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歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響と対策!

2023年7月27日
インビザラインを装着する女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯ぎしり・食いしばりは、上下の歯を強く押し当てるものであり、人によっては歯の表面が削れることもある行為です。インビザラインは薄いプラスチックでできており、強い衝撃が苦手なため、インビザラインが割れてしまうおそれがあります。そのため、歯ぎしりや食いしばり癖のある方は気を付けなければなりません。

今回は、歯ぎしり・食いしばり癖のある人がインビザラインを行う場合、具体的にどのような影響があるかを解説します。

歯ぎしり・食いしばりとは?

歯を強く噛みしめる女性

歯ぎしりとは、睡眠中や日常生活の最中に無意識に歯を強くこすりあわせる行為のことを指します。ストレスや睡眠障害などが原因で引き起こされ、長期的に続くと歯がすり減ることや歯周病が悪化することなどにつながるでしょう。

一方、食いしばりとは、精神的な緊張やストレスを和らげるため、または困難な状況に直面したときに感情を抑制するために、意識的または無意識的に歯を噛みしめる行為を指します。こちらも長期的に続くと、顎関節症や頭痛などを引き起こす可能性があります。

どちらもストレスや過度な緊張が原因となることが多いため、リラクゼーションやストレスの管理が有効な対策です。また、異常な歯ぎしり・食いしばりが続く場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。

歯ぎしり・食いしばり癖の原因

歯の模型を手に持つ男性医師

歯ぎしり・食いしばり癖の原因には、何があるのでしょうか。よく見られるケースについて、それぞれ解説します。

ストレス

歯ぎしり・食いしばり癖の主な原因の1つは、ストレスです。

常に高いストレスレベルにさらされていると、無意識のうちに歯を強く食いしばる人や歯ぎしりをする人がいます。これは、ストレスが神経系に影響を与えることから、体がストレスの影響による緊張を緩和しようとするためです。

集中している状態

歯ぎしり・食いしばりの癖は、しばしばストレスや集中している状態に起因します。

精神的なプレッシャーは、無意識のうちに顎の筋肉を緊張させ、歯を強く噛みしめる行為などにつながる可能性があるでしょう。また、特定の作業や問題に集中して取り組むときや、スポーツなどの高度な運動タスクを実行するときも同様です。顎を閉じることが精神的な集中とリンクしているため、歯が強く圧迫されるのです。

歯並びや噛み合わせの悪さ

正常な噛み合わせは、上下の歯が適切に接触することで組織を保護し、食物を効率よく咀嚼します。

しかし、歯並びや噛み合わせが悪いと噛む力が均等に分散せず、一部の歯に過剰な負荷がかかることがあります。特に、噛み合わせの悪い状態を改善しないと、歯ぎしり・食いしばりの癖につながることがあるでしょう。

眠りが浅い

歯ぎしり・食いしばりの癖は、睡眠障害が原因の一つとされています。睡眠の質が悪く、睡眠中に歯ぎしりをするケースがあるでしょう。

通常、深い眠りに入ると筋肉はリラックスしますが、眠りが浅い場合や睡眠障害がある人は筋肉が十分にリラックスせず、歯ぎしりを起こすことが多いのです。

歯ぎしり・食いしばり癖があってもインビザライン治療は受けられる?

インビザラインを手に持ち考え込む男性

歯ぎしり・食いしばりの癖がある患者さまでも、インビザラインの治療を受けることは可能です。

ただし、症状が強い場合は、インビザラインのアライナー(装置)にダメージを与える可能性がありますので、必ず歯科医に相談し、詳細な診断を受けましょう。

また、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方がインビザラインを使用する場合、通常以上にアライナーの交換頻度が高まる可能性があります。治療期間や費用が変動する可能性もあるため、具体的な治療計画は歯科医と十分に話し合うことが大切です。

歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響

指をかんで不安そうな女性

歯ぎしり・食いしばりの癖があると、インビザラインにどのような影響が出るのでしょうか。治療前に知っておくことで、円滑に治療を進めることにつなげましょう。

インビザラインの変形や割れるリスク

歯ぎしり・食いしばりが強いと、インビザラインはその圧力により変形や破損のリスクが高まります。インビザラインは、患者さまそれぞれの歯の形状に合わせて作られるため、その形状を保つことが重要です。

しかし、強い力がかかると、予定されていた形状を保てず効果が落ちる可能性があるでしょう。また、歯ぎしり・食いしばりによる力が強すぎる場合、インビザライン自体が割れることもあります。

これらの問題を避けるため、治療開始前に歯ぎしり・食いしばり癖があることを歯科医に確実に伝えましょう。

矯正治療の遅れ

歯ぎしりや食いしばりの習慣は、インビザラインに悪影響を与える可能性があります。これらの癖は、矯正治療を遅らせる原因となることもあるでしょう。

歯ぎしりによる圧力は、矯正治療の進行を妨げ、アライナーの適合性を損なう可能性があります。さらに、食いしばりにより、アライナーが破損するおそれれもあるでしょう。

これらの問題を避けるためには、睡眠中の歯ぎしりを防ぐマウスガードを使用することや、ストレス管理の手法を導入することが推奨されます。

顎関節への負荷

インビザラインはクリアなアライナーで歯列を整える治療法であり、歯ぎしり・食いしばり癖があると影響を受ける可能性があります。

通常、これらの癖は、無意識のうちに強い力で歯を食いしばることで、アライナーに過度なストレスを加えることとなるでしょう。その結果、アライナーに亀裂や破損の可能性があります。また、強い力が顎関節に加わると、インビザライン治療の進行が遅れることや、顎関節症の原因となる可能性も出てくるでしょう。

