自費の入れ歯があります。

今回は、さまざまなタイプの入れ歯について、費用から特徴まで詳しく解説していきます。

保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いとは?

メリットとデメリット

保険治療は最低限の医療を提供するための仕組みで、保険の入れ歯は決められた材料・素材によるものです。また、治療工程もおよそ決められたものです。

それに対し、自費の入れ歯は、さまざまな材料から自由に選択することができ、多種多様なものがあります。

それぞれの特徴を、メリットとデメリットを踏まえて解説します。

保険の入れ歯の特徴

プラスチックの床(しょう)の上に、プラスチック製の人工の歯を並べた作りです。

部分入れ歯の場合には「クラスプ」という金属のバネを周囲の歯に引っ掛けることで固定します。総入れ歯の場合には、床(しょう)部分を粘膜に吸着させることで固定する仕組みで、上顎の場合は口蓋(こうがい)※を大きく覆う形です。

※口蓋とは、口の中の上顎の壁のことを指します。鼻腔との境になっており、前方の約2/3は骨があるため硬く、後方1/3は柔らかい粘膜組織です。

保険の入れ歯のメリットとデメリット

<メリット>
・費用が安価
・製作期間が短い

<デメリット>
・床(しょう)に厚みがあるため、違和感や異物感が気になることがある
・床に厚みがありプラスチック製のため、食べ物の熱を感じにくい
・入れ歯に臭いがつきやすく口臭の原因になりやすい
・天然の歯に比べて、噛む力が1/3〜1/10程度にまで低下してしまう
・保険の決まりにより、入れ歯を作ってから半年経過しなくては、新しい入れ歯を作ることができない

保険の入れ歯は、安価で簡単に作ることができますが、使用感などのデメリットが多いです。

自費の入れ歯の特徴

自費の入れ歯の場合には、保険適用では使用できないゴールドやコバルトクロムなどの金属を使うことや、弾力性のある材質を選択することができるなど、材料や素材を周囲の歯に合わせて自由に選ぶことができます。

入れ歯の固定方法も、マグネット式や被せ物のように固定するもの、インプラントを利用して固定するものなど、さまざまです。

自費の入れ歯の場合は、使用感や見た目にこだわった使い心地のよい入れ歯を製作することができます。

自費の入れ歯のメリットとデメリット

<メリット>
・目立たず、見た目のよい入れ歯を作ることができる
・違和感や異物感の少ない入れ歯を作ることができる
・ズレることや動くことの少ない、安定した入れ歯を作ることができる

これらのメリットのように、ご自身の希望に合った特注の入れ歯を作ることができます。

<デメリット>
・費用が高価
・製作に時間がかかる場合がある

【保険】入れ歯の種類・値段

保険の記載用紙

保険適用の入れ歯は、1種類しかありません。人工歯の部分と粘膜の上にのる床(しょう)の部分共に、プラスチック製です。部分入れ歯の場合は、歯に引っ掛けて固定するためのクラスプがあります。

費用は保険の自己負担割合によりますが、3割負担の場合、部分入れ歯では3,600〜7,500円程度、総入れ歯では9,000円程度です。

【自費】入れ歯の種類・値段

握手する歯科医と患者

自費の入れ歯の場合は、自分に合った特注の入れ歯を作ることができるので、種類が非常に多いです。

代表的な入れ歯の種類について、特徴や値段を紹介していきます。値段は、自費の場合は歯科医院ごとに設定しているため目安にしてください。また、ご自身の歯がどのくらい残っているかによって入れ歯の大きさに差があるため、費用も異なります。

金属床義歯

入れ歯の床(しょう)部分に金属を使ったものです。正面から見えるところはピンク色のプラスチックでできていますが、裏側や口蓋の部分は薄い金属のフレームでできています。厚みがないので異物感や違和感が少なく、密着性が高いのでフィットしやすいことが特徴です。

