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インビザラインの治療は延長することがある?その原因とは?

2023年8月21日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインはマウスピースを使用するため、手軽に始められると人気の矯正治療です。

しかし、患者様自身でマウスピースを管理する必要があるため、治療のすすめ方次第では治療期間が当初の予定よりも延長してしまうことがあります。

治療期間が延長してしまうと、その分余計な費用がかかってしまうだけでなく、治療がうまくすすまない原因にもなってしまいます。そのため、インビザライン治療を成功させるためには、治療期間が延長する原因を理解しておくとよいでしょう。

今回は、インビザラインの治療期間が延長してしまう原因と対処法について解説しています。

インビザラインの治療は延長することがある?

期間が延びることに悩む女性

インビザラインは、治療前の精密検査にくわえ「クリンチェック」という独自のシステムを使用することによって、治療前にどのくらい治療期間がかかるのかシミュレーションで確認できます。

しかし、実際インビザライン矯正を始めてみると、当初予定していた治療期間よりも延長してしまうことがあります。原因は、顎の骨がしっかりしていて思ったよりも歯の動きが悪いことや、マウスピースの装着方法が間違っていることなど、さまざまです。

マウスピースの装着方法が間違っていることが原因である場合、予定していた方向とは違う方向に歯が動いてしまうかもしれません。この場合、マウスピースの作り直しや治療計画の変更が必要になり、治療期間が延長するだけでなく、その分費用がかかってしまうことにもつながります。

治療期間が延長するということは、当初予定していたスケジュールの変更が必要になり、余計な費用がかかることもあるため注意が必要です。

インビザラインの治療期間

時計とカレンダー

インビザラインの治療期間は、お口の状態によって異なりますが平均して2~3年です。

しかし、インビザラインは歯の乱れが軽度の場合に適した治療法といわれているため、症状によっては1年半程度で終わることもあるでしょう。

インビザラインの治療期間が2~3年と聞くと長いと思われるかもしれませんが、従来のワイヤー矯正も1~3年程度かかるといわれているため、インビザラインの治療期間が特別長いわけではありません。

矯正期間と保定期間

インビザラインを含めた矯正治療の期間とは、歯を動かす矯正期間と歯の後戻りを防ぐ保定期間の2つを足したものです。

歯を動かした矯正期間のあとの歯は不安定なため、何もしなければ治療前の位置に戻ろうとしてしまいます。そのため、保定期間を設け、リテーナーをつけて歯の後戻りを防がなければいけません。

保定期間の目安

保定期間の目安は、歯を動かすのにかかった期間と同じくらいの期間が必要といわれています。

歯を動かす矯正期間が大体1~1年半程度かかった場合、保定期間も1年半ほどは必要です。このことから、矯正期間1年半とすれば保定期間も1年半程度はかかるため、矯正治療全体として合計3年ほどかかるという計算になります。

ただし、インビザラインを含めた矯正治療にかかる期間については、もともとの歯並びやお口の状態によって異なります。実際にかかる治療期間については歯科医師の判断が必要なので、ここで紹介した治療期間についてはあくまでも目安程度に参考にしてください。

インビザラインの治療期間について詳しく知りたい場合は、お気軽に当院までご相談ください。

インビザラインの治療が延長してしまう原因

クエスチョンマークと女性

ここでは、インビザラインの治療が当初予定していた治療期間よりも延長してしまう原因を5つ解説します。

①マウスピースの装着時間が守れていないケース

インビザライン矯正は、定められたマウスピースの装着時間を守れていなければ、予定通りの位置に歯が動かず、治療期間が延長してしまいます。

インビザライン矯正は患者様の好きなタイミングでマウスピースを取り外せるのがメリットですが、装着時間が短くなるのがデメリットです。そのため、食事や歯磨き以外の時間はなるべくマウスピースをつけ、1日20〜22時間よりも短くならないようにしましょう。

②マウスピースの装着方法が間違っているケース

インビザライン治療は、歯とマウスピースが密着することで矯正力がかかり、歯が予定している位置に動きます。そのため、マウスピースがしっかり歯の形におさまっていないと、治療がうまくすすまず治療期間が延長してしまう原因になります。

マウスピースが浮いたりズレたりすることで、思った方向とは違う方向に歯が動く原因にもなるため注意が必要です。

③リファインメントが必要なケース

インビザライン矯正は、クリンチェックによって治療スケジュールを立てるものの、実際の歯の動き方には個人差があります。そのため、歯の動き方によっては、噛み合わせや歯並びをよりよくするためにマウスピースの追加が必要です。

このことを「リファインメント」といいますが、治療期間が延長してしまう原因といえます。

リファインメントの回数には個人差があり、予定通り治療がすすみリファインメントが必要ない場合もあれば、数回行う場合もあります。リファインメントが必要ということは治療期間が延長することではありますが、より美しい歯並び、よりよい噛み合わせになるためには必要な過程といえるでしょう。

④虫歯によって歯の形が変わったケース

インビザラインは患者様のタイミングで取り外しできるため、ワイヤー矯正に比べて虫歯のリスクは低いといわれています。

しかし、いくら虫歯になるリスクが低いとはいえ、毎日のケアが不十分なことや食後に歯磨きせずにマウスピースをつけてしまうことで虫歯になる可能性が高くなります。

小さな虫歯の場合、治療しても削って詰める程度の簡単な処置で済みますが、大きな虫歯の場合、被せ物をするなどで、治療当初と歯の形が変わってしまうかもしれません。マウスピースを作ったときと歯の形が大きく違うと、せっかく作ったマウスピースが入らなくなり、マウスピースの作り直しが必要になってしまいます。インビザライン治療は型取りをしてからマウスピースができ上がるまでに、1か月程度の時間を要します。

このように、インビザライン矯正中に虫歯治療によって歯の形が変わってしまうと、治療期間が延長してしまうだけでなく、その分マウスピースの作り直しの費用がかかってしまうため注意が必要です。

⑤マウスピースが変形・破損・紛失するケース

マウスピースが変形・破損・紛失してしまった場合、作り直しが必要です。

曲がってしまったマウスピースを無理やりはめようとしたり、破損したマウスピースをつけたりすることは、間違った方向に歯が動く原因です。マウスピースの変形や破損が見られた場合は使用せず、1つ前の古いマウスピースをつけることで対処し、なるべく早く歯科を受診しましょう。

また、外食などでマウスピースを外す際、ケースに入れていないと変形や破損だけでなく紛失しやすくなります。

マウスピースが変形・破損・紛失してしまい作り直しが必要になると、治療期間の延長に伴い、その分費用がかかってしまいます。そのため、マウスピースを外した際は、必ずケースに入れて保管することが大切です。

インビザラインの治療を計画通りに終わらせるためには

5つのポイントスター

上記で説明した通り、治療期間が延長してしまうと、その分余計な費用がかかってしまいます。

ここでは、インビザラインの治療を計画通りに終わらせるために、気をつけたい5つのポイントを紹介します。

①マウスピースを20~22時間以上つける

インビザラインの治療を延長させないためには、マウスピースの装着時間が20時間よりも短くならないようにすることが大切です。

極端にマウスピース装着時間が短い日が続くことや、マウスピースを1日つけ忘れてしまうことで、予定通りに歯が動かずリファインメントが必要になるかもしれません。また、装着時間が足りていないことで歯が後戻りしてしまい、マウスピースの作り直しが必要になることもあるのです。

インビザラインの治療を延長させないためには、まずはしっかりマウスピースの装着時間を守れているか見直してみましょう。

②マウスピースを正しくつける

インビザライン治療は、歯とマウスピースが密着していることで矯正力がかかり、予定している位置に歯が動きます。そのため、インビザライン矯正は装着時間を守ることとマウスピースを正しく装着していることが大切です。

マウスピースをしっかりはめようと噛みながらつけてしまうと、マウスピースの変形や破損の原因になります。そのため、マウスピースをつけるときは、マウスピースを手で押し込んだあと、チューイーと呼ばれるシリコン製の棒を使用して歯とマウスピースにすき間が空かないよう正しく装着しましょう。

③マウスピースの管理を徹底する

マウスピースの変形・破損・紛失は、マウスピースの作り直しが必要になることで治療期間が延長してしまうことにつながります。そのため、マウスピースを外すときは、必ずケースに入れて保管することを徹底しましょう。

④毎日丁寧に歯磨きする

インビザライン矯正中に虫歯や歯周病が見つかると、優先的に処置が必要になり、治療期間が延長してしまうことにつながります。そのため、毎日の歯磨きでできるだけ磨き残しをなくし、虫歯や歯周病にならないようにすることが大切です。

特に、虫歯の治療によって歯の形が大きく変わってしまうと、マウスピースが入らないことでマウスピースの作り直しが必要になり、その分、治療期間が延長してしまいます。

インビザライン矯正中は歯ブラシだけでなく、虫歯になりやすい歯と歯の間にはフロスや歯間ブラシ、歯の重なったところや細かい部分にはタフトブラシなどの補助用具を使用するのがおすすめです。

⑤定期的に歯科医師のチェックを受ける

インビザライン矯正は、患者様自身でマウスピースを管理してすすめる治療ではあるものの、1~2か月に1回程度は歯科医師による治療のすすみ具合のチェックを受ける必要があります。予定通りに歯が動いているか、マウスピースの装着方法に問題はないか、マウスピースの調整が必要かなどを確認します。

マウスピースの不具合や歯の動き具合にトラブルがあっても、通院していなければ気付かず、治療がうまくすすまない原因になるかもしれません。定期的に歯科医師に経過を診察してもらうことで、予定通りに治療がすすめられるのです。

仕事などでどうしても予約日に通院できないこともあるかもしれませんが、なるべく定期的に歯科医院を訪れるようにしましょう。

まとめ

笑顔の女性歯科医

インビザラインの治療期間の目安は、2~3年程度といわれています。

しかし、マウスピースの装着時間が20時間よりも短かいことや、マウスピースの装着方法が間違っていることが原因で、この期間よりも延長してしまうことがあるため注意が必要です。

インビザラインの治療が延長してしまうと、予定通りの位置に歯が動かず、リファインメントやマウスピースの作り直しが必要です。インビザライン矯正では新たにマウスピースを作成するのに、1か月程度はかかるため、その分期間も費用もかかってしまいます。

インビザラインの治療期間を延長させないためには、まずはマウスピースの装着時間が20〜22時間よりも短くなっていないか、正しく装着できているかなど、マウスピースの装着方法を見直してみましょう。

インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響と対策!

2023年7月27日
インビザラインを装着する女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯ぎしり・食いしばりは、上下の歯を強く押し当てるものであり、人によっては歯の表面が削れることもある行為です。インビザラインは薄いプラスチックでできており、強い衝撃が苦手なため、インビザラインが割れてしまうおそれがあります。そのため、歯ぎしりや食いしばり癖のある方は気を付けなければなりません。

今回は、歯ぎしり・食いしばり癖のある人がインビザラインを行う場合、具体的にどのような影響があるかを解説します。

歯ぎしり・食いしばりとは?