これらの癖がある場合、治療自体に取り組む前に、まずこれらの癖を改善する治療が必要です。歯ぎしり・食いしばり癖の改善後であれば、インビザラインによる治療を安全に、そして確実に進めることができます。

矯正治療の定期的な経過観察が必要

歯ぎしり・食いしばり癖は、インビザラインで利用する歯科装置に悪影響を及ぼす可能性があります。

適切な位置に調整された歯の移動、インビザライン自体の傷みや破壊のおそれがあるでしょう。そのため、矯正治療を受けている間は、定期的に歯科医師の監督のもとで治療の経過を観察し、必要に応じて治療計画を見直すことが重要です。

矯正治療は長期にわたるものですので、生活習慣の見直しも含めて適切なケアが不可欠といえます。

歯ぎしり・食いしばり癖の対策

インビザラインを持って笑顔の女医

歯ぎしり・食いしばり癖の対策として、日常で取り組める方法がいくつかあります。意識して行うことで、改善につなげることができるでしょう。

あおむけで寝る

歯ぎしり、食いしばり癖を改善するためには、あおむけで寝ることをおすすめします。あおむけで寝ることで顎の力が自然と解放され、歯ぎしりや食いしばりを抑制することが可能です。

また、ストレス管理も重要といえるでしょう。十分な睡眠を取る、適度な運動をする、リラックスできる時間を作るなどの方法を取り入れてみてください。

頬杖をやめる

頬杖という行為は、ふだん意識せずに行っていることが多いでしょう。

まずは頬杖をつく癖に気づくことが大切です。頬杖をつくと、無意識に顔の筋肉に力が加わり、食いしばりにつながることがあります。頬杖の癖に気づいたら、無理にやめるのではなく、まずは頬杖を減らすことを目指しましょう。

噛み合わせを確認する

歯ぎしり・食いしばり癖の対策を行う際には、噛み合わせを確認しましょう。

正しい位置で噛み合わせができているか、無理な力を入れていないかなど、日常生活の中で自己チェックすることが大切です。問題があると気づいた場合には、歯科医へ相談しましょう。

飲酒量を控える

歯ぎしり・食いしばり癖の対策には、飲酒量を控えることも大切です。

アルコールには、気分のリラックスを促す機能があります。

しかし、過剰な摂取は睡眠の質を落とし、歯ぎしりや食いしばりを引き起こす可能性があるのです。飲酒を控え、規則正しい生活習慣を送り、睡眠環境を整えることで、癖の改善につなげましょう。

まとめ

歯科医院で笑顔の患者と医師

インビザラインは、薄いプラスチックを使用した器具です。強い衝撃を与えると破損してしまうので、極力強い力は避けなくてはいけません。そのため、インビザラインを利用した治療を受ける際には、歯ぎしり・食いしばり癖がないかどうかの確認が大切です。

歯ぎしり・食いしばりの原因は、ストレスや噛み合わせなど、さまざまです。インビザラインで矯正することにより噛み合わせは改善されますが「矯正中にいかに歯ぎしり・食いしばりをせず、インビザラインを傷めずに矯正を続けられるか」が大切です。

歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインでブラックトライアングルができる?リスクと対処法!

2023年4月19日
右手でマウスピースをはめる女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインなど歯列矯正を行うと「ブラックトライアングル」と呼ばれるすき間ができるケースがあります。歯並びを整えて美しい見た目を手に入れたい方にとって、すき間ができてしまうのは大きなデメリットといえるでしょう。

なぜブラックトライアングルが現れてしまうのか、またブラックトライアングルは治すことができるのか、インビザライン矯正中の方や検討中の方にとって気になる内容だと思います。

そこで今回は、ブラックトライアングルの概要と、インビザラインでブラックトライアングルができる原因や対処法について解説します。

ブラックトライアングルとは

歯を見せて笑っている女性の口元

「ブラックトライアングル」とは、歯と歯の間にできる三角形のすき間のことです。

歯は根元に近づくほど幅が狭くなり、歯の根元部分は隣接歯と触れ合うことなく離れています。通常、そのすき間を埋めるように歯茎が覆っているので、歯と歯の間にはすき間はみられません。ブラックトライアングルは何かしらの理由で、歯と歯のすき間を埋めていた歯茎が下がることが原因で現れます。

主な理由として挙げられるのが、加齢や歯周病で顎の骨が痩せてしまい、歯茎が下がってしまうケース、誤ったブラッシング方法で歯茎が傷付き薄くなってしまうケースです。歯周病や誤ったブラッシング法は、ご自身のケア次第で回避できるでしょう。