また、プラスチックと比べて熱が伝わりやすいので、温かいものや冷たいものをおいしく食べることができます。金属アレルギーの場合は、アレルギー状況に合わせてチタンなどのアレルギーが起こりにくい金属を選ぶことができます。

値段の相場は、10万〜60万円です。

マグネットデンチャー(磁性アタッチメント義歯)

入れ歯と残っている歯の部分に磁石を取り付けて、磁力で入れ歯を固定させる義歯です。磁石の力で入れ歯を安定させるので、金属のバネを取り付けなくても済みます。入れ歯とご自身の歯の側に磁石を取り付けなくてはならないので、取り付ける歯がなくてはなりません。

のちほどご紹介しますが、歯がまったく残っていなくても、インプラントを利用してマグネットデンチャーにする方法もあります。

値段の相場は、20万〜60万円です。

コーヌスクローネ(コーヌス義歯)

残っている歯に金属冠(内冠)を被せ、その上から入れ歯を装着するタイプの義歯です。義歯のほうには金属冠の外冠にあたる部分が組み込まれています。

内冠と外冠がピッタリと重なって、入れ歯が外れない仕組みです。外れにくく安定感があるので、しっかり噛める入れ歯といえます。

値段の相場は、10万円〜60万円です。

シリコーン義歯(コンフォート義歯)

床の一部がシリコンでできている入れ歯です。粘膜と接する面がシリコンでできているため、入れ歯の歯茎にかかる圧力が軽減されます。痛みが出にくいのが特徴です。

ただし、シリコン部分に汚れがつきやすく、経年劣化でシリコンが剥がれてしまうことがあります。

値段の相場は、10万〜60万円です。

ノンクラスプデンチャー

部分入れ歯の、金属のバネ(クラスプ)のない義歯です。金属のバネの代わりに、歯茎に近い色の樹脂でできた床を伸ばしたような形態をしています。

装着した際に自然な見た目になり、入れ歯を装着していることに気づかれにくいのが特徴です。金属に比べると耐久性が落ちますが、審美的に優れています。

値段の相場は、10万〜30万円です。

インプラントデンチャー(インプラントオーバーデンチャー)

総入れ歯・部分入れ歯の両方に可能な入れ歯です。数本のインプラントを埋入し、残った歯とインプラントで入れ歯を固定し安定させる方法です。インプラントと入れ歯を維持させるために「ロケーターアタッチメント」というパーツで固定させます。入れ歯の内面は凹タイプのアタッチメント、インプラント側は凸タイプのアタッチメントを用います。

失った歯の1本1本をインプラントにする必要がなく、少ないインプラントの本数で義歯を固定することができます。先にご紹介したマグネットデンチャーのように、インプラントにマグネットを取り付ける方法もあります。

インプラントデンチャーは手術が必要なので、治療期間が長くなります。

値段の相場は、50万〜200万円です。インプラントの手術料金が入るため費用は高額です。埋入するインプラントの本数によって料金が異なるため、大きく差があります。

まとめ

歯を指さして笑顔の女性
入れ歯には、保険内で製作する入れ歯と自費の入れ歯があります。
保険内で製作する入れ歯は安価ですが、材料や素材が決められているため、決められた形の入れ歯しか作ることができません。

一方で、自費の入れ歯は高額ですが、材料や素材を自由に選ぶことができ、装着感や使用感、見た目など、希望に合わせた入れ歯を製作することができます。値段は10万円程度のものから100万円以上のものまで、さまざまです。

入れ歯は毎日使うものです。値段や特徴を踏まえたうえで、どのような入れ歯にするのか検討するのがよいでしょう。

入れ歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

入れ歯の種類!自分に合った入れ歯の選び方も解説!