歯を強く噛みしめる女性

歯ぎしりとは、睡眠中や日常生活の最中に無意識に歯を強くこすりあわせる行為のことを指します。ストレスや睡眠障害などが原因で引き起こされ、長期的に続くと歯がすり減ることや歯周病が悪化することなどにつながるでしょう。

一方、食いしばりとは、精神的な緊張やストレスを和らげるため、または困難な状況に直面したときに感情を抑制するために、意識的または無意識的に歯を噛みしめる行為を指します。こちらも長期的に続くと、顎関節症や頭痛などを引き起こす可能性があります。

どちらもストレスや過度な緊張が原因となることが多いため、リラクゼーションやストレスの管理が有効な対策です。また、異常な歯ぎしり・食いしばりが続く場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。

歯ぎしり・食いしばり癖の原因

歯の模型を手に持つ男性医師

歯ぎしり・食いしばり癖の原因には、何があるのでしょうか。よく見られるケースについて、それぞれ解説します。

ストレス

歯ぎしり・食いしばり癖の主な原因の1つは、ストレスです。

常に高いストレスレベルにさらされていると、無意識のうちに歯を強く食いしばる人や歯ぎしりをする人がいます。これは、ストレスが神経系に影響を与えることから、体がストレスの影響による緊張を緩和しようとするためです。

集中している状態

歯ぎしり・食いしばりの癖は、しばしばストレスや集中している状態に起因します。

精神的なプレッシャーは、無意識のうちに顎の筋肉を緊張させ、歯を強く噛みしめる行為などにつながる可能性があるでしょう。また、特定の作業や問題に集中して取り組むときや、スポーツなどの高度な運動タスクを実行するときも同様です。顎を閉じることが精神的な集中とリンクしているため、歯が強く圧迫されるのです。

歯並びや噛み合わせの悪さ

正常な噛み合わせは、上下の歯が適切に接触することで組織を保護し、食物を効率よく咀嚼します。

しかし、歯並びや噛み合わせが悪いと噛む力が均等に分散せず、一部の歯に過剰な負荷がかかることがあります。特に、噛み合わせの悪い状態を改善しないと、歯ぎしり・食いしばりの癖につながることがあるでしょう。

眠りが浅い

歯ぎしり・食いしばりの癖は、睡眠障害が原因の一つとされています。睡眠の質が悪く、睡眠中に歯ぎしりをするケースがあるでしょう。

通常、深い眠りに入ると筋肉はリラックスしますが、眠りが浅い場合や睡眠障害がある人は筋肉が十分にリラックスせず、歯ぎしりを起こすことが多いのです。

歯ぎしり・食いしばり癖があってもインビザライン治療は受けられる?

インビザラインを手に持ち考え込む男性

歯ぎしり・食いしばりの癖がある患者さまでも、インビザラインの治療を受けることは可能です。

ただし、症状が強い場合は、インビザラインのアライナー(装置)にダメージを与える可能性がありますので、必ず歯科医に相談し、詳細な診断を受けましょう。

また、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方がインビザラインを使用する場合、通常以上にアライナーの交換頻度が高まる可能性があります。治療期間や費用が変動する可能性もあるため、具体的な治療計画は歯科医と十分に話し合うことが大切です。

歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響

指をかんで不安そうな女性

歯ぎしり・食いしばりの癖があると、インビザラインにどのような影響が出るのでしょうか。治療前に知っておくことで、円滑に治療を進めることにつなげましょう。

インビザラインの変形や割れるリスク

歯ぎしり・食いしばりが強いと、インビザラインはその圧力により変形や破損のリスクが高まります。インビザラインは、患者さまそれぞれの歯の形状に合わせて作られるため、その形状を保つことが重要です。

しかし、強い力がかかると、予定されていた形状を保てず効果が落ちる可能性があるでしょう。また、歯ぎしり・食いしばりによる力が強すぎる場合、インビザライン自体が割れることもあります。

これらの問題を避けるため、治療開始前に歯ぎしり・食いしばり癖があることを歯科医に確実に伝えましょう。

矯正治療の遅れ

歯ぎしりや食いしばりの習慣は、インビザラインに悪影響を与える可能性があります。これらの癖は、矯正治療を遅らせる原因となることもあるでしょう。

歯ぎしりによる圧力は、矯正治療の進行を妨げ、アライナーの適合性を損なう可能性があります。さらに、食いしばりにより、アライナーが破損するおそれれもあるでしょう。

これらの問題を避けるためには、睡眠中の歯ぎしりを防ぐマウスガードを使用することや、ストレス管理の手法を導入することが推奨されます。

顎関節への負荷

インビザラインはクリアなアライナーで歯列を整える治療法であり、歯ぎしり・食いしばり癖があると影響を受ける可能性があります。

通常、これらの癖は、無意識のうちに強い力で歯を食いしばることで、アライナーに過度なストレスを加えることとなるでしょう。その結果、アライナーに亀裂や破損の可能性があります。また、強い力が顎関節に加わると、インビザライン治療の進行が遅れることや、顎関節症の原因となる可能性も出てくるでしょう。

これらの癖がある場合、治療自体に取り組む前に、まずこれらの癖を改善する治療が必要です。歯ぎしり・食いしばり癖の改善後であれば、インビザラインによる治療を安全に、そして確実に進めることができます。

矯正治療の定期的な経過観察が必要

歯ぎしり・食いしばり癖は、インビザラインで利用する歯科装置に悪影響を及ぼす可能性があります。

適切な位置に調整された歯の移動、インビザライン自体の傷みや破壊のおそれがあるでしょう。そのため、矯正治療を受けている間は、定期的に歯科医師の監督のもとで治療の経過を観察し、必要に応じて治療計画を見直すことが重要です。

矯正治療は長期にわたるものですので、生活習慣の見直しも含めて適切なケアが不可欠といえます。

歯ぎしり・食いしばり癖の対策

インビザラインを持って笑顔の女医

歯ぎしり・食いしばり癖の対策として、日常で取り組める方法がいくつかあります。意識して行うことで、改善につなげることができるでしょう。

あおむけで寝る

歯ぎしり、食いしばり癖を改善するためには、あおむけで寝ることをおすすめします。あおむけで寝ることで顎の力が自然と解放され、歯ぎしりや食いしばりを抑制することが可能です。

また、ストレス管理も重要といえるでしょう。十分な睡眠を取る、適度な運動をする、リラックスできる時間を作るなどの方法を取り入れてみてください。

頬杖をやめる

頬杖という行為は、ふだん意識せずに行っていることが多いでしょう。

まずは頬杖をつく癖に気づくことが大切です。頬杖をつくと、無意識に顔の筋肉に力が加わり、食いしばりにつながることがあります。頬杖の癖に気づいたら、無理にやめるのではなく、まずは頬杖を減らすことを目指しましょう。

噛み合わせを確認する

歯ぎしり・食いしばり癖の対策を行う際には、噛み合わせを確認しましょう。

正しい位置で噛み合わせができているか、無理な力を入れていないかなど、日常生活の中で自己チェックすることが大切です。問題があると気づいた場合には、歯科医へ相談しましょう。

飲酒量を控える

歯ぎしり・食いしばり癖の対策には、飲酒量を控えることも大切です。

アルコールには、気分のリラックスを促す機能があります。

しかし、過剰な摂取は睡眠の質を落とし、歯ぎしりや食いしばりを引き起こす可能性があるのです。飲酒を控え、規則正しい生活習慣を送り、睡眠環境を整えることで、癖の改善につなげましょう。

まとめ

歯科医院で笑顔の患者と医師

インビザラインは、薄いプラスチックを使用した器具です。強い衝撃を与えると破損してしまうので、極力強い力は避けなくてはいけません。そのため、インビザラインを利用した治療を受ける際には、歯ぎしり・食いしばり癖がないかどうかの確認が大切です。

歯ぎしり・食いしばりの原因は、ストレスや噛み合わせなど、さまざまです。インビザラインで矯正することにより噛み合わせは改善されますが「矯正中にいかに歯ぎしり・食いしばりをせず、インビザラインを傷めずに矯正を続けられるか」が大切です。

歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインで出っ歯は治せる?治療法や期間、費用を詳しく解説!

2023年7月6日
インビザラインを両手に持って笑う女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインは、マウスピース矯正に分類される歯列矯正方法の一つです。取り外し可能なマウスピースを装着して、数週間ごとにマウスピースを交換し歯を移動させます。「インビザラインで出っ歯は治せる?」「インビザラインは高い?」などの疑問をもつ方もいるでしょう。

今回は、インビザラインにおける出っ歯の治療法や治療にかかる期間、費用などを解説します。

出っ歯の原因

出っ歯の人のくち

出っ歯は、見た目にコンプレックスを与えるだけでなく、口が閉じられないことで口呼吸になるなどのリスクもあります。

口があいた状態が長く続くと、口の中が乾燥し、免疫力が低下します。唾液の分泌量が減ると細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病、インフルエンザなどの感染症になる可能性も高まるでしょう。

出っ歯は遺伝によって生じることが多いです。幼少期の口まわりの悪い癖により引き起こされる場合もあるでしょう。

出っ歯になる主な原因は、以下のとおりです。

・骨格

・舌の癖や指しゃぶり

・前歯の大きさ

それぞれ詳しく解説します。

骨格

上の顎と下の顎のバランスが悪いことで出っ歯になっている場合は、遺伝的な影響を受けていることが多いです。上の顎が成長しすぎている場合や下の顎の成長が十分でない場合、出っ歯になります。

舌の癖や指しゃぶり

出っ歯は幼少期の口まわりの悪い癖によって、後天的に引き起こされることがあります。出っ歯の原因となる幼少期の口まわりの主な癖は、以下のとおりです。

・指しゃぶりをする

・前歯を舌で押す

・爪を噛む

・下の唇をかむ

・口呼吸をする

指しゃぶりや前歯を舌で押す癖は、前歯を前方に押し出します。前方に押し出す力が長期的に加わることで、前歯が傾き、出っ歯になるのです。また、口呼吸をしていると常に口があいている状態になるため、口まわりの筋肉が衰え、出っ歯の原因になります。

上記の癖が4歳以上になっても続いている場合は、出っ歯になるリスクを高めるでしょう。

前歯の大きさ

顎の大きさに対して前歯が大きいことも、出っ歯の原因になります。

出っ歯に限らず、歯がきれいに並ぶスペースが足りないことで歯並びが乱れることが多いです。前歯が大きいことできれいに並ぶスペースが足りない場合、傾いて生えて出っ歯になることがあるでしょう。

