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マウスピースを入れようとしている女性

インビザラインのアタッチメントはいつまで付ける?タイミングと装着期間を解説

2023年4月5日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正において、近年ではマウスピースを用いた方法が主流となりつつありますが、マウスピース矯正にはさまざまなブランドがあり、その中でもインビザラインは多くの臨床実績をもちます。

今回は、インビザライン矯正におけるアタッチメント装着の役割や装着期間について詳しく解説します。

インビザラインのアタッチメントとは

マウスピースを手に持っている

インビザラインは、自身の口内データに基づいて透明のマウスピースが製作され、ほぼ一日中装着することで歯並びを改善できます。ワイヤー矯正との違いは、マウスピースが透明なので装着していても目立ちにくい、場面に応じて外すこともできる、通院回数が少なくて済むなどのメリットがあります。

インビザラインは、大きく分けて以下の3つの種類があります。

・さまざまな歯並びに対応する「インビザライン」

・前歯のみ矯正可能な「インビザラインGo」

・6歳から始められるこども用矯正「インビザラインファースト」

矯正治療の期間中に、アタッチメントとよばれるプラスチック器具を歯に装着することがあります。アタッチメントの装着は、主に矯正治療を早く終わらせるために行われます。

そもそもマウスピース矯正では、全体の歯にある程度均等に力が加わるため、大きく動かしたい歯へ重点的に力をかけることが難しいとされているのです。そのため、矯正治療の期間は長くなりがちですが、特に力をかけたい歯にアタッチメントを装着すれば、マウスピースとの密着性が高まり、その歯を大きく移動させることができます。

なお、アタッチメントは、歯に近い色味で小さく、目立ちにくい設計がされています。アタッチメントにおいても、マウスピース矯正のメリットをなくさない仕様といえるでしょう。

インビザラインのアタッチメントの種類

マウスピースを手に持っている

インビザラインのアタッチメントには、どのような種類があるのでしょうか。

インビザラインのアタッチメントには、大きく分けて通常アタッチメントと最適アタッチメントの2種類があります。

通常アタッチメントは、医師が必要性に応じて、位置、数、形を決めて装着するものです。

最適アタッチメントは、専用のソフトウェアを用いた治療シミュレーションによって計画され、ご自身に適したアタッチメントを装着します。最適アタッチメントには複数の種類があります。以下にまとめてみました。

<最適アタッチメントの種類>

オープンバイト用最適アタッチメント 上の前歯4本に適用されるアタッチメントです。オープンバイト=開口であり、奥歯を噛み合わせた際に前歯が閉じずに、すき間ができる状態を改善する効果があります。
ディープバイト用最適アタッチメント 下の前歯4本に適用されるアタッチメントです。ディープバイト=過蓋咬合(かがいこうごう)といい、噛み合わせが深い不正咬合状態を改善する効果があります。
ルートコントロール用最適アタッチメント 歯のすき間があるところなどに適用されるアタッチメントです。ルート=根であり、歯根を動かすために設置されます。
回転用最適アタッチメント ねじれている犬歯や小臼歯などに適用されるアタッチメントです。歯を回転させて、正しい向きに揃えます。
アンカレッジ用最適アタッチメント 第一小臼歯(犬歯の隣の奥歯)に適用されるアタッチメントです。顎が小さく歯を動かすスペースがない場合、抜歯してスペースを作ります。できたスペースへ歯を動かす際に効果があります。

上記のように、最適アタッチメントは5種類あります。ソフトウェアによるシミュレーション後、医師の確認が済めば、アタッチメントが製作されて装着されます。

インビザラインのアタッチメントを付けるタイミング

時計を持ちポイントを指さしている男性

矯正治療前の歯並びによって、使われるアタッチメントも異なることがお分かりいただけたかと思います。では、インビザラインのアタッチメントはどのタイミングで装着されるのでしょうか。

具体的なタイミングは歯科医院によって異なりますが、だいたいマウスピース矯正開始1か月後から装着することが多いでしょう。矯正開始から期間があく理由は、マウスピースの装着感に慣れてもらうためです。

アタッチメントの装着を開始したら、歯の動きに合わせて通院時に脱着が繰り返されます。

インビザラインのアタッチメントはいつまで付けるのか

WHEN(いつ)をあらわす看板

矯正治療開始1か月後あたりからアタッチメントが装着されることが多いといわれていますが、外れるタイミングはいつなのでしょうか。

インビザラインのアタッチメントは、治療の進み具合によって装着する場所や数は変わりますが、基本的に矯正治療が完了するまで装着されます。ご自身で外すことはできないため、治療中は歯に装着されている状態です。

インビザラインはアタッチメントなしでは治療できない?