2023年8月14日
入れ歯の模型がおいてある

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯があります。それぞれ保険適用・自費診療のものがあり、種類によって費用やメリット・デメリットはさまざまです。種類ごとの特徴やメリット・デメリットを理解しておくことで、ご自身に合った最適な入れ歯を選択できます。

今回は、入れ歯の種類ごとの特徴や費用について解説します。ご自身に合った入れ歯の選び方も解説しているため、ぜひ参考にしてください。

入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯がある

入れ歯とは、虫歯や歯周病、事故など、何らかの事情で失ってしまった歯を、取り外し式の義歯で補う治療法のことです。

入れ歯の種類には、全ての歯を補う(歯が1本もない)場合に使用する総入れ歯、歯が1本でもある場合に使用する部分入れ歯の2種類あります。

部分入れ歯は、残っているご自身の歯に「クラスプ」とよばれる金具を引っ掛けることで、入れ歯を支えます。そのため、残っている歯が、丈夫かつ歯の本数が多ければ多いほど、入れ歯が外れにくく使い心地がよいといえるでしょう。

一方、総入れ歯は、全ての歯の代わりを入れ歯で補うため、歯茎を支えにします。歯茎の形を精密に型取りすれば、入れ歯と歯茎の間に空気が入らず、吸盤のように密着するしっかりした入れ歯が作れるでしょう。

入れ歯は種類に関わらず、食後や就寝時は外し、ご自身の歯のケアをするのと同じく清潔に保たなくてはいけません。入れ歯に食べかすなどの汚れがついたままだと、入れ歯のにおいのもととなったり入れ歯に歯石がこびりついたりすることがあり、不衛生な状態となります。入れ歯を長く使いつづけるには、毎日のケアが重要です。

総入れ歯の種類

総入れ歯の種類

以下、総入れ歯の種類ごとのメリットやデメリット、費用などを解説します。

保険適用の総入れ歯

保険適用の総入れ歯のメリットやデメリット、費用などは、以下のとおりです。

レジン床

レジン(プラスチック)でできた入れ歯で、保険適用で治療する場合、レジンしか選択できません。保険適用のため、どこの歯科医院で治療を行っても費用は同じで、3割負担で1万~1万5千円程度です。レジンを使用することで費用がおさえられ、修理や調整がしやすいのもメリットのひとつです。

しかし、レジンは素材的に弱いため、入れ歯の強度をもたせるために、入れ歯自体を厚くして作製しなければいけません。そのため、慣れるまではしゃべりにくいことや異物感がでることがあるでしょう。特に、上の総入れ歯の場合、上顎を大きく覆ってしまうため、食べ物の温度を感じにくく、嘔吐反射がある方は気持ち悪くなりやすいことがあるため注意が必要です。

自費診療の総入れ歯

自費診療の総入れ歯のメリットやデメリット、費用などは、以下のとおりです。

金属床

金属床とは、歯茎に触れる部分に金属を使用した入れ歯のことです。金属床の費用の目安は40~50万円程度ですが、素材によって費用が異なるため、この目安よりも高くなることがあるでしょう。

耐久性のある金属を使用することで、保険適用の入れ歯よりも薄く作れるため、違和感やしゃべりにくさが少ないのがメリットです。また、食べ物の温度を感じやすくなるため、食事をおいしく感じやすいでしょう。

しかし、金属部分が破損してしまった場合は修理が難しいこともあるため注意が必要です。

コンフォート入れ歯

コンフォート入れ歯とは、歯茎の部分にやわらかいシリコン素材を使用した入れ歯のことです。

コンフォート入れ歯の費用の目安は、40~50万円程度です。

歯茎に触れる部分にシリコンを使用することで、咀嚼時の衝撃をやわらげる効果があるため、違和感や痛みがでにくいでしょう。また、入れ歯と歯茎の密着度を高める効果もあるため、外れにくいのもメリットです。

しかし、シリコン部分が劣化しやすいことや汚れが付きやすいことを理解しておきましょう。

インプラント入れ歯

総入れ歯は歯を支えにできないため、部分入れ歯に比べると安定性に乏しいといえます。

そこで、歯茎にインプラントを埋め込み、インプラントを支えにして作るのがインプラント入れ歯です。埋め込んだインプラントの上部と入れ歯本体に磁石をつけることで、入れ歯の安定性が格段に上がります。