なお、ブラックトライアングルは臼歯部にも現れますが、主に前歯にできたすき間を指すことが多いです。

ブラックトライアングルがあることによって起こるリスク

肩をすくめ両手を左右に広げながら困った顔をしている女性

ブラックトライアングルがあることで、どのようなリスクが起こるのでしょうか。

結論から述べると、ブラックトライアングルが現れても歯や口内の健康や機能面に悪影響はありません。

しかし、ブラックトライアングルがあることで起こるリスクとして、以下の3点が挙げられます。

・審美性が悪い
・食べ物が挟まりやすく汚れが残りやすい
・発音に支障がでる

以下に解説していきます。

審美性が悪い

ブラックトライアングルは、審美面が劣ってしまうリスクがあります。

すき間が大きければ大きいほど審美性が劣ってしまうので、他人の目が気になってしまう方が多いでしょう。どの程度気にするかは個人差がありますが、健康面や機能面に悪影響はないので、気にしすぎないようにすることも大切です。

食べ物が挟まりやすく汚れが残りやすい

ブラックトライアングルは歯と歯の間にすき間ができるので、食べ物が詰まったり汚れが残ったりしやすくなります。

食べカスやプラークが残ったままになっていると、虫歯や歯周病の原因になり、さらに歯茎が下がってしまう悪循環が起こるリスクが高いです。ブラックトライアングルに汚れが残らないように、ブラッシング時には、デンタルフロスや糸ようじ・歯間ブラシで除去する習慣を付けましょう。

発音に支障がでる

ブラックトライアングルが大きい場合、発音に支障がでる可能性があります。

ブラックトライアングルのすき間から空気が漏れてしまい、正しい発音にならないことが原因です。特に「サ行」は前歯に空気を送り込んで発音するので、歯と歯の間に大きなすき間があると、うまく発音できません。歯と歯の間にすき間があると、サ行のほかにも、タ行やナ行なども影響を受けやすいといわれています。

インビザラインでブラックトライアングルができる?

ピンクのプラスチックケースにきちんとしまわれているマウスピース

ブラックトライアングルは、インビザラインをはじめ、歯列矯正を行った際にできるケースがあります。

しかし、インビザラインや歯列矯正を行うと必ずしもできるわけではありません。インビザラインでブラックトライアングルが現れる理由は、大きく2つあります。

・もともと顎の骨が少なかった
・歯周病が改善された

詳しく解説していきます。

もともと顎の骨が少なかった

歯並びが悪く歯が重なって生えている部分は、あごの骨が少なく不十分なケースが多いです。

インビザラインで歯並びを整えると、もともとあごの骨が少ない部分にも歯が並びます。あごの骨の位置にともなって歯茎の位置も変化するので、結果として歯茎が下がりブラックトライアングルが現れてしまうのです。

歯並びの状態からブラックトライアングルになるリスクは、ある程度予想できるので、気になる方は歯科医師に相談しましょう。

歯周病が改善された

歯並びが悪く慢性的な歯周病で歯茎が腫れているケースでは、インビザラインで歯並びを整えることでブラックトライアングルが現れてしまう可能性があります。

歯並びや噛み合わせが悪い部分は、ブラッシングが不十分になりやすく、磨き残しがあるケースが多いです。慢性的に磨き残しがある部分は、歯周病に罹患して歯茎が炎症を起こし、腫れてしまいます。

インビザラインで歯並び・噛み合わせを整えると、ブラッシングで簡単にプラークを除去できるようになるでしょう。口内が清潔になれば、歯周病は改善され歯茎の腫れが解消されます。結果として歯茎が下がるので、歯と歯の間にすき間が生じてブラックトライアングルが現れやすくなります。

インビザラインでブラックトライアングルができてしまったら

歯科の治療室で患者に歯の模型を使いながら説明する医師

ブラックトライアングルが一度できてしまうと、もとの状態にまで改善することはほぼありません。ブラックトライアングルは、あごの骨の減少が原因で現れます。一度減少してしまったあごの骨を回復させる治療法はないので、あごの骨が減少しないように気を付けることがブラックトライアングルを予防するポイントです。

インビザラインでブラックトライアングルにならないためには、インビザライン治療中のブラッシング方法も大切です。歯並びに合った適切なブラッシングを行って口内を清潔に保ち、歯周病を予防すれば、歯茎の炎症を抑えられます。

インビザラインでブラックトライアングルになるリスクは、歯周組織の状態やもともとの歯の乱れ方によって異なります。ブラックトライアングルにならないか不安がある方は、インビザライン治療前に口内を確認してもらい、歯周組織や歯並びの状態からリスクが高いのか、歯科医師にチェックしてもらいましょう。

万が一、インビザラインでブラックトライアングルが現れてしまった場合、以下の方法ですき間を目立ちにくくすることが可能です。

IPRを行う

IPRとは、歯と歯の間をわずかに削り、歯が動くスペースを確保する治療法です。通常、歯列矯正で歯が並ぶスペースが不足している際に適応されます。

IPRを利用して、歯と歯の間を削り歯列矯正で歯を寄せて整えれば、ブラックトライアングルが目立ちにくくなることが期待できるでしょう。

歯肉移植を行う

外科的処置が必要ですが、歯肉移植でブラックトライアングルを改善させる方法があります。

歯肉移植は、上あごの歯茎を採取して、ブラックトライアングルがある部分に移植する治療法です。歯茎を切り取った部位は自然に再生して、もとの状態に戻ります。歯茎を必要な分だけ移植するので、すき間が埋まり、美しい見た目を手に入れることができるでしょう。