インビザラインで治せる出っ歯・治せない出っ歯

男性患者にインビザラインを見せる女性歯科医師

インビザラインで出っ歯を治すことは可能です。

しかし、インビザラインだけでは治療をするのが難しい出っ歯の症例も存在するため注意してください。インビザラインで治せる出っ歯は、歯が傾いていることが原因の出っ歯や軽度な症例です。インビザラインで治せない出っ歯は、重度な骨格のずれが原因の出っ歯です。

以下、詳しく解説します。

インビザラインで治せる出っ歯の症例

インビザラインで治せるといわれている症例は、歯の傾きが原因の出っ歯です。例えば、上の前歯が前に傾いて生えている、下の歯が内側に傾いて生えているなどの症例があげられます。

歯が傾く原因の一つに、幼少期の指しゃぶりや舌で歯を押す癖があります。口まわりの悪い癖で傾いた出っ歯を治す方法の一つとして、インビザラインは効果的といえるでしょう。

インビザラインで治せない出っ歯の症例

インビザラインで治せないのは、骨格のずれが原因の出っ歯です。上の顎が極度に前に出ている場合や下の顎が極度に内側にある場合などがあげられます。

インビザラインは、生まれつきの骨格を変化させることはできません。顎の骨格が原因で出っ歯に見える症例は、インビザラインでは治療できないのです。顎が大きく成長したことが原因の出っ歯は、歯を移動させただけでは口元にあまり変化が見られない場合も多く、外科手術を行って顎の位置を治すケースもあるでしょう。

インビザラインで出っ歯を治す方法

緑の背景の前でスマホを持って考える女性

インビザラインでは、40〜50枚のマウスピースを使って歯列を変化させます。1枚のマウスピースで0.25mm程度歯を動かすことができ、数週間ごとに新しいマウスピースに交換することで、歯を理想の位置まで移動させます。

装着した際は多少の光沢感はありますが、マウスピースの厚みは0.5mm程度なので、ワイヤー矯正ほど目立たず、周囲に矯正していることが気づかれにくいことが特徴です。

作製されるマウスピースは1枚1枚わずかに形に違いがあります。現状の歯並びと少しずれたマウスピースを装着することで、歯に圧力がかかり、歯の位置を移動させるのです。

インビザラインで出っ歯を治す主な方法は、以下の2つです。どのような方法で出っ歯を治療するのかは、患者様の歯並びの状態や抜歯が可能な歯があるかなどを考慮して、歯科医師が判断します。

・奥歯から順番に後方へ移動させる

・永久歯を抜歯して前歯を引っ込める

それぞれ詳しく解説します。

奥歯から順番に後方へ移動させる

一番奥の歯から少しずつ歯を後方へ移動させ、前方にすき間を作って出っ歯を治す方法です。奥歯に十分なすき間があれば行えます。

十分なすき間がない場合は、歯と歯の間を少しずつ削る、抜歯をするなどでスペースを作らなければいけません。重度な出っ歯の場合は抜歯を必要とするケースが多いです。

永久歯を抜歯して前歯を引っ込める

前から4番目の永久歯を抜歯して、出っ歯を治す方法があります。

4番目の歯は、食べ物の咀嚼にあまり関与していないため、永久歯を抜歯する際の第一候補にあげられることが多いです。前歯と奥歯の中間にあるため、出っ歯を治すために歯を移動させる距離が少ないメリットがあります。

インビザラインで出っ歯を治すためにかかる期間

たくさんのピンが刺された白いカレンダー

1日でも早く、きれいな歯並びになりたいと感じる人は多いでしょう。インビザライン矯正で出っ歯を治すためにかかる期間と治療を長引かせないために気を付けたいポイントを解説します。

出っ歯の治療期間

治療にかかる期間は、もともとの歯並びによって異なります。奥歯を含む歯全体に矯正装置をつける全体矯正にするのか、前から見える目立つ部分だけを治療する部分矯正にするのかによっても、治療期間は大きく変わるでしょう。

歯を並べるための十分なスペースがない場合は、抜歯をするケースもあります。抜歯であいたスペースを埋めるために歯の移動距離が長くなるので、治療期間も長くなることが多いです。

インビザラインの一般的な治療期間は、以下のとおりです。

<治療期間の目安>

治療の種類治療期間の目安
全体矯正1〜3年程度
部分矯正6か月〜1年程度

平均的な治療期間は1〜3年程度といわれています。もともとの歯並びの状態や歯の動き方には個人差があるので、あくまでも目安として参考にしてください。

治療を長引かせないためにできること

歯が動くスピードを速くすることはできませんが、治療期間を長引かせないために患者様自身でできることはあります。

・装着時間を守る

・マウスピースの紛失や破損に気をつける

・口内を清潔に保つ

インビザラインでは、1日20〜22時間マウスピースを装着することが推奨されています。外している時間が長ければ長いほど歯が計画どおりに動かず、治療期間が延びるでしょう。食事と歯磨きのとき以外は、できる限り装着してください。

マウスピースを紛失・破損した場合は、作り直す必要があります。マウスピースが完成するまでの間に歯がもとの位置に戻る場合があり、治療計画が崩れることにつながるでしょう。マウスピースを外した際は専用のケースに保管し、丁寧に扱いましょう。

インビザラインの治療中に虫歯ができると、虫歯治療を優先するためにインビザライン治療を中断する場合が多いです。虫歯治療を行う分、インビザラインの治療期間が延びることが考えられます。セルフケアを怠らず、口内を常に清潔に保ちましょう。

インビザラインで出っ歯を治すための費用

机に置かれた茶色い手帳と白い電卓

インビザラインは自由診療となるため、歯科医院ごとに費用が異なります。全体矯正か部分矯正かによっても費用に差が出るでしょう。

一般的なインビザラインの費用の相場は、以下のとおりです。

<インビザラインの費用相場>

治療の種類費用の目安
全体矯正800,000〜1,300,000円程度
部分矯正400,000〜500,000円程度

全体矯正よりも部分矯正のほうが安いことがわかります。

なるべく費用を抑えたいと考えている方は、部分矯正を選択するとよいかもしれません。部分矯正で治療が可能かは、歯科医師に判断してもらう必要があります。気になる方は、一度歯科医院を受診するとよいでしょう。

まとめ

インビザラインを歯に装着する女性の口元

インビザラインには、治せる出っ歯と治せない出っ歯があります。インビザラインは歯の傾きを治すことを得意としているので、比較的軽度な症例に向いています。インビザラインで改善できる歯並びかどうかは、歯科医師に判断してもらう必要があるでしょう。インビザラインで出っ歯を治したい方は、歯科医師に相談しましょう。

出っ歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインの装着時間が20時間以下だとどうなる?

2023年6月4日
インビザラインを装着する女性の口元

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインは、マウスピースを1日20~22時間以上装着することを前提に治療計画を立てています。そのため、マウスピースの装着時間が20時間以下の場合、うまく治療が進まず、理想の歯並びにならないかもしれません。

今回は、インビザラインの装着時間が20時間以下の場合に起こる悪影響について解説します。インビザラインの装着時間を守る方法もあわせてご紹介しますので、インビザライン治療中の方やインビザライン治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは

インビザラインを手に持って空に掲げる

インビザラインとは、透明のマウスピースを装着することで歯並びを整える治療法です。

ワイヤー矯正は、歯に装着したブラケットにワイヤーを通して力を加えることで歯を動かす治療法ですが、インビザラインは薄くて透明なマウスピースを何枚も交換して徐々に歯を動かします。そのため、違和感や痛みが少なく、矯正治療中でも目立つことはありません。自分の好きなタイミングで取り外せるので、治療中でも食事や歯磨きがふだんどおり行えることもメリットです。

適切な装着時間

マウスピースを手に持ってもう一つのマウスピースをはめる女性

インビザラインは、マウスピースを1日20~22時間以上装着し、1~2週間ごとに患者様自身でマウスピースを交換して治療を進める矯正治療です。そのため、食事や歯磨きが終わったら、すぐにマウスピースを装着しなければいけません。

しかし、外食などで装着時間が20時間以下になることもあるでしょう。ふだん装着時間を守っているなら、たまに装着時間が短い日があっても問題ない場合が多いです。マウスピースの装着時間が20時間以下の日が続いたり、1日マウスピースを装着し忘れたりすると、治療が計画どおりに進められなくなるかもしれません。

インビザライン治療を計画どおりに進めるには、マウスピースの装着時間を守り、適切なタイミングでマウスピースを交換することが重要です。

装着時間が20時間以下の場合に起こる悪影響

モヤモヤを浮かべて悩む女性

マウスピースの装着時間が20時間以下の日が続くことで起こる悪影響は、以下の4つです。

治療期間が延びる

インビザラインは、マウスピースを1日20~22時間以上装着することを前提に、治療計画を立てています。装着時間が短い日が続くと、計画どおりに歯が動かず、治療期間が長引く可能性があります。

治療がうまく進まないことで「お金をかけたのに思っていた歯並びにならなかった」など、インビザライン治療を受けたことを後悔するかもしれません。

インビザラインは、患者様ご自身で進めていく矯正治療なので、患者様の努力が必要不可欠です。理想の歯並びを手にいれるために、マウスピースの装着時間を守りましょう。

噛み合わせが悪くなる

マウスピースの装着時間が短いことで、うまく歯が動かず、噛み合わせが悪くなることがあります。インビザライン治療で一時的に噛み合わせが悪くなっても、マウスピースの装着時間を守り、適切な時期に交換をしていれば噛み合わせもよくなるはずです。

インビザライン治療中は、マウスピースの装着時間が20時間以下にならないように注意しましょう。

歯が後戻りする

後戻りとは、インビザライン治療によって動いた歯が、もとの位置に戻ってしまうことです。マウスピースの装着時間が短いほど、歯が後戻りしやすくなります。

マウスピースをつけ忘れた日がある場合や、極端にマウスピースの装着時間が短い場合は、治療前の歯並びに戻ることもあるため注意が必要です。

歯根が露出する

マウスピースの装着時間が短いにも関わらず、交換時期だからといって新しいマウスピースを装着すると、強い力がかかりすぎて歯茎が下がることがあります。

インビザラインは、もとの歯並びから少しずらしてマウスピースを作成し、ずれによって歯に圧力をかけることで歯を動かします。圧力によって歯の周りの歯根膜が引っ張られ、歯の周りの骨が溶け始めるのです。徐々に骨が溶けてできたすき間に歯が移動することで歯並びを整えるのがインビザライン矯正です。

マウスピースの装着時間を守らず、歯があまり動いていない状態で次のマウスピースを装着すると、歯にかかる圧力が強すぎることで、歯が痛くなったり歯の根っこが露出したりするなどのトラブルが起きる可能性があります。

装着時間を守るための方法

123と書かれた積み木を並べる

インビザラインのマウスピースを1日20~22時間以上装着しなければいけないとわかっていても、難しい場合もあるでしょう。

マウスピースの装着時間を守る方法を3つご紹介します。

食事の時間を決める

インビザラインは、食事や歯磨き以外のほとんどの時間、マウスピースを装着していなければいけません。毎日決まった時間に食事と歯磨きを行い、すぐにマウスピースをつけると装着忘れを防ぐことができるでしょう。