入れ歯が外れてしまったり擦れたりすることがないため、食事や会話などにおいて入れ歯の使い心地がよいでしょう。また、インプラントを埋め込むことで、顎の骨が痩せるのを防ぐ効果もあります。

ただし、インプラントを埋め込むには、麻酔を伴う外科手術が必要です。そのため、健康状態によっては治療が受けられないことがあります。さらに、費用の目安は50~150万円程度と高額でと、治療期間が長くかかることはデメリットといえるでしょう。

BPSデンチャー

BPSデンチャーとは、ヨーロッパの最先端システムを用いた入れ歯のことで、費用の目安は40~60万円程度です。

ほかの種類の入れ歯と大きく違うのは、作り方と入れ歯の見た目です。

歯科医師だけでなく歯科技工士も入れ歯作製の際に立ち合い、患者さまの顔貌、お口の状態、筋肉などを確認して入れ歯を作るため、しっかり噛め、外れにくい入れ歯ができあがります。

また、歯の色味だけでなく、歯茎の形にもこだわっているため、一見して入れ歯とは気づきにくいほどの美しい見た目であることもメリットです。そのため、BPSデンチャーは、機能的にも審美的にも最上級を追求した入れ歯といえるでしょう。

しかし、治療できる歯科医院に限りがあり、ほかの種類の入れ歯よりも治療期間がかかることがあるため注意が必要です。

部分入れ歯の種類

部分入れ歯が2つおいてある

以下、部分入れ歯の種類ごとのメリットやデメリット、費用などを解説します。

保険適用の部分入れ歯

保険適用の部分入れ歯のメリットやデメリット、費用などは、以下のとおりです。

レジン床

保険適用の部分入れ歯は、歯茎の部分はレジン、クラスプ部分は金属でできています。保険適用の部分入れ歯の費用は、部分入れ歯を作る範囲によって異なりますが、3割負担で5千円~1万5千円程度です。

1本だけの部分入れ歯の場合、1回の型取りだけで作製できる場合があるなど、安価かつ短期間で作製できるのが部分入れ歯のメリットです。

しかし、クラスプ部分が金属のため、クラスプの位置によっては金属が目立つことがあるでしょう。また、総入れ歯と同じくレジン部分が分厚くなるため、違和感やしゃべりにくさなどがあるのがデメリットです。

自費診療の部分入れ歯

自費診療の部分入れ歯のメリットやデメリット、費用などは、以下のとおりです。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーとは、クラスプ部分に、金属ではなく歯茎と同じピンク色の樹脂を使用している部分入れ歯のことです。保険適用の部分入れ歯のように金属部分が目立つことはないため、ノンクラスプデンチャーは見た目が気になる方に向いています。

ノンクラスプデンチャーの費用の目安は、歯の本数によって異なるため、10~30万円程度とばらつきがあります。

しかし、素材的に調整や修理が難しく、歯科医院では修理ができないため、技工所に修理を依頼することになるでしょう。その場合、修理に数日かかることがあるため注意が必要です。

金属床

金属床とは、歯茎部分に金属を使用した部分入れ歯のことです。金属床の部分入れ歯の費用の目安は、使用する金属にもよりますが30~50万円程度です。

金属を使用することで、保険適用の部分入れ歯よりも薄く作れるため使い心地がよいでしょう。また、ノンクラスプデンチャーと金属床を併用することもあります。併用することで、金属床のように入れ歯自体を薄く作れて丈夫なうえ、ノンクラスプデンチャーのように見た目がよい入れ歯を作れます。