不思議そうに首をかしげる女性

インビザラインによるマウスピース矯正において、アタッチメント装着なしでの治療は不可能ではありません。

多くのケースでアタッチメントを装着している理由は、歯の移動をコントロールして、治療期間を短縮させるためにあります。

アタッチメントを装着しない場合、歯が期待どおりの動きをしない可能性が増えますが、どうしてもアタッチメントの装着を望まないのであれば、治療前に医師に相談して、治療計画に反映してもらいましょう。

アタッチメントに関するよくある質問

FAQのイメージ図

インビザラインによる矯正治療におけるアタッチメント装着について説明しました。

ここからは、アタッチメントに関するよくある質問を、4つご紹介します。

アタッチメントが外れてしまったら

アタッチメントが外れてしまった場合は、通っている歯科医院へ相談して、再装着してもらいましょう。アタッチメントが外れてもすぐに支障が出るわけではありませんが、時間が経ってしまうと歯が動きにくい期間も延びることになります。早めに歯科医院に相談しましょう。

アタッチメントは痛いのか

アタッチメント装着は、歯とマウスピースの密着度があがり、歯に大きな力がかかるため、痛みが増える方が多いようです。日が経つにつれて痛みに慣れますが、装着後数日は痛みが強く出ることもあるため、我慢できない場合は痛み止めを処方してもらいましょう。

アタッチメントは目立つのか

アタッチメントは、歯に近い色味のため目立ちにくいとされます。

ただし、コーヒーなどの飲料物により着色してしまうことがあるため、着色しやすい食べ物、飲み物や生活習慣について事前に把握しておきましょう。

アタッチメント装着時にホワイトニングは可能か

アタッチメント装着時にホワイトニング治療を行うことは可能です。

ただし、装着部のみ色ムラができてしまう可能性があるため、矯正治療の前後でホワイトニングすることをおすすめします。

まとめ

ポイントを指さしている女性

この記事では、インビザラインアタッチメントの概要、種類、脱着期間、よくある質問などについて説明しました。インビザラインアタッチメントには5種類あり、それぞれ特徴が異なるため、事前にご自身がつけるアタッチメントについて把握しておくことが大切です。

インビザラインのアタッチメントについてご相談がある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

顎元に手を置いている女性

インビザラインで受け口(しゃくれ)は治せる?治療法についてわかりやすく解説!

2022年12月14日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

受け口の方は見た目や発音などで悩みを抱えることが多いです。歯列矯正を行うことで受け口は改善されるので、治療をするか考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はマウスピースを使った矯正方法のひとつであるインビザラインも受け口の治療が対象になっています。

今回は、受け口の原因からインビザラインを使った治療方法まで解説していきますので、治療を始める前にぜひ参考にしてみてください。

受け口(しゃくれ)とは?

歯の模型を使って説明している医師

受け口とは、反対咬合や下顎前突とも呼ばれる不正咬合のひとつで「しゃくれ」という言葉でも馴染みがあるかと思います。下の歯が上の歯に重なっている状態が正常な噛み合わせですが、受け口の場合はその逆で、下の歯が上の歯に重なっている状態です。

受け口の方は見た目を気にされて矯正治療を検討される場合が多いですが、実際は見た目以外に機能的にもリスクになることがあり、治療したほうが日常生活がより快適になります。

受け口(しゃくれ)になる原因

白いシャツを着た人が虫眼鏡で歯の模型を見ている

主な原因は遺伝といわれていますが、家族に受け口の方がいない場合でも発症することがあります。受け口になる原因は2つのタイプに分かれていて、それぞれのタイプによって治療開始の時期や治療法が変わってきます。そのため、どちらのタイプに当てはまる症例なのかを見極めることが大切です。受け口の2つの原因と、受け口と密接な関係のある癖について解説していきます。

歯が原因のタイプ

歯が生えてきた時に、上の歯と下の歯の噛み合わせが逆になってしまったような場合がこちらのタイプで、歯槽性の受け口といいます。乳歯列の場合は、永久歯に生え変わる段階で解消されることもあるため様子を見ることがほとんどですが、すでに永久歯に生え変わっている状態で受け口の場合は矯正治療の対象です。

顎の骨が原因のタイプ

下顎の骨が通常よりも成長することが原因による場合はこちらのタイプで、骨格性の受け口といいます。家族に受け口の人がいる場合も遺伝する可能性があり、歯が原因のタイプに比べて治療が難しいことが多いです。

受け口に関連のあるお口の癖

大人でも子どもでも、歯や顎に力がかかり続けることで歯並びに影響を与えてしまうことがあります。受け口に関連のある癖をいくつかご紹介します。

口呼吸

口呼吸は舌の位置が下がって気道が狭くなります。気道を確保するために下顎を突き出すようになり、受け口の原因になるのです。

下顎を前に出す癖

無意識に下顎を前に出す癖がある方がいますが、継続すると筋肉が発達して受け口になりやすくなります。これらの癖はご自身で意識することで改善させることもできますので、心当たりのある方はなるべく癖を出さないようにしていきましょう。