また、仕事や学校など家を出るまでに時間の余裕がないと、マウスピースをつけ忘れて出かけてしまうかもしれません。ふだんから早寝早起きをするなど、規則正しい生活を心がけることで、マウスピースの装着忘れを防止できるだけでなく、健康的な生活が送れるでしょう。

リマインダー機能を活用する

リマインダーとは、予定の時間を知らせる、スケジュールを管理するなどができる機能です。例えば、食事の際などにマウスピースを外したときは、リマインダーを設定しておくことでマウスピースの装着忘れを防げるでしょう。

インビザラインの装着時間を管理したり、交換時期を知らせてくれたりする便利なアプリもあります。マウスピースの装着を忘れることが多い方やマウスピースの装着時間が20時間以下になることが多い方は、リマインダー機能やアプリを活用しましょう。

1つ前のマウスピースを保管しておく

マウスピースを外出先で失くす、破損するなどのトラブルは珍しいことではありません。マウスピースが破損・紛失した場合、作り直しに時間がかかって治療が長引くだけでなく、追加の費用がかかる場合もあります。

外出する際は、1つ前に使っていたマウスピースを携帯するとよいでしょう。万が一マウスピースを失くした場合でも、1つ前のマウスピースを装着することで、歯が後戻りするのを防げます。

また、マウスピースを外したあとにティッシュなどで包むと、破損や紛失の原因になります。マウスピースを外したときは、マウスピースケースにいれて保管しましょう。

まとめ

マウスピースを両手で持つ長髪の女性

インビザラインは、透明なマウスピースを使用するため、目立つことなく矯正治療を行えます。また、自分の好きなタイミングで取り外しができることも大きなメリットです。

しかし、マウスピースの装着時間が短いと、計画どおりに治療が進まず、理想の歯並びにならない、歯が後戻りするなどのトラブルが起きるかもしれません。

マウスピースの装着時間は、1日20~22時間以上が推奨されています。装着時間を守るには、決まった時間に食事をし、食後はすぐに歯を磨いてマウスピースを装着するように注意しましょう。スマートフォンのリマインダー機能や便利なアプリを活用するのもよいでしょう。インビザラインは、患者様ご自身で進めていく矯正治療なので、患者様の努力が必要不可欠といえます。

理想の歯並びを手にいれるために、できるかぎりマウスピースの装着時間が20時間以下にならないように努めましょう。

インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン治療で変化を感じるのは何枚目?スムーズに治療をすすめるためのポイントとは

2023年3月25日
口にマウスピースをはめている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインをはじめとした矯正治療は、個人差はありますが一般的に2~3年ほど治療期間がかかります。はやく理想的な歯並びに近づきたい方にとっては、いつ頃から歯並びに変化を感じるのかは気になるポイントでしょう。

今回は、インビザライン治療で変化を感じるのはいつ頃なのか、スムーズに治療を進めるポイントなどを解説します。

インビザライン治療で歯が動く仕組み

入れ歯にマウスピースをはめている

インビザラインは、透明の薄いマウスピースを装着して、歯を理想的な位置に動かす矯正治療法です。以下のような仕組みで歯を動かしています。

・歯根膜(しこんまく)の性質を利用している

・歯とマウスピースのズレによって矯正力をかける

・アタッチメントや顎間(がっかん)ゴムで細かい動きを調整する

以下、それぞれ解説します。

歯根膜の性質を利用している

インビザラインなどのマウスピース矯正とワイヤー矯正は、歯根膜の伸縮する性質を利用して歯を動かしています。歯槽骨(しそうこつ)と歯根の間には、歯にかかる衝撃をやわらげる役割を持つ、歯根膜(しこんまく)と呼ばれる薄い膜があります。

矯正するために歯に力をかけると、押した側の歯根膜は伸び、反対側の歯根膜は押し付けられて縮みます。歯根膜には一定の厚みを維持する性質があり、歯根膜が伸びた側は骨を作って厚みを戻し、押し付けられた側は骨を溶かしてスペースを作ります。

この動きを繰り返すのが、矯正治療で歯を動かす主な仕組みです。

歯とマウスピースのズレによって矯正力をかける

インビザラインのマウスピースは、現在の歯並びよりも少しだけ理想の歯並びに近く作られており、装着するとズレを感じます。このズレを感じる方向に力がかかることを利用して歯を移動させるのが、インビザラインの仕組みです。

アタッチメントや顎間ゴムで細かい動きを調整する

治療をより効果的に進めるために、アタッチメントや顎間ゴムを補助的に使用します。

アタッチメントとは、歯と同じ色で作られたレジン製の突起物で、歯面に付着させます。アタッチメントがあることで歯とマウスピースがしっかりとフィットし、歯を動かす力が伝わりやすくなるのです。

さらには、マウスピースだけでは難しい、細かい角度や方向を調整することが可能です。顎間ゴムは、上下の歯につけたフックにゴムを掛け、弾力を利用して歯を上下や前後に動かします。顎間ゴムの使用で、より複雑な症例にも対応できるでしょう。

インビザライン治療で使用するマウスピースの枚数と交換頻度

マウスピースをもって笑顔の女性

使用するマウスピースの枚数や交換頻度は、歯並びや歯科医師の判断などによって多少異なります。

使用するマウスピースは40~50枚ほど

インビザラインで一般的な全体矯正を行うと、治療完了までに平均で40〜50枚程度のマウスピースを使用するといわれています。

ただし、部分矯正や歯が動きやすい若い年齢であれば、使用する枚数は減少する傾向です。

反対に、平均枚数では理想的な歯並びにはならず、マウスピースを追加する場合も多くあります。選択するコースによって追加料金が異なるため、あらかじめ歯科医院に確認しましょう。

交換頻度は1~2週間

インビザラインは1日20~22時間以上装着し、1~2週間ほどで新しいものに交換するのが一般的です。

ただし、年齢が若く歯が動くのがはやい場合や歯を動かす量が少ない場合は、交換日数が短くなり、それに伴い、交換頻度もふえることがあります。交換する頻度・日数は、歯並びや治療の進み具合などから歯科医師が判断します。

インビザライン治療で変化を感じるのは何枚目から?

不思議そうにしている女性

インビザライン治療で変化を感じるのは、4枚目のマウスピースを使用しているころです。マウスピース1枚あたり0.25㎜程度歯が移動するといわれており、4枚使用したころには、1㎜ほど歯並びに変化があらわれます。1㎜の変化があれば、見た目が整ったと感じる方がいてもおかしくはありません。

より大きな変化があらわれてくるのは、マウスピースを20枚ほど使用したあたりです。治療開始から半年ほど経過し、矯正効果を実感しやすくなります。

インビザライン治療で変化を感じられない原因とは?

不思議そうにしている男性

インビザラインは、マウスピースを使用するため目立ちにくく、食事や歯磨きのときに取り外せるのが魅力です。

しかし、正しい使い方をしないと十分な効果が得られず、変化を感じられません。インビザライン治療で変化を感じられない原因は以下の3つです。

・装着時間が十分ではない

・交換時期が正しくない

・治療計画が適切ではない

それぞれ解説します。

装着時間が十分ではない

マウスピースの装着時間が不足していると、十分な矯正効果が得られず、歯並びにも変化があらわれにくいです。

インビザラインでは、マウスピースを1日20~22時間以上装着するよう推奨しています。装着時間が短く、1日に何度も外していると、変化を感じられないだけではなく、歯並びが元に戻ろうとする「後戻り」が起きる恐れがあります。

交換時期が正しくない

マウスピースの交換時期が正しくないと十分な変化があらわれません。およそ1~2週間でマウスピースを新しいものへ交換しなければ、治療が計画通りに進まないので注意しましょう。

治療計画が適切ではない

インビザラインでは、歯がどのように動いて理想的な歯並びになるのか可視化できるソフトを使ってシミュレーションを行います。事前に治療過程を確認でき、安心して治療を進められるのが魅力です。

ただし、治療の過程で「計画通りに歯が動いていない」など想定外のことがあった場合は、歯科医師の判断で治療計画を変更しなければなりません。治療計画に無理があったなどの理由で、歯並びに変化が起こらないことも考えられます。

インビザライン治療をスムーズにすすめるポイント

患者が医師と相談している

以下のことを意識して、治療をスムーズに進めましょう。十分な治療効果が得られれば、治療期間を短縮することも可能です。

・歯科医師の指示に従って正しく装着する

・アタッチメントや顎間ゴムを使用する

・チューイーを使用する

・虫歯や歯周病を予防する

以下、それぞれ解説します。

歯科医師の指示に従って正しく装着する

インビザラインでは、マウスピースを1日20~22時間以上装着し、1~2週間ほどで新しいものに交換することが推奨されています。これに加えて、歯科医師がそれぞれの歯並びなどを考慮して、装着時間や交換時期を指示します。

治療を計画通り進めるため、歯科医師の指示に従って正しく装着しましょう。

アタッチメントや顎間ゴムを使用する

難しい症例であっても、アタッチメントや顎間ゴムを補助的に使用することで治療がスムーズに進むことがあります。これらの使用に関しては、歯科医師が歯並びなどに合わせて選択します。

アタッチメントが破損したまま使い続けている場合や、顎間ゴムの掛け方を間違えている場合は、効果が不十分となるため注意してください。

チューイーを使用する

チューイーとは、弾力のあるシリコンでできたロール状のチューブです。チューイーを噛むことで歯との密着感が高まり、矯正する力が確実に伝わって治療がスムーズに進みます。

虫歯や歯周病を予防する

虫歯や歯周病を予防することは、治療がスムーズに進むことにもつながります。インビザラインは、食後や就寝前にマウスピースを外して歯を磨けることから、ワイヤー矯正と比較すると虫歯や歯周病を予防しやすいといわれています。

しかし、口腔内が不衛生なまま長時間マウスピースを装着していると、虫歯や歯周病のリスクは高まります。インビザラインの治療中に、虫歯や歯周病が原因で大きく歯を削り、詰め物や被せ物の治療をすることになると、マウスピースが合わなくなってしまいます。そうなると、マウスピースの作り直しが必要となり、治療期間が長引くことがあるでしょう。

まとめ

ポイントを笑顔で指さす女性

歯並びに変化があらわれたと感じる時期には個人差があります。理想の歯並びにはやく近づけるよう、歯科医師の指示に従い、正しくインビザラインを使用しましょう。

インビザライン治療についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインと裏側矯正どちらがいいの?それぞれの違いを詳しく解説!