ただし、歯肉移植を行っても、あごの骨の位置は少ないままなので、時間が経つと再びブラックトライアングルが現れるリスクがあります。

まとめ

歯科で口を大きく開けて治療を受けている女性

ブラックトライアングルは、歯と歯の間にできる三角形のすき間を指します。加齢や歯周病などであごの骨が痩せてしまうことが直接的な原因です。なかには、歯列矯正の影響でブラックトライアングルができる場合もあります。

ブラックトライアングルは、審美性が大きく失われるデメリットはありますが、健康面や機能面に問題はありません。審美性の悪さから改善を望む方が多いですが、一度できてしまったブラックトライアングルは、もとの状態に戻すことができません。そのため、ふだんからブラックトライアングルができないように予防していくことが重要です。

万が一、ブラックトライアングルができてしまい改善させたい場合は、IPR法や歯肉移植で目立ちにくくすることは可能です。インビザラインの影響でブラックトライアングルにならないか不安がある方は、歯科医院を受診して歯周組織や歯並び・噛み合わせを確認してもらい、リスクがどの程度あるのか判断してもらうとよいでしょう。

ブラックトライアングルについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

歯の動きをシミュレーション!インビザラインのクリンチェックについて解説!

2023年3月18日
歯科医師から矯正の説明を聞く女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザライン矯正では、クリンチェックというシミュレーションソフトを使用します。クリンチェックを使えば、治療開始から終了後の歯並びが、どのように改善するか目で見て確認可能です。

今回は、インビザラインにおけるシミュレーションの重要性や、クリンチェックでシミュレーションできる内容を解説します。歯科医師と患者様が、シミュレーションで理想とする歯並びのイメージを共有できるので、安心して治療が始められるのはインビザラインの特徴です。シミュレーションに興味がある方やインビザラインを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インビザラインにおけるシミュレーションとは?

歯科の診察室

インビザライン矯正では、治療開始前にクリンチェックというシミュレーションソフトを使用します。シミュレーションすることで、治療開始から終了まで歯並びがどのように改善していくか確認できます。

一般的なワイヤー矯正では、治療終了後の歯並びがどのように変化するのか、確認できません。

その点、インビザライン治療なら、どのように変化していくのかイメージがつかみやすいので、治療の流れに納得して始められるでしょう。さらに、目で見て確認できることで、患者様が細かな要望を伝えることも可能です。

クリンチェックは、歯科医師と患者様がシミュレーションで、理想とする歯並びのイメージを共有できるのが最大のメリットといえます。

インビザラインのクリンチェックでは何をシミュレーションできる?

歯科の診察室

クリンチェックの大きな役割は、治療計画を立てることです。

ここでは、クリンチェックでシミュレーションできる内容を6つ解説します。

歯並び

治療開始前にどのような歯並びになるのかシミュレーションできることが、クリンチェックの最大のメリットです。

抜歯して治療を受けた場合と抜歯せずに治療を受けた場合の比較もシミュレーションできます。どんなふうに歯並びがきれいになるのかシミュレーションできるので、安心して治療が受けられるでしょう。

また、患者様の理想とする歯並びを目で見て確認できることで、矯正治療に対するモチベーションアップにもつながります。

噛み合わせ

インビザラインのクリンチェックによって、治療後の噛み合わせがどのように変化するのか確認できます。シミュレーションにより、噛んだときにどこに当たっているか、当たっていないか表示できます。

矯正治療によって歯並びがいくらきれいになっても、うまく噛めないようでは治療成功とはいえません。噛み合わせが悪いと歯に負担がかかるだけでなく、顎関節や頭痛、肩こりなど体に影響がでる原因になります。

矯正治療において、歯並びだけでなく噛み合わせの改善はとても重要といえるでしょう。

治療期間

インビザラインのクリンチェックによって、必要なマウスピースの枚数が確認できます。マウスピースの枚数を確認できることで、治療期間がどれくらいかかるのかの目安もわかります。

また、何枚目のマウスピースでどの程度歯が動くかなど、治療の過程もシミュレーション可能です。

IPRの要否

IPRとは、歯を並べるスペースがない場合に、歯と歯の間を削る治療のことです。

インビザラインのクリンチェックによって、どの歯をどの程度削るのか、シミュレーションで確認できます。

アタッチメントをつける位置

アタッチメントとは、マウスピースを歯にしっかりと固定し、より強い力で動かしたいときに、歯の表面につける突起物です。

インビザラインのクリンチェックによって、どの歯にどれくらいの数をつけるのか、確認できます。

顎間ゴムをかける位置

顎間ゴムとは、歯の噛み合わせを整えるための上下のマウスピースにかける矯正用のゴムです。マウスピースに顎間ゴムがかけられない場合には、歯にボタンを直接つけ、そこにゴムをかけることもあります。

インビザラインのクリンチェックによって、顎間ゴムをかける位置やボタンの位置をシミュレーションできます。

治療中にも活用されるクリンチェック!