受け口(しゃくれ)を放置することによるリスク

赤いRISKの文字が置かれている

受け口を放置することで起こる可能性のあるリスクは、以下の5つです。

噛む機能が悪くなる

受け口は本来の噛み合わせと逆のため、噛むときに無理な力がかかりやすいです。そのような噛み方を長く継続してしまうと奥歯ばかりが負担になり、将来的に抜歯が必要になってしまうこともあります。また、食事がしにくく、きちんと噛みきれないことが消化不良にも繋がってしまいます。

発音が悪くなる

受け口の方は、上下の歯の間に隙間があるせいで息が漏れてしまい、発音しづらいことがあります。特に歯と舌先が触れるサ行やタ行、また英語も発音しづらいです。

受け口がより目立つようになってくる

思春期の時期にあたる成長期には下顎が顕著に成長します。受け口がもともとある場合は、下顎の成長とともに受け口が目立ちやすくなってしまいます。見た目が気になるだけでなく、重度の受け口の場合は一般的な矯正治療では治療が難しく、外科処置が必要になるケースもあります。

顎関節症になる可能性がある

受け口は噛みにくいため、顎の関節に力がかかり負担になって、顎関節症になりやすいです。顎関節症になってしまうと口を大きく開けられなかったり、咀嚼時に痛みを感じる症状が出てきてしまいます。

気持ちが塞ぎがちになってしまう

口元は顔の印象を決める大事なパーツです。受け口は審美性を損ねるため、周りからどのように見られているのかを気にしたり、自信を持って笑えなかったりといったコンプレックスを抱えた状態で気持ちが塞ぎがちになりやすいです。

上記に挙げた以外にも、お口が乾燥しやすく虫歯や歯周病のリスクが高くなったり、頭の重心がずれることで姿勢が悪くなるといったリスクもあります。

インビザラインで受け口(しゃくれ)は治せるの?

薄オレンジの背景前で悩んでいる女性

インビザラインで受け口の治療は可能です。

ただし、一概に全ての受け口が治療できるわけではなく、受け口の原因が歯槽性のケースはインビザラインで治療できることがあります。骨格性の受け口の場合は、下顎の骨を切除して後方へ移動させる大掛かりな外科手術が必要になってくることもありますので、まずは歯科医師と相談し、ご自身がどのタイプの受け口なのかを把握してから治療法を検討するのが良いでしょう。

インビザラインで受け口(しゃくれ)を治す方法

黄色い背景の前に手のひらに置かれたマウスピース

インビザラインでの矯正治療は歯列全体に力をかけることを得意としています。下顎に歯を移動させることのできるスペースがある場合は、マウスピースを使用することで前に出ている歯列を後退させ、受け口を改善することができます。軽度の受け口の場合は抜歯をせずに歯を動かすことができますが、下顎に十分なスペースがない場合は抜歯が必要になることもあります。

インビザラインでの矯正で歯の動く距離は1枚のマウスピースでわずか0.25mmで、10日〜2週間ごとにマウスピースを交換していき、徐々に歯を移動させていくのです。抜歯をした場合は移動距離が増えるため、インビザラインのみの治療だと時間がかかりすぎてしまうこともあります。そのため、ワイヤー矯正と組み合わせた治療を行うこともあります。

インビザラインで受け口を治療するメリット

インビザラインは、治療を開始する前に型取りやお口の中を専用のスキャナーでスキャンして、どのように治療が進んでいくのかをシミュレーションすることができます。治療後のイメージが湧きにくい場合も事前にシミュレーションを見ることができるので、インビザラインでの受け口の治療に不安を感じている方も安心です。

また、インビザラインの治療は1日の中で20〜22時間の装着義務がありますが、マウスピースを使用するだけというシンプルな方法のため、患者さんのストレス軽減にもつながります。マウスピースは透明で、矯正していることが周りの人に気付かれにくく、取り外しが可能なため、ワイヤー矯正に比べると歯磨きがしやすいこともポイントです。

インビザラインで受け口を治療するデメリット

インビザラインは、使用時間を守らないときちんと歯が移動してくれません。そのため、1日20〜22時間の装着を守らなければいけないことや、マウスピースのお手入れを毎日する必要があることがデメリットと感じる方もいらっしゃるでしょう。

また、全ての受け口の方がインビザラインで治療できるわけではなく、軽度の受け口の方のみが適応のため、インビザラインでの治療を望んでもできないこともあります。

まとめ

両頬に指を当てている笑顔の女性

受け口は歯槽性のものと骨格性のものがあり、それぞれ原因と治療法が異なります。受け口は噛み合わせに関しても見た目に関しても気にされる方が多く、それぞれの状態によって治療方針も変わってきます。インビザラインで治療できる受け口の症例は限られてしまいますが、今回の記事の内容で受け口についてより深く理解し、治療を始める際の参考にしてみてください。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。