2023年1月18日
インビザラインとワイヤー矯正が装着された歯の模型を持っている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

「装置が目立たない矯正をしたい」という方は、インビザラインか裏側矯正のどちらかで悩まれる方が多いです。どちらも矯正していることが気付かれにくいので、見た目を気にされる方にとっては嬉しい治療法です。

この記事では、インビザラインと裏側矯正の特徴をそれぞれ説明しています。治療法の選択で悩まれている方はぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

インビザラインを持っている

インビザラインとは、取り外しが可能なマウスピースを1日20〜22時間以上装着することで歯並びを整える、マウスピース矯正の中でも代表的な治療法です。使用するマウスピースは、最初にまとめて製作され、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。当初は、インビザラインで治療可能な症例は限られていましたが、ここ数年で幅広い症例にも対応できるようになりました。

インビザラインのメリットは?

インビザラインのメリットは、以下の3つです。

・装置が目立ちにくく、矯正していることが気付かれにくい

・装置を取り外せるため、お口のケアをしやすい

・違和感や痛みが少ない

それぞれを詳しく解説します。

装置が目立ちにくく、矯正していることが気付かれにくい

インビザラインの装置は透明なマウスピースなので、装着していても気付かれにくいでしょう。接客業などで見た目を気にされる方や、結婚式を控えているけどすぐに治療を始めたい方などにおすすめです。

装置を取り外せるため、お口のケアをしやすい

インビザラインは装置を取り外せるため、歯磨きなどのお口のケアをしやすいです。ワイヤー矯正は歯の表面に装置を接着しているのでブラッシングが難しく、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。その点、マウスピースはブラッシング時に装置を取り外せるため、しっかりお口のケアができます。

違和感や痛みが少ない

ワイヤー矯正はワイヤーで固定するため、調整後はしばらく締め付けられるような痛みが出ます。インビザラインは取り外しが可能なマウスピースを装着するため、締め付けられるような痛みは少ないでしょう。

しかし、まったく痛みが出ないわけではありません。歯を動かすので多少の痛みは伴います。また、ワイヤー矯正は歯の表面にたくさんの装置を接着するため、慣れるまではお口の粘膜が傷つきやすく、口内炎になってしまうこともあります。その点、マウスピースは薄いため、それほど違和感がありません。

インビザラインのデメリットは?

インビザラインにはデメリットもあります。インビザラインのデメリットは、以下の4つです。

・きちんとマウスピースを装着していないと治療が進まない

・飲食のたびにマウスピースを取り外してブラッシングをする必要がある

・紛失しやすい

・インビザラインでは治療できない症例もある

それぞれを詳しく解説します。

きちんとマウスピースを装着していないと治療が進まない

取り外しが可能な装置のため、お口のケアをしやすいメリットがありますが、きちんと装着しなければ治療が進まないというデメリットもあります。ワイヤー矯正は固定されているので、着実に歯を動かすことが可能です。インビザラインは指示された装着時間を守らずにさぼってしまうと治療が進まず、治療期間も延びてしまいます。

飲食のたびにマウスピースを取り外してブラッシングをする必要がある

インビザラインでは、マウスピースを装着したまま飲食ができません。マウスピースを装着したまま飲食をすると、破損や虫歯、歯周病の原因になります。水を飲む程度なら装着したままでも問題ありませんが、基本的には飲食をするたびにマウスピースを取り外す必要があります。再度マウスピースを装着するときも、きちんと歯磨きをしてからでないと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

紛失しやすい

飲食のたびにマウスピースを取り外さないといけないため、外食などに出かけるとマウスピースを紛失してしまうことが非常に多いです。マウスピースを取り外したときにティッシュに包んでしまうと、ほかの人が気付かずに捨ててしまうことがあります。マウスピースを取り外したときは必ず専用の容器に入れて保管するようにしましょう。

インビザラインでは治療できない症例もある

インビザラインは、ここ数年で幅広い症例に対応できるようになりましたが、それでもインビザラインでは治療が難しいケースがあります。歯の移動量が多い場合や捻れている歯を動かす場合などは、ワイヤー矯正のほうが適しています。

裏側矯正とは?

歯の模型の歯の裏を歯鏡で確認している

裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットと呼ばれる装置を接着するワイヤー矯正のことです。通常のワイヤー矯正よりも治療の難易度が高く、治療期間も長くなりやすいですが、装置が目立ちにくいので見た目を気にされる方におすすめです。

裏側矯正のメリットは?

裏側矯正のメリットは、装置が目立たないという点です。歯の裏側に装置を接着しているので、外出先で食べ物が装置に挟まったとしても目立たないでしょう。

裏側矯正のデメリットは?

裏側矯正のデメリットは、以下の5つです。

・違和感をおぼえやすく、舌が傷つきやすい

・治療期間が長くなりやすい

・慣れるまで話しにくい

・ブラッシングが難しい

・費用が高額

それぞれを詳しく解説します。

違和感をおぼえやすく、舌が傷つきやすい

歯の裏側に装置を接着するので、舌に装置が当たりやすくなります。慣れるまでは違和感をおぼえやすく、舌のあちこちが傷ついてしまうこともあります。特に上下とも裏側矯正を選択した場合、最初は粘膜のトラブルに悩むでしょう。装置が目立ちやすい上の歯は裏側矯正にして、装置が目立ちにくい下の歯は通常のワイヤー矯正にすると、違和感を減らせ、費用も抑えられます。

治療期間が長くなりやすい

裏側矯正は、治療の難易度が高く、通常のワイヤー矯正よりも治療期間が長くなことが多いです。すべての症例で治療期間が長くなるわけではないですが、治療前にどれくらいの治療期間がかかるか歯科医師に確認しておきましょう。

慣れるまで話しにくい

歯の裏側に装置を接着することによって舌の邪魔になり、話しにくさを感じる方も多いです。慣れれば気にならなくなりますが、最初は発音にも問題が出やすいでしょう。

ブラッシングが難しい

通常のワイヤー矯正でもブラッシングが難しいですが、裏側矯正はさらにブラッシングの難易度が上がります。適切なブラッシングができていなければ、虫歯や歯周病などのトラブルになりやすいため、歯科衛生士にブラッシング指導を受けるようにしましょう。

費用が高額

裏側矯正は、通常のワイヤー矯正よりも難易度が高い治療のため、費用も高額です。自由診療なので歯科医院によって費用は異なりますが、1,000,000〜1,500,000円ほどかかるでしょう。

インビザラインと裏側矯正の違い

インビザラインとワイヤー矯正の装置が付いた模型を持っている

インビザラインと裏側矯正の共通点は、矯正していることが周囲に気付かれにくい点です。

しかし、治療法はまったく異なります。それぞれの違いを表にまとめてみました。

〈インビザラインと裏側矯正の違い〉

インビザライン裏側矯正
見た目目立ちにくい目立ちにくい
費用相場では700,000〜1,000,000円程度相場では1,000,000〜1,500,000円程度
治療期間ワイヤー矯正とそれほど変わらず、治療に消極的だと治療期間が長くなることもある通常のワイヤー矯正よりも治療期間が長くなることがある
違和感少ない強い
トラブル装置を紛失しやすい装置により舌が傷つきやすい
お口のケア通常通りにブラッシングが行える装置が裏側に付いているため、ブラッシングがより難しくなる

インビザラインと裏側矯正どちらがおすすめ?

4つの豆電球が並んでおり1つだけ電気が付いている

インビザラインと裏側矯正で迷われている方は「目立ちにくい矯正」を希望されている方が多いのではないでしょうか。

2つの治療法の大きな違いは、取り外しが可能か、固定式かという点です。しっかりマウスピースの装着時間を守って治療に取り組めるのであれば、費用を抑えられて痛みも少ないインビザラインを選択したほうがいいでしょう。

しかし「マウスピースを装着するのを忘れてしまいそう」という方は、治療が進まず失敗する恐れもあるため、裏側矯正を選択したほうがいいかもしれません。インビザラインは幅広い症例に対応できるようになりましたが、それでもインビザラインでは治すのが難しい症例もあります。その場合はワイヤー矯正で治療することになりますが、装置が目立つことに抵抗があるのであれば裏側矯正をおすすめします。

まとめ

治療椅子に座りインビザラインを装着しようとしている女性

インビザラインも裏側矯正も、矯正していることが気付かれにくい治療法です。インビザラインは違和感や痛みも少なく、費用を抑えられるメリットがありますが、自分で装置の管理を行い、指示されたとおりに装置を装着しなければ治療が失敗する可能性もあります。

一方で、裏側矯正は、インビザラインでは治療が難しい難症例にも対応できますが、治療の難易度が高く、費用が高額です。また、舌が傷つきやすいなどのトラブルも起こりやすいでしょう。自分自身がどれだけ治療に積極的に取り組めるのか、違和感や粘膜のトラブルに耐えられるのかを検討されたうえで治療法を選ぶことをおすすめします。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

インビザラインとワイヤー矯正どちらがいいの?それぞれの違いについて詳しく解説!

2022年12月7日
白いシャツを着た女性がどちらがいいか悩んでいる

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

現在、歯列矯正で多く行われている方法はインビザラインとワイヤー矯正ですが、どちらの治療方法が良いか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、それぞれの治療方法の違いやメリットとデメリットなどについて解説していきます。

インビザラインとは?

口元にマウスピースを近づけている女性

特徴

インビザラインは、アメリカで25年前に開発され、2022年6月時点で1300万人を超える治療実績があります。

アライナーというマウスピースを利用して歯を移動させる矯正治療で、マウスピースを10日〜2週間毎に交換して歯を移動させていきます。

メリット

インビザラインには、以下の3つのメリットがあります。

取り外しが可能である

インビザラインはマウスピースを使用します。

ワイヤー矯正の装置は固定式のため取り外しができませんが、インビザラインでは食事や歯磨きのときなどにマウスピースを取り外すことが可能です。歯のケアがしやすいことで、矯正治療中の虫歯や歯周病の心配も少なくなります。

目立ちにくい

インビザラインで使用するマウスピースは透明なので、周囲の方に矯正をしているということが気づかれにくく、目立ちやすいワイヤー矯正に抵抗がある方には適した治療方法です。

痛みや違和感が少ない

1枚のマウスピースでの歯の移動量は、わずか0.25mmです。そのため、矯正治療に伴う痛みは少なく、マウスピース装着中の違和感もほとんどありません。

デメリット

インビザラインには、以下の3つのデメリットがあります。

症例に制限がある

インビザラインは大きく歯を動かすことは得意ではないため、対応できる症例が限られてしまいます。

比較的軽度な歯列不正の治療には向いていますが、顎に大きなズレのある方や抜歯が必要な場合はインビザラインのみの使用では治療が難しいこともあります。

装着時間を守る必要がある

インビザラインは、1日20〜22時間以上使用することで効果を発揮します。

基本的には食事と歯磨き以外の時間は装着する必要があるので、日常生活の中で使用時間を守れない場合は治療計画通りに歯が移動せず、思うような結果が得られません。

マウスピースの自己管理が必須である

インビザラインのマウスピースは、使用していると歯と同じように汚れが付着します。

歯にぴったりと密着する装置のため、きちんとお手入れをしないで使用すると虫歯や歯周病の原因になってしまいます。毎日歯ブラシでマウスピースの内面を磨いたり、必要に応じて洗浄剤などを使用する必要があります。

ワイヤー矯正とは?