マウスピースを装着する女性

インビザラインのクリンチェックは、シミュレーションによる治療計画の立案だけでなく、治療計画の修正も可能です。

インビザライン矯正は、取り外しできるマウスピースを使用するので、治療の進み具合は患者様によって異なります。また、顎の骨の状態や歯を動かす量によっては、治療計画通りに進まないこともあります。

矯正治療中にクリンチェックでシミュレーションすることによって、計画通りに治療がうまく進んでいるか確認可能です。計画通りに進んでいないようであれば、その都度計画を修正しなければいけません。また、歯がどのように動いているのか途中経過も確認できます。

治療中にクリンチェックを使用することで、細かい患者様からの要望を取り入れられるのもメリットの一つです。

クリンチェックの流れ

歯のレントゲン写真

インビザライン矯正のクリンチェックの流れは、以下のとおりです。

カウンセリング

まず行うのが、患者様のカウンセリングです。
患者様の歯並びに関するお悩みを聞き、治療したい箇所を確認します。そのうえで、患者様にとっての最適な治療法を歯科医師と一緒に考えていきます。

検査

インビザラインの治療を始める前に、お口の中の状態を確認します。虫歯や歯周病などがあれば、インビザライン矯正を始める前に、処置しなければいけません。

そのあと、クリンチェックに必要なレントゲン撮影・口腔内写真の撮影・マウスピース用の型取りを行います。レントゲン撮影では、虫歯や歯周病になっていないか、親知らずが生えていないかなどを確認します。

口腔内写真は、噛み合わせた状態での正面と左右、お口を開けた状態での上顎の歯列、下顎の歯列の5枚法で撮影することが一般的です。口腔内写真は、治療開始前・治療中・治療終了後に撮影します。噛み合わせや歯並びの状態、歯茎の状態、歯の移動状態などが確認できる大事な検査です。

マウスピース用の型取りは、シリコン印象(シリコンを口の中に入れて型をとる従来の方法)もありますが、一般的には光学印象(口腔内カメラでスキャンして歯型をとる方法)で行います。

詰め物の作成時など、虫歯治療でよく行う従来の方法で型をとるのが苦手な方がいらっしゃるでしょう。光学印象は、従来の型取りよりも気持ち悪さを感じることが少ないので、患者様の負担が少ないのがメリットです。また、従来の型取りよりも誤差が少なく、精密に型取りできるといわれています。

クリンチェック

検査でそろえた情報をもとに、クリンチェックを使って治療計画を立案します。治療開始前に患者様とシミュレーションを確認し、理想の歯並び、噛み合わせ、治療期間など、治療計画に納得できればマウスピースの作成にとりかかります。

マウスピース完成

マウスピースができ上がるのは、発注してから3~4週間です。

矯正治療中は、食事中以外はできるだけマウスピースを装着しなければいけません。1週間~10日ごとにマウスピースを交換し、治療をすすめていきます。装着時間を守らなければ、治療計画どおりに歯並びが改善できません。インビザライン矯正は患者様の努力が不可欠といえるでしょう。

まとめ

歯並びのきれいな女性

インビザライン矯正は、クリンチェックを使用することで、治療開始から終了後の歯並びがどう改善するかシミュレーションできます。また、シミュレーションだけでなく、治療計画の修正ができるのもメリットです。

クリンチェックを使用することで、歯科医師と患者様とが理想とする歯並びのイメージを共有できるので、安心して治療が受けられます。クリンチェックによるシミュレーションが気になる方は、インビザライン矯正を検討してみてはいかがでしょうか。

インビザライン治療についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インプラントが入っていてもインビザライン治療はできる?メリットや治療法について解説!

2023年1月11日
歯の模型と治療器具が置かれている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

「インプラントが入っていても歯並びをよくしたい」と考えている方は少なくないと思います。

今回は、インプラント治療をしていてもインビザライン矯正はできるのか?インビザラインとインプラントのどちらから先に治療したほうがいいのか?インプラントが入っている状態でインビザラインを受けるメリット・デメリット、治療法について詳しく解説します。

インプラントとインビザライン

インビザラインを持っているメガネをかけた女性

「インプラントとインビザラインの両方を受けたい」とお考えの方は少なくありません。インプラントがすでに入っている方だけでなく、現在歯がない、もしくは抜歯が必要な状態で、歯並びもよくしたいと考え、インプラントを検討している方もいらっしゃるでしょう。「せっかくならインプラントとインビザラインを同時にしたい」という方もいらっしゃいます。

しかし、インプラントとインビザラインはまったく別の治療であるため、同時進行は難しいです。

まずは、インプラント治療とインビザライン治療について詳しく説明します。

インプラント治療とは?

インプラント治療とは、歯がない部分の歯茎にインプラント体を埋め込み、その上にかぶせ物を装着して、歯がない部分を補う矯正治療です。

治療の流れとしては、歯科用CTなどで精密検査を行い、治療計画を立て、歯周病など事前に治療が必要なものを終わらせてからインプラント手術を行います。インプラント手術自体は1〜2回で終わりますが、その後、骨とインプラント体がしっかりくっつくのを待つ期間が必要です。その間に仮歯で噛み合わせの調整を行い、最終的なかぶせ物の型取りをして装着すれば治療は終了です。

インプラントは、見た目も機能も自分の歯と同じように再現できるのが最大のメリットといえます。歯を失った際の治療には、インプラント以外に入れ歯やブリッジもありますが、インプラントは、ほかの治療に比べて治療期間が長く、費用も高額になるのがデメリットでしょう。

インビザライン治療とは?