しかし、入れ歯の構造や場所によっては、金属部分が見えることもあるため注意が必要です。

コンフォート入れ歯

コンフォート入れ歯とは、歯茎部分はシリコン、クラスプ部分は金属が使用された部分入れ歯のことです。コンフォート入れ歯の費用の目安は、10~50万円程度です。

歯茎部分にシリコンを使用するため、入れ歯と歯茎の密着度が増し、入れ歯の使い心地がよいでしょう。

しかし、奥歯に使用する場合、入れ歯が曲がって沈み込みやすく、クラスプを引っ掛けている歯に負担がかかることもあるため注意が必要です。

マグネット入れ歯

マグネット入れ歯とは、入れ歯の安定を増すために、残っている歯根に磁力のある金属を埋め込み、入れ歯と歯をマグネットで安定させる入れ歯のことです。マグネット入れ歯の費用の目安は入れ歯の種類によって異なり、選択する入れ歯の費用+マグネット1個につき3~5万円程度です。

磁力によって、入れ歯が安定します。外れたりずれたりすることが少なくなるため、食事のしにくさやしゃべりにくさを感じにくいでしょう。

ただし、残っている歯に金属を埋め込むため、歯の神経が残っている場合は神経を抜く処置が必要な場合があります。また、残っているご自身の歯の本数が少なすぎる場合、適応できない場合もあるため注意が必要です。

自分に合った入れ歯の選び方

選び方のポイントを示している

保険適用や自費診療に関係なく、どの種類の入れ歯を選んでも、一生使い続けられるわけではありません。もちろん、保険適用の入れ歯よりも、自費診療の入れ歯を選ぶほうが素材的に優れているため、長持ちしやすいのは事実です。

しかし、入れ歯の寿命は素材だけに左右されるわけではありません。お口の状態や残っている歯の状態などによっても異なります。

入れ歯は、作った当初はぴったり合っていても、徐々に顎の骨が痩せることで入れ歯と歯茎がフィットしにくくなり、入れ歯が外れやすくなる、食べ物が挟まるなど、年数とともに不具合がでやすいです。また、部分入れ歯の場合、支えにしている歯がぐらついたり抜けたりすると、入れ歯の修理や新製が都度必要です。そのため、どの種類の入れ歯を選んでも、使い続けるうちにいつかは作り直しが必要といえるでしょう。

入れ歯にかかる費用を重視する方は、保険適用の入れ歯を選ぶとよいでしょう。保険適用の入れ歯を選択することで、作り直しが必要となっても、入れ歯の作製にかかる費用を極力おさえられます。

しかし、保険適用の入れ歯の場合、異物感やしゃべりにくさがでやすいのがデメリットです。また、食べ物の温度を感じにくいため、食事をおいしく感じられないこともあるでしょう。

生活をするうえで「おいしく食事できること」は、健康に関わるだけでなく、幸福感に直結する大切な要素です。費用だけを重視して使いにくい入れ歯を使い続けると、食事や会話などにストレスを感じるかもしれません。

費用はかかるものの、自費診療の使い心地がよい入れ歯を選ぶことで、快適な毎日を過ごせるでしょう。また、自費診療の入れ歯は保険適用の入れ歯よりも素材が優れているため、その分長持ちしやすいです。

ご自身に合った入れ歯や保険適用か自費診療の入れ歯の選択で迷ったときは、費用を優先するのか、使い心地を優先するのかをまず考えましょう。入れ歯の種類によって、費用やメリット・デメリットは異なります。また、噛み合わせや残っている歯の状態によっても、患者さまに最適な入れ歯の種類は異なるため、まずは当院までお気軽にご相談ください。

まとめ

ポイントをまとめる歯科医師

入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯がありますが、それぞれ保険適用と自費診療のものがあります。入れ歯の種類によって費用やメリット・デメリットはさまざまです。

どの種類の入れ歯を選んでも、一生使い続けられるわけではありません。

しかし、自費診療の入れ歯は、保険適用の入れ歯よりも使い心地がよいうえ、長持ちしやすいです。さまざまな種類がある中で、保険適用か自費診療の入れ歯の選択で迷ったときは、費用を優先するのか、使い心地を優先するのかをまず考えましょう。噛み合わせや残っている歯の状態によっても、患者さまに最適な入れ歯の種類は異なります。

入れ歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。