ワイヤー矯正の模型に治療器具を当てている

特徴

ワイヤー矯正は歴史が長く、最も一般的な歯列矯正の方法です。

歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を付けて、そこにワイヤーを通して力をかけることで徐々に歯を移動させていきます。

メリット

ワイヤー矯正には、以下の3つのメリットがあります。

多くの症例に対応できる

ワイヤー矯正では、基本的にすべての歯列不正の治療が可能です。インビザラインでは治療が難しいような症例も対応でき、出っ歯や受け口などがある場合も治療後は口元の印象を変えることが可能です。

細かい調整が可能である

インビザラインはあらかじめ作成されたマウスピースの歯並びに合わせて歯を移動させていきます。

一方、ワイヤー矯正では、ある程度歯並びが改善されたあとに一部だけもう少し動かすなどの細かい調整が可能です。

目立ちにくい装置も選択できる

ワイヤー矯正は、基本的には歯の表側に付ける装置のため目立つ印象がありますが、装置の種類は金属のみならず、セラミックのブラケットや白いワイヤーが選択できたり、歯の裏側に装置を付ける舌側矯正という方法もあります。

デメリット

ワイヤー矯正には、以下の3つのデメリットがあります。

装置が目立ちやすい

メリットでお伝えしたように、ワイヤー矯正は目立ちにくい装置を選択できますが、インビザラインに比べるとどうしても目立ちやすいです。

食事や歯磨きがしにくい

ワイヤー矯正の装置は固定式のため、食べ物が詰まりやすく歯磨きもしにくいため、汚れが溜まったままにしていると虫歯や歯周病の原因になります。歯磨きは時間をかけて行うことが大切です。

痛みが出やすい

インビザラインに比べて、ワイヤー矯正は歯の移動量が大きいため、痛みが出やすいです。痛みがずっと続くわけではありませんが、ワイヤーを交換したり、調整した日から2〜3日は痛みが出やすいといわれています。

また、歯が移動することでワイヤーが奥に伸びて粘膜に刺さってしまうこともあります。

インビザラインとワイヤー矯正の違い

歯科医がレントゲンと歯の模型を使って説明している

インビザラインとワイヤー矯正の違いを分かりやすく一覧でご紹介します。

<インビザラインとワイヤー矯正の比較>

インビザラインワイヤー矯正
費用約800,000〜1,000,000円約700,000〜1,300,000円
治療期間約2年〜2年半約2年半〜4年
見た目目立ちにくい目立ちやすい
痛み出にくい出やすい
歯磨きしやすいしにくい
適応比較的軽度な歯列不正すべての歯列不正

表に示した費用や期間はあくまでも全顎治療を行なった際の平均のため、個々のお口の状態や医院によっても違いはあります。

インビザラインとワイヤー矯正のどちらでも部分矯正で治療できる場合もあり、その場合はもう少し治療期間が短くなり、費用も安くなります。ワイヤー矯正の場合は、金属ではなく歯の色に近いセラミックのブラケットを選択したり、舌側矯正の場合は費用が高くなる傾向があります。

インビザラインとワイヤー矯正どちらがいいの?

ピンクのニットを着た女性がマウスピースとワイヤー矯正が付いた歯の模型を持っている

インビザラインに向いている方

インビザラインは、軽度の歯列不正など適している症例は限られてしまいますが、目立ちにくい装置で且つ歯のケアもしやすい方法で矯正を行いたいという方に向いています。インビザラインで治療の大きなメリットは、装置が目立ちにくく取り外しができることでしょう。

また、インビザラインはワイヤー矯正に比べて、比較的短い期間で治療が終了することが多いです。簡単な矯正方法ではありますが、マウスピースを1日20〜22時間以上使用しなければ、きちんとした治療結果は得られません。日常生活の中できちんと装着時間を守ってマウスピースを使用できるかは、インビザライン治療をするうえで重要なポイントです。

ワイヤー矯正に向いている方

ワイヤー矯正は、治療中の見た目は気にならず、時間がかかっても細かい部分も含めてきちんと歯並びを治したいという方に向いています。単に見た目を治すだけでなく、上下の歯を全体的に噛ませることもできるので、食事がしやすくなるなど機能的なメリットも大きいです。

しかし、インビザラインに比べると、調整を行ったあとは痛みが出やすく、固定式の装置に食べ物が詰まりやすいため歯磨きにも時間を要します。治療を始めてから後悔しないように、ワイヤー矯正のデメリットも理解し、納得したうえで治療を開始しましょう。

まとめ

白いシャツを着た人の前に歯の模型がある

今回はインビザラインとワイヤー矯正の治療方法の違いと、それぞれの治療はどのような方に向いているのかを解説しました。

歯列矯正を行ううえで何を重要視するかは人それぞれです。どちらもそれぞれにメリットとデメリット、適した症例があります。どちらの治療が適しているかわからない場合は、両方の治療方法を取り扱っている歯科医院でカウンセリングを受け、歯科医師からアドバイスを受けることをおすすめします。

この記事でインビザラインとワイヤー矯正の違いを理解していただき、治療につながるイメージをもっていただけたら幸いです。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。ご自身に合った方法で矯正治療をスタートしましょう。

インビザラインの部分矯正とは?メリットや治療できる歯並びについてわかりやすく解説!

2022年11月30日
インビザラインを着脱しようとしている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

全体的には悪い歯並びではないけれど、前歯の部分だけ治したいといった場合は、部分矯正を行います。その際にインビザラインを使った治療法があることをご存知でしょうか?全顎的な矯正治療に比べると、使用するマウスピースの量は半分ほどになるので、費用を抑えてさらに短期間で行うことができる患者さんにとって負担の少ない治療法といえます。

インビザラインの部分矯正の種類

歯の模型

インビザラインを使った部分矯正は2種類あります。どのプランが適しているのかは歯並びの状態によって変わってきますので、歯科医師と相談のうえ検討しましょう。それぞれの特徴を全顎的な治療と比較してご紹介します。

<インビザラインの全顎矯正と部分矯正の比較>

製品名治療範囲マウスピースの数治療期間
インビザライン全顎約30〜80枚約2〜3年
インビザライン・ライト部分最大14枚約半年〜1年
インビザライン・GO部分最大20枚約半年〜1年

インビザライン・ライト

インビザライン・ライトは、軽度の歯列不正や矯正治療終了後の後戻りに適した部分矯正です。前歯のみならず、奥歯も含めた歯の移動が可能です。使用するマウスピースは最大でも14枚なので、費用を抑えた治療が可能です。

ただし、症例が限られていることや途中での治療計画の変更が難しいことがデメリットです。

インビザライン・GO

インビザライン・GOは、前歯のみの歯の移動が可能な部分矯正です。奥歯の歯の移動は対象ではないため、奥歯はきちんと噛んでいても前歯の歯並びだけ治したい、という方に向いている治療法です。

インビザラインの部分矯正のメリット

メリット

インビザラインの部分矯正のメリットについて、解説します。

費用が抑えられる

インビザラインで全額的な治療を行う場合だと、使用するマウスピースの量はおよそ30〜80枚ですが、部分矯正の場合だと最大でも14〜20枚と少ない量のマウスピースを使用します。そのため、かかる費用も全額的な治療よりも抑えることができます。

治療期間が短い

インビザラインは、1枚のマウスピースにつきおよそ10日〜2週間ほど使用します。その後、きちんと歯が移動していれば次のステップのマウスピースに交換していきます。 月に2枚ずつ使用するとしても、使用するマウスピースは最大で20枚のため、1年以内には治療が終了することになります。

痛みが少ない

部分矯正の場合は使用するマウスピースの枚数が少ないため、歯を移動させる量も少なくなり、痛みも少なくなります。全顎的な歯の移動を行う場合でも、インビザラインは痛みが少ないのが特徴ではありますが、部分矯正ではさらに痛みが少なく、快適に治療が行うことができます。

インビザラインの部分矯正で治療できる歯並び

OKのジェスチャーをする女性

インビザラインを使用して治療できる歯並びは「軽度の歯列不正」が共通事項です。具体的な4つの症例をご紹介します。

軽度の叢生

叢生とは、歯並びがガタガタで、歯と歯が重なって生えてしまっている状態をいいます。顎の大きさに対して歯が収まりきれていないことが原因で、通常はIPRと呼ばれる歯と歯の間を削ってわずかに隙間を作る処置を行い、その隙間を利用して歯を移動させていきます。

軽度のすきっ歯

すきっ歯のような空隙が歯と歯の間にあるような場合は、すきっ歯以外の問題がなければ部分矯正での治療が可能です。すきっ歯と併発することが多い問題としては、歯と歯の間の顎の中に埋まったままの歯があったり、舌で歯を押す癖があるような場合です。このような問題がなく、すきっ歯のみを治す場合は部分矯正の適応です。

軽度の出っ歯

上下の顎のズレが大きいことが原因である出っ歯は部分矯正で治療することは難しいですが、抜歯が必要のない軽度の出っ歯であればIPRを行うことで、歯を後方へわずかに下げることができます。

軽度の歯のねじれ

前歯のみに軽度の歯のねじれがある場合も、IPRを行うことで部分矯正の適応になります。

ただし、奥歯にねじれがあるような症例は適応外です。

インビザラインの部分矯正で治療できない歯並び

医者

次に、インビザラインで部分矯正できない歯並びについて解説します。具体的な症例は、以下の3つです。

重度の叢生

重度の叢生がある場合は、IPRを行なっても歯を移動させるためのスペースが確保できないことがあります。その場合は抜歯が必要となり、歯を移動させる量も多くなるため、部分矯正での治療はできません。

重度の出っ歯

重度の出っ歯の場合は、抜歯が必要になることが多いです。軽度の出っ歯であればIPRを行うことで改善が見られることがありますが、重度の出っ歯で大きく口元を下げるためには、ワイヤーを使った矯正治療やインビザラインの全顎矯正のほうが適しています。

噛み合わせに問題がある場合

上下の歯がきちんと噛んでいないような噛み合わせに問題があるような歯並びは、部分矯正の適応外です。噛み合わせをきちんと治すためには上下顎の歯並びのバランスが大切で、部分的な治療のみでは対応しきれないことがあります。

インビザラインの部分矯正にかかる費用

電卓とノート

インビザラインの部分矯正にかかる費用は医院ごとに異なりますが、相場は約30〜50万円といわれています。そのほかにも、通院時に調整料など別途料金が発生することが一般的です。