インビザライン治療とは、マウスピース矯正の1種です。マウスピースを1日20〜22時間以上装着して、歯並びを整える矯正治療です。ワイヤー矯正と違って装置が目立ちにくく、痛みも少ない点が人気の理由といえます。

マウスピースは自分で取り外しが可能なので、歯磨きなどのお口の管理がしやすいメリットがありますが、治療に消極的でマウスピースを十分な時間装着できていないと治療が進まないデメリットもあります。

インビザラインは、ほかのマウスピース矯正と違って型取りが1度で済むのも大きな特徴です。最初にシミュレーションで治療の流れを確認できるため、患者側も安心して取り組めます。

インプラントが入っているけどインビザライン治療はできる?

絵が描かれた5つのサイコロが置かれている

結論からいうと、インプラントが入っている状態でもインビザライン治療は可能です。

ただし、重要なのは「インプラント自体を動かせないこと」です。症例によっては、インプラントが入っているためにインビザライン治療ができないこともあります。

インビザライン治療ができないケースとは

インプラントが入っていてインビザライン治療ができない症例は、以下の3つです。

・インプラントの本数が多すぎる
・インプラントの部位による
・歯周病が進行している

それぞれの症例を詳しく解説します。

①インプラントの本数が多すぎる

「インプラントを動かすことはできない」と先ほどご説明しましたが、インプラントの本数が多すぎると、当然動かせない歯が多くなるため、矯正治療の計画自体が難しいです。

現在、どのような歯並びで、どこにどれくらいインプラントが入っているのかによって治療計画は異なるので、一概にはいえませんが、インプラントの本数が多いほどインビザラインは難しくなるといえるでしょう。

②インプラントの部位による

例えば、上の前歯にインプラントが1本入っていて、前歯の歯並びを全体的に引っ込めたいという場合、インプラントの歯は動かすことができないので、前歯を全体的に引っ込める矯正は難しいでしょう。

インビザラインではなく、インプラントのかぶせ物だけをやり直して多少の角度修正をすることは可能ですが、埋めたインプラント体の角度は変更できません。また、下の歯との噛み合わせも考えなければいけません。そのため、インプラント治療を受ける際に見た目などの要望がある場合は、事前に歯科医師に相談しておいたほうがいいでしょう。

③歯周病が進行している

インビザラインに限らず矯正治療全般でいえることですが、歯周病が進行していたり骨量が少なくなっている場合、矯正治療を受けるのが難しくなります。矯正治療によって骨がさらに下がってしまう可能性があるからです。

インプラント治療もインビザライン治療も年齢制限はありませんが、骨の状態によって治療ができるかできないか判断します。歯周病が進行していても、インビザライン治療を受ける前に歯周病治療を受けて、改善できれば治療ができることもあります。その際も、これ以上歯周病が進行しないようケアが必要です。

インプラントが入っている状態でインビザライン治療をするメリット

親指を立ててグッドサインを出している

インプラントが入っていることで、インビザライン治療を効率よく進められることもあります。

インプラントは動かすことができないので、インプラントを固定源としてほかの歯を移動させることが可能です。歯を動かす量が多い症例の場合、固定源があるとより短期間で歯を移動させることができます。

インプラントが入っている状態でインビザライン治療をするデメリット

UNABLEのブロックと金のハサミが置かれている

インプラントが入っている状態でインビザライン矯正をするデメリットは、インプラント部分は動かせないことです。そのため、症例によってはインビザライン矯正ができないこともあります。また、インプラント治療を先にしている場合、インビザライン矯正を始める前の歯並びに合わせてインプラントの噛み合わせを調整しています。インプラント治療後にインビザライン矯正を行うと、当然歯並びとともに噛み合わせも変わってしまうので、噛み合わせの再調整が必要になります。インプラントのかぶせ物を再度作り直したり、場合によってはインプラント自体を埋め直さなければいけないこともあるでしょう。

こういったデメリットを考えると、インビザライン治療を先にしてインプラントを埋めるスペースを残したほうがいいです。

インプラントが入っている状態でのインビザラインの治療法

歯の模型とレントゲンで説明している歯科医師

インプラントが入っている部位や歯並びの状態によって治療法も変わってきます。例えば、インプラントが奥歯に1本入っていて、前歯だけをインビザラインの部分矯正で治す場合、インプラントが入っていることを気にせずに治療可能な場合が多いです。

しかし、インプラントが入っている状態で全体の歯並びをインビザラインで矯正する場合は、事前に綿密な治療計画が必要になります。歯科医師によっては、インプラントが入っていることで矯正を推奨しない場合もあるでしょう。インビザライン治療は、矯正歯科専門医でなくても多くの歯科医院が取り組んでいます。インビザラインはコンピューターによってシミュレーションを行うので、どの歯科医師が治療しても結果は同じと思われがちですが、そんなことはありません。シミュレーションに対し、歯科医師が治療計画を付け加えたり修正したりする必要があります。矯正に関する知識が乏しく正しい診断ができなければ、治療結果も変わってしまうのです。

また、すべての治療が計画通りに進むわけでもありません。予期せぬ事態に対応できなければ治療は失敗してしまうでしょう。インプラントが入っている場合は、インプラントを固定源にしてほかの歯を動かせるメリットもありますが、インプラントが入っている状態でのインビザライン治療は、歯科医師の知識や技術、経験が必要といえます。そのため、矯正歯科専門医で治療を受けたほうがいいでしょう。

矯正用インプラント「アンカースクリュー」とは?

歯の模型を手に説明している女性の歯科医師

歯を失った場合の治療で用いるインプラントとは別に「アンカースクリュー」と呼ばれる矯正用のインプラントがあります。アンカースクリューは歯を動かす際の固定源として埋められるもので、矯正治療期間のみ使用します。つまり、矯正が終わると取り除くことが可能です。

アンカースクリューを用いて歯を動かすことで効率よく歯を動かせるようになるので、矯正治療期間を短縮できます。歯の移動量が多い場合や、これまで難しかった方向に歯を動かすことも可能です。アンカースクリューはチタン製の小さいネジを埋めるので、手術自体が短時間でそれほど痛みを感じません。

歯を失った場合のインプラントとはまったく別物ではありますが、通常のインプラントは矯正の際に、このアンカースクリューの役割を果たせることがあるのです。

まとめ

型取りされた歯の模型とインビザラインが置かれている

インプラントが入っている状態でもインビザライン治療は可能です。

ただし、インプラントは動かすことができないので、インプラントの本数が多かったり、インプラントの部位や骨の状態によってはインビザライン矯正を受けられない場合があります。現在インプラントを入れておらず、今後インプラントとインビザライン治療の両方を希望する場合は、先にインビザライン治療を受けるほうがいいでしょう。あらかじめ歯科医師に「あとでインプラント治療もしたい」と伝えておけば、インプラントを埋めるスペースを残した矯正治療の計画を立ててくれます。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。ご自身に合った方法で矯正治療をスタートしましょう。

前歯のみのインビザライン治療はできる?治療にかかる期間や費用を解説!

2022年12月21日
舌を噛んでいる女性

長いマスク生活が続きますが、マスクを外したときの歯並びに自信はありますか?実は多くの方が歯並びにコンプレックスを抱えていて、なかなか歯科矯正に踏み出せないのが事実です。矯正治療は「費用が高い」「矯正器具が目立つ」「期間が長い」「痛みが心配」などの理由から諦める方もいます。

歯科矯正はさまざまな種類がありますが、透明のマウスピースを使い、目立ちにくく、食事や歯磨きのときも外せるインビザラインは、近年人気が高い矯正方法です。

しかし、歯の全体をインビザラインで矯正すると2~3年はかかるため「前歯のみを短期間で矯正したい」という方もいます。また、全体を矯正するのは大掛かりで、ハードルが高いという方もいらっしゃるでしょう。

今回は、インビザラインで前歯のみ治療ができるか、治療にかかる費用や期間について、詳しく解説します。

インビザラインで前歯だけを治療することはできる?

「?」が描かれた5つの丸い積み木

インビザラインで全体矯正するのではなく、前歯のみを矯正治療することは可能です。

注意してほしいのは、誰もが前歯のみのインビザラインが対象ではなく、一部の方のみに適応されることです。対象の方は、軽度の叢生と出っ歯の方、前歯に隙間がある「すきっ歯」といわれる方が対象です。

軽度の叢生

叢生とは、歯並びが凸凹ガタガタな状態で「乱ぐい歯」ともいわれます。歯と歯が重なりあい、歯の向きが斜めになっています。軽度の叢生だと、前歯のみを動かすインビザラインが可能で、少し歯を削りスペースを確保して動かすこともあります。

歯が捻れた状態で生えている捻転歯も、軽度の状態でしたら前歯のみのインビザラインで治せます。

軽度の出っ歯

前歯のみのインビザラインでは、軽度の出っ歯も治すことができます。前歯全体が大きく出ている出っ歯は奥歯も動かす必要があるため全体矯正をします。

前歯に隙間がある

前歯に隙間があると歯を動かせるスペースがあるため、前歯のみのインビザラインが可能です。前歯に隙間があると、見た目が悪いだけでなく、空気が抜けたような発音になるため会話にも影響が出ます。

前歯のみのインビザライン治療ができないケース

医師が胸の前で「×」サインを出している

前歯のみのインビザラインは治療できないケースもあります。詳しく見ていきましょう。

抜歯を必要とする歯並び

重度の歯並びの悪さは、場合によって抜歯が必要です。歯の大きさに対して顎が小さくて歯が並びきらない場合は、抜歯することが多くあります。抜歯したスペースを利用して歯を動かしてから全体矯正するため、前歯のみのインビザラインはできません。

噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪いと、顎関節症や噛みにくさからくる消化不良・肩こり・頭痛など、体の不調が現れます。矯正は、歯並びがよくなり見た目がキレイになることが重要ですが、噛み合わせがよくなることも非常に大切です。噛み合わせが悪い場合はインビザラインで前歯のみ矯正はできず、全体矯正をします。

叢生が強い方

叢生が強いと歯を動かすスペースがないため、前歯のみのインビザラインはできません。凸凹ガタガタと歯が入り組んで生えているため、全体矯正をします。歯を並べるスペースがない叢生は、抜歯をして全体を動かし矯正します。顎が小さい方・歯が大きめな方・乳歯の時にたくさん虫歯があった方は、強い叢生になる傾向があるのです。