<インビザラインの部分矯正にかかる費用の一覧>

項目料金
相談・カウンセリング無料
精密検査・診断30,000円〜50,000円
矯正料金300,000円〜500,000円
調整料5,000円〜10,000円
保定装置30,000円〜50,000円

初回の相談やカウンセリングは無料で行っている医院がほとんどですが、精密検査などは料金がかかります。新しいマウスピースを受け取るタイミングでおよそ1〜2か月ごとに通院が必要となり、調整料はその都度支払うことになります。さらに、インビザラインでの治療が終わった後は、後戻り防止のための保定装置を作成していきます。

上記料金はあくまで一例なので、詳しい料金は相談時に担当医へ確認しましょう。

治療費の支払いが難しい場合

インビザラインの部分矯正は、全顎矯正ほどではないものの、大きな金額の支払いが必要になってきます。今すぐの支払いが難しいという場合に活用したい2つの制度をご紹介します。

デンタルローン

デンタルローンとは、歯科治療費専用のローン商品です。審査は必要となりますが、一般的なカードローンに比べると低い金利設定になっているため、返済計画が立てやすいことがメリットです。

ただし、すべての歯科医院が取り扱っているわけではないため、通院予定の医院でデンタルローンが使えるかどうかは事前に確認が必要です。

医療費控除

医療費控除とは、1年間でかかった医療費が10万円を超える場合に、確定申告の際に所得税の一部が還付される制度です。歯列矯正治療費も医療費控除の対象となりますので、必ず申告するようにしましょう。

インビザラインの部分矯正にかかる期間

歯科医で説明を受けている

インビザラインの部分矯正は、全顎矯正に比べて短い期間で終了するのが特徴です。

冒頭でもお伝えしたように、使用するマウスピースの枚数はインビザライン・ライトで最大14枚、インビザライン・GOで20枚となっています。1枚のマウスピースを10日から2週間使用するので、終了するまでにかかる期間は半年から1年程度となります。なるべく短期間で治療を終わらせたいという方に向いている治療法です。

ただし、最後のマウスピースまで使用した段階でもう少し歯を動かしたいという場合は、2年以内であれば再度型取りや専用の機械でスキャンすることで追加のマウスピースを1度のみ作成することができます。その場合は、当初予定していた期間より長くかかってしまいますので注意が必要です。

まとめ

歯と治療器具

今回は、インビザラインを使用した部分矯正についてご紹介しました。

部分矯正で考えていても、症例によっては全顎矯正を行わないと思うような治療結果を得られないこともありますので、事前のカウンセリングで疑問点の残らないようにしましょう。軽度の歯列不正でも、治療することで口元の印象は大きく変わります。

今回の記事の内容を参考に、部分矯正の治療を検討してみてください。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

インビザラインとキレイラインどちらがいいの?特徴と違いを解説!

2022年11月23日
アイボリーの背景の前で微笑んでいる長髪の女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

透明のマウスピースを装着することで歯を動かすマウスピース矯正は、目立ちにくく簡単に取り外せることなどから人気になっています。マウスピース矯正は、装着しているマウスピースを取り替えながら理想的な歯並びに近づけていく治療方法です。

さまざまなマウスピース矯正を提供しているブランドがありますが、今回はインビザラインとキレイラインをさまざまな特徴ごとに比較します。

インビザラインとは?

マウスピース

インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社によって開発されたマウスピース矯正ブランドです。2022年6月時点で世界100か国以上の国々で、1300万人を超える人々がインビザラインによる治療を受けています。

確かな技術と実績により日本でもよく知られるマウスピース矯正で、多くの歯科医院が提供しています。独自の3D画像化技術と多数の治療実績を基に治療計画を立案し、治療開始から完了までの歯並びをシミュレーションすることが可能です。

キレイラインとは?

歯科医

キレイラインとは、2016年に設立された日本のマウスピース矯正ブランドです。2022年11月時点で提携クリニックは全国に85院、症例数11万人以上と発展途上にあります。

低価格で気軽に矯正治療を始められることをコンセプトにしています。国家資格を保有している歯科技工士が日本国内で製造しているマウスピースを提供しているのが特徴のひとつです。

インビザラインとキレイラインの違い

白い風船と赤い風船

高品質のマウスピース矯正を提供しているインビザラインとキレイラインですが、費用や治療適応範囲など、さまざまな違いがあります。

インビザラインとキレイラインを比較した表は、以下のとおりです。

<インビザラインとキレイラインの比較表>

 

インビザラインキレイライン
治療適応範囲上下の歯16~28本上下の前歯12本
費用の目安(税込)20~100万円21~38万円
治療期間3か月~3年5か月~1年3か月
通院頻度2~3か月に1回1か月半もしくは3か月に2回
歯型を採取する回数治療開始前に1回歯並びの変化に合わせて歯型を採取する
治療開始可能な年齢6~7歳男性:16歳・女性:14歳

治療適応範囲

インビザラインの治療適応範囲は、4種類ある治療コースによって異なります。

<インビザラインの治療適応範囲>

治療コースの種類歯並びの状態
インビザライン エクスプレス上下16本(歯並びの悪さが軽度)
インビザライン GO上下20本(歯並びの悪さが比較的軽度)
インビザライン ライト上下28本(歯並びの悪さが比較的軽度)
インビザライン コンプリヘンシブ上下28本(歯並びの悪さが重度)

インビザラインは、前歯などの部分的な矯正から奥歯を含む全体的な矯正まで幅広く対応しています。治療適応範囲が異なる4種類の治療コースが用意されているのが特徴のひとつです。抜歯を伴う治療も行なっているため、大きく歯を動かす必要がある難しい症例にも対応可能です。

キレイラインは、八重歯・出っ歯・受け口など、さまざまな歯並びに対応しています。治療適応範囲は上下の前歯12本で、奥歯の噛み合わせの治療が必要な症例は適応外です。抜歯も基本的には行なわない方針であるため、軽度の歯並びを治すのに適しています。

費用の目安

インビザラインの費用は、治療コースの種類によって異なります。

<インビザラインの費用の目安・使用するマウスピースの枚数>

治療コースの種類費用の目安使用するマウスピースの枚数
インビザライン エクスプレス20~40万円最大7枚
インビザライン GO35~50万円最大20枚
インビザライン ライト45~70万円最大14枚
インビザライン コンプリヘンシブ70~100万円無制限

インビザラインの費用は、治療範囲が広い場合や重度の歯並びに対応するほど高額になります。歯並びが複雑になるほど使用するマウスピースは多くなり、治療期間が長くなるためです。インビザラインの費用は、基本的にはマウスピース発注前に支払わなければなりません。

キレイラインは、支払い方法によって2種類の治療コースがあり費用が異なります。

<キレイラインの費用の目安>

都度払い(税込)・初回:2.2万円

・2回目以降:5.5万円

コース払い(税込)・4回コース:17.6万円

・7回コース:31.9万円

・10回コース:46.2万円

キレイラインは、治療ごとに支払いをする「都度払い」とまとめて支払う「コース払い」が選べます。都度払いであれば、初回料金の2.2万円でマウスピース矯正を試してみて、その後に治療を続けるか決めるのも可能です。コース払いは都度払いよりもお得になるため、費用を安く抑えられます。

治療期間

治療期間は元の歯並びの状態によって大きく異なります。矯正する範囲が広かったり歯を大きく動かす必要がある症例では、治療期間が長くなることが多いです。

<インビザラインの治療期間の目安>

治療コースの種類治療期間の目安
インビザライン エクスプレス3~4か月
インビザライン GO7か月程
インビザライン ライト5か月程
インビザライン コンプリヘンシブ1年半~3年

インビザラインの治療期間が比較的長いのは、複雑な歯並びにも対応しているためです。キレイラインは比較的程度の歯並びを対象としているため、治療の期間は短い傾向にあります。

通院頻度・歯型を採取する回数

インビザラインは、治療開始前に1回だけ歯型を採取します。採取した歯型を3D画像化しシミュレーションを行ない、治療開始から完了までのマウスピースを一度に製作する仕組みです。

ただし、矯正途中にむし歯になり被せ物をするなどの治療を行なうと、歯の形態が大きく変わります。マウスピースが合わなくなり再製作が必要になるため注意が必要です。

キレイラインは、動いた歯に合わせてマウスピースを製作するため、歯型を採取する回数は多くなります。都度払いであれば1か月半に1回、コース払いであれば3か月に2回行われます。数か月ごとに型取りをするため、むし歯ができても対応が可能です。

治療開始可能な年齢

インビザラインには、成長過程にある子供を対象とした「インビザライン ファースト」があります。乳歯と永久歯が混在する時期である小学校低学年から治療を開始することが可能です。

キレイラインは、男性では16歳以上、女性では14歳以上を対象年齢としています。

ただし、前歯の歯根が完成する時期を治療開始の目安にしているため、歯根が未完成であれば経過観察になる場合があります。

インビザラインとキレイラインどちらがいいの?

悩んでいる3人の男性

インビザラインとキレイラインの大きな違いは、治療適応範囲が異なることです。

キレイラインは前歯の12本を治療適応範囲としているため、奥歯の歯並びを治したい場合は適応外になります。また、基本的には抜歯はしない方針であるため、抜歯をしてスペースを確保して歯を大きく動かす症例には不向きです。奥歯も含めた治療や抜歯をして歯を動かすスペースを確保しなければならない症例にはインビザラインを選択するのが良いでしょう。軽度の歯並びの悪さを治すには、キレイラインがおすすめです。奥歯の噛み合わせに問題がなく、「前歯の歯並びを治したい」「以前矯正をしていたが再び歯並びが乱れてきた」といった症状に適しています。

キレイラインは都度払いが選択できるため、一度に支払う金額を抑えることが可能です。インビザラインにも軽度の歯並びの悪さに対応した治療コースがありますが、費用は治療開始前にすべて支払わなければなりません。

支払い方法は、どちらも現金・クレジットカード・デンタルローンに対応しています。取り扱いは歯科医院によって異なるため、あらかじめ確認しましょう。

インビザラインとキレイラインで治療をするときの注意点

ビックリマーク

インビザラインとキレイラインは、どちらも優れたマウスピース矯正ブランドです。

ただし、どちらを選択したとしても治療を行なううえで注意しなければならないことがあります。インビザラインとキレイラインで治療をするときの注意点は、以下のとおりです。

・症例によっては治療を行なえない場合がある

・装着時間や交換時期を守らなければならない

・飲食をするときはマウスピースを外す必要がある

・矯正治療終了後は一定期間リテーナーを装着する

それぞれ解説していきます。

症例によっては治療を行なえない場合がある

骨格に問題がある症例は、インビザラインやキレイラインに限らず、マウスピース矯正の適応外になることが多いです。上下の顎骨の大きさや位置に不調和があり、出っ歯や受け口になることがあります。マウスピース矯正では改善が難しいと判断された場合は、ワイヤー矯正や外科的手術を視野に入れて対応します。