重度の出っ歯

軽度の出っ歯はインビザラインで前歯のみ矯正できますが、重度の出っ歯の場合は対象外です。重度の出っ歯は全体矯正が必要で、場合によっては外科手術も適応されます。

反対咬合

しゃくれや受け口ともいわれる反対咬合は、噛み合わせが悪く、サ行やタ行の発音がしにくい状態です。しっかり噛めないため消化不良を起こしやすく、見た目や発音のコンプレックスもみられます。反対咬合の場合は前歯のみのインビザラインはできないため、全体矯正や外科手術で顎の骨を後ろに下げることも検討されます。

過蓋咬合

過蓋咬合とは、噛み合わせが深く、上の前歯が下の前歯のほとんどを覆ってしまいることです。通常は上の前歯が下の前歯の4分の1を覆った状態ですが、過蓋咬合で深く噛み合っていると、上の前歯の裏側を下の前歯で傷つけ、歯茎に炎症が起きます。噛み合わせの問題で、詰め物や被せ物が外れやすく、奥歯に負担もかかります。過蓋咬合は噛み合わせ全体を治す必要があるため、インビザラインで前歯のみの矯正はできません。

前歯のみのインビザライン治療のメリットとデメリット

メリット・デメリットが書かれている手帳

インビザラインで前歯のみ部分矯正することは気軽で負担も少なく、メリットが多いといえます。

しかし、当然デメリットも存在しますので、前歯のみのインビザラインを希望している場合は事前に主治医に確認しましょう。

メリット

インビザラインは透明のマウスピースを使用するため、従来のワイヤー矯正より気付かれずに矯正できます。しゃべりにくくなったり食べづらいなどのわずらわしさがなく、金属アレルギーの心配もいりません。

前歯のみをインビザライン治療できると、全体を矯正するよりも簡単に短期間で矯正が終わります。結婚式や入学などのイベントを控えている方も、気軽に矯正できて費用も安く済みます。

また、インビザラインは、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないのが特徴です。前歯のみのインビザラインは、全体をインビザライン矯正するよりもさらに痛みを軽減できます。

デメリット

前歯のみのインビザラインは奥歯の矯正はできないため、噛み合わせを治すことはできません。

また、前歯を動かすスペースを確保するため、少し歯を削る「ディスキング」と呼ばれる処置をすることがあります。ディスキングで削る量は微量なため、歯にダメージがなく心配はいりませんが、削った刺激で一時的に知覚過敏のようにしみやすくなることがあるでしょう。しみる症状が出た場合は、しみ止めのお薬を塗布して様子をみますが、大体の場合は短期間で症状が落ち着きます。

前歯のみのインビザライン治療にかかる期間

木のテーブルの上にカレンダーと赤いボールペンが置かれている

前歯のみのインビザラインの治療期間は、おおよそ6か月~1年です。個人差もありますが、全体矯正すると2~3年はかかるため、期間はかなり短縮されて患者さんの負担も減ります。「矯正は期間が長い」とあきらめていた方も、前歯のみインビザライン矯正ができたら気軽に挑戦できるでしょう。

注意したいのは、上記の期間とは別に、動いた歯が後戻りを防ぐために行う「保定期間」が必要ということです。保定期間は「リテーナー」と呼ばれる歯の後戻り防止装置を矯正後に約2年間装着します。リテーナーは、インビザライン矯正と同様に食事や歯みがきのときには取り外し可能で、部分矯正も全体矯正も保定期間は同じです。

前歯のみのインビザライン治療にかかる費用

「¥」マークが描かれている積み木が階段のように並べられている

歯並びの状態や歯科医院によって料金は異なりますが、前歯のみのインビザラインは30~50万円程度でおこなうことができます。全体矯正をすると100万円前後はかかるので、費用をかなり抑えられるでしょう。

全体矯正は高額で踏み出せない方も、前歯のみのインビザラインなら気軽にチャレンジできるという方も多くいます。昨今、前歯のみのインビザラインで見た目のコンプレックスを解消して、金銭に余裕ができたら噛み合わせをしっかりと治すために全体矯正をする方もいます。

まとめ

マウスピースを持っているロングヘアの女性

前歯のみのインビザラインは、目立ちにくいだけでなく、費用も安く短期間で行えるので、矯正治療に躊躇している方も気軽にできるよさがあります。

しかし、見た目を重視した矯正方法のため、噛み合わせを治すことや全体矯正はできません。また、誰もが前歯のみのインビザライン対象ではないことも理解しておく必要があります。自分が対象であるかは詳しい検査と審査が必要になり、前歯のみのインビザラインのデメリットも知っておかなくてはなりません。全体矯正と部分矯正が選べるのは、矯正治療の幅が広がります。前歯のみのインビザラインが気になる方は、マスク生活でさらに目立たせずに矯正できる今、歯科医院にぜひ相談してみてください。

インビザラインで噛み合わせが悪くなるの?その原因と対応方法について詳しく解説!

2022年11月11日
歯科医で説明を受けている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインは、透明なマウスピース型の装置を使って矯正治療を行なうマウスピース矯正ブランドです