重度の歯周病である場合も、マウスピース矯正だけではなく矯正治療全般を行なえないことがあります。歯周病の症状が進行すると、歯を支えている骨が吸収し溶けだします。そのような状態で矯正治療によって歯を動かすために力を加えると、歯が抜ける恐れがあるため治療を行なえない場合があります。

装着時間や交換時期を守らなければならない

マウスピースの装着時間や交換時期を守らないと、治療が計画通りに進みません。

インビザラインとキレイラインでは、以下の装着時間・交換時期が推奨されています。

<マウスピースの装着時間・交換時期>

インビザラインキレイライン
1日の装着時間20~22時間以上20時間以上
交換時期1~2週間ごと2~3週間ごと

装着時間や交換時期は歯並びなどによって異なることがあります。歯科医師に確認し、指示に従いましょう。

飲食をするときはマウスピースを外す必要がある

飲食するときは必ずマウスピースを外しましょう。

マウスピースを装着したまま飲食をすると、破損したり変形したりする恐れがあります。また、食べ残しや糖分がマウスピースと歯の隙間に残り、むし歯や歯周病のリスクも高まります。マウスピースが破損・変形すると、再製作する必要があるため、注意が必要です。

矯正治療終了後はリテーナーを装着する必要がある

矯正治療が終了した後は、一定期間リテーナーを装着する必要があります。

矯正治療が終了したばかりの骨や周辺組織は固まっておらず、歯は元の歯並びに戻ろうとする後戻りを起こしやすい状態です。リテーナーを装着することで、歯並びが崩れるのを防ぎます。

まとめ

歯科医

インビザラインとキレイラインは、同じマウスピース矯正でありながら、さまざまな特徴の違いがあります。矯正治療は高額であるため、費用面での比較はもちろん大切です。そのうえで、なりたい歯並びに適している治療法を選択しましょう。

まずは歯科医院に相談し、歯並びの状態を確認してもらうことが大切です。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

 

インビザラインとは?メリットや向いている人、注意点についても解説!

2022年11月16日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正に興味はあるけれど、ワイヤーの装置を付けることに抵抗があるという方は多いのではないでしょうか。インビザラインは透明のマウスピースを使用して歯を移動させるので、見た目を気にすることなく矯正治療を行うことができます。

今回は、インビザラインの治療概要、メリットや向いている人についても解説していきます。

インビザラインとは?

歯の模型と矯正器具を持った女性

インビザラインは、1997年にアメリカで開発された透明のマウスピースの装置を使用した歯列矯正法です。

型取りを行い、専用のマウスピースが出来上がってきます。どのくらいの枚数のマウスピースを使用するかはプランや歯並びによっても異なりますが、難しい症例のほうがマウスピースの枚数は多くなり、治療期間も長くなります。1日20〜22時間以上の使用を推奨されていて、基本的に食費と歯磨きの時間以外は装着することになります。1枚のマウスピースを約10日〜2週間使用して、その後新しいマウスピースに交換していきます。

インビザライン治療のメリット

メリット

インビザラインで矯正治療を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説していきます。

目立ちにくい

インビザラインは、従来のワイヤーを使用した矯正装置に比べると、透明のマウスピース型なので矯正していることが気付かれにくいです。見た目の点で歯列矯正をするかどうか悩まれている方も抵抗なく始めることができます。

取り外しができる

ワイヤーを利用した矯正装置は固定式のため、治療が終わるまでは外すことができません。そのため、食べ物が装置の間に詰まりやすかったり、歯磨きもとても時間がかかります。インビザラインのようなマウスピース型の矯正装置は取り外しが可能なため、歯磨きもしやすく虫歯や歯周病になるリスクも低くなります。

痛みや違和感が少ない

従来の矯正装置は違和感を感じやすく、粘膜に当たることで唇や頬の粘膜を傷つけてしまうことが多いのですが、インビザラインはわずか0.5mmの厚みしかありません。また、1枚のマウスピースで歯を移動させる量は最大で0.25mmのため、装着している間の痛みも少なくなるようになっています。

信頼性の高い装置である

インビザラインは比較的新しい治療法ではありますが、世界中で1300万人以上の治療実績があります。その数はマウスピース矯正の中でもトップであり、信頼性の高い治療と言えるでしょう。

インビザライン治療のデメリット

デメリット

インビザラインでの治療は、メリットのみならず、デメリットもあります。詳しく解説していきます。

難しい症例には対応できない

ワイヤーを使用した矯正に比べると、インビザラインは矯正にかかる力が弱くなります。そのため、歯並びのガタガタが強い場合や重度の出っ歯や受け口、骨格的な顎のズレが大きい場合は、インビザラインでの治療の対象外になるか治療の期間が長くかかってしまう可能性があります。

マウスピースの管理が必要

インビザラインのマウスピースは使用していくと汚れも付きやすく、毎日のお手入れが必須といえます。また、透明の装置は紛失しやすく、もし紛失してしまった場合は新しく作成するための費用が発生してしまうこともあります。治療期間が伸びてしまう原因にもなりますので、自己管理の徹底が重要です。

食事や歯磨き時には外す必要がある

インビザラインは取り外し可能な装置で、お食事や歯磨きの際は外さなければいけません。糖分を含む飲み物は虫歯の原因になるので避ける必要があります。また、熱い飲み物は変形の原因になります。よく間食をする方や職業柄よく味見などをする飲食関連のお仕事をされている方などは向いていない治療法です。

治療できる歯科医院が限られている

歯科医師がインビザラインの治療を行うには条件があり、どの歯科医院もインビザラインを取り扱っているわけではありません。現在ご自身が通っている医院で取り扱っていない場合は、別の医院にも通院する必要があります。

インビザライン治療にかかる期間

歯の模型

インビザラインの治療にかかる期間は症例によっても異なりますが、短い方でも1年半で、一般的には2年から3年かかるとされています。

治療の流れは、まずインビザラインを取り扱っている歯科医院でのカウンセリングを受けます。カウンセリングでは、インビザラインのメリットやデメリット、治療内容や費用などが確認できます。その後、治療を開始する場合は、レントゲンや型取りを行う精密検査を行います。精密検査で問題がなければ専用の口腔内スキャナーでの撮影かインビザライン用の型取りを行い、約2週間前後でマウスピースが届いて治療を開始できます。

治療が開始すると、1〜2か月ごとに通院が必要となり、その都度新しいマウスピースがきちんと使用できているかの確認と、新しいマウスピースの受け取りが必要です。治療が終了したあとは、後戻り防止のためのリテーナーの装置を約1〜2年使用します。

インビザライン治療にかかる費用

電卓とボールペン

インビザラインの費用は、治療期間と同様に症例ごとに異なりますが、平均的な相場はおよそ800,000〜1,200,000円です。治療期間が長くなるほど使用するマウスピースの枚数が多くなるため、費用が高くなる傾向があります。

歯列矯正は基本的に保険が効かないため自費診療となり、多くの医院が治療前に行う検査やマウスピースを作成するための矯正料金と、通院時に毎回発生する処置料を設定しています。また、治療が終わった後は後戻り防止のための保定装置を作成するための料金も発生します。

<インビザラインにかかる費用の一例>

 

カウンセリング0円〜5,000円
 精密検査・診断料20,000円〜50,000円
矯正料金650,000円〜1000,000円
処置量5,000円〜10,000円
保定装置10,000円〜30,000円

上記以外にも、もし途中でマウスピースを紛失してしまった場合は別途料金が発生することもあります。医院ごとに料金も変わりますので、詳しい料金体系に関してはカウンセリング時にしっかり確認をしておきましょう。

インビザライン治療が向いている人・向いていない人

歯と時計

インビザライン治療に向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれ解説していきます。

インビザライン治療が向いている人

抜歯が必要ない症例

インビザラインは1枚のマウスピースで歯を動かす移動量が少ないため、歯並びのガタガタが多い場合や極端に出っ歯や受け口のような抜歯を必要とする症例よりも、比較的軽度な歯並びの治療を得意としています。

使用時間を1日20〜22時間以上確保できる

インビザラインは1日20〜22時間の使用を推奨しています。日常生活で使用時間を確保できる方はきちんと治療の効果を発揮することができます。

インビザライン治療が向いていない人

抜歯が必要な症例

抜歯が必要な症例の場合は歯の移動量が多く必要なため、インビザラインよりもワイヤーを使用した矯正のほうが適しています。

骨格に問題がある

顎の骨格に大きなズレがあったり変形があるような場合、インビザラインでは対応できません。

使用時間を1日20〜22時間以上確保できない

お仕事などでマウスピースを頻繁に外さなければいけない場合や装着し忘れることが多い可能性がある方は、思うような治療結果が得られない可能性があります。

インビザライン治療をするときの注意点

チェックリスト

インビザライン治療において気をつけておきたい注意点があります。詳しく解説していきましょう。

装着時間を守る

インビザラインの治療効果を発揮するためには、1日20〜22時間以上のマウスピースの装着が必要です。

もし装着時間が足りないと、予定通りに歯が移動せずに想定している治療期間に終了しなかったり、追加のマウスピースを作成する必要が出てきてしまうことがあります。その場合は、追加の料金が発生する可能性もありますので、確実に治療の効果を得たい場合は装着時間を守りましょう。

飲食時の取り外し

食事をする際は必ずマウスピースを外しましょう。

マウスピースを装着したまま食事をすると、歯と歯肉とマウスピースの間に食べ物が詰まり、虫歯や歯周病の原因になります。飲み物は装着したまま飲むこともできますが、糖分の含まれているものや熱いものは避けましょう。また、マウスピースは透明のため、着脱しない状態で冷たいコーヒーやお茶を頻繁に飲んでしまうと、着色が付いて黄ばんだ状態になりやすいです。

交換や通院のタイミングを守る

マウスピースは、通常10日〜2週間のタイミングで交換します。

交換のタイミングが早すぎたり遅すぎたりしてしまうと、予定通りに治療が進まなくなってしまいます。特に交換が早すぎる場合は、歯や歯肉などの組織に余計な力がかかってしまいトラブルに繋がることもあり危険です。交換の時期は確実に守りましょう。

通院はおよそ1〜2か月ごとで、その際は歯科医師にマウスピースの状態やきちんと装着されているかの確認を行います。通院間隔が長引いてしまうと、もし治療の経過でトラブルが起きてしまっていても把握することが難しくなりますので、決められた時期に通院するよう徹底しましょう。

まとめ

歯を指している女性

今回は、インビザラインのメリットや治療に向いている方などについて解説しました。

料金形態などは医院ごとに異りますので、カウンセリング時に疑問点がないように確認しましょう。インビザラインは、目立ちにくく取り外しができるという点では非常に優れた治療法ではありますが、デメリットや治療に向かない方もいますので、自分は治療に適しているのかどうかを今回の記事の内容を参考に検討してみてください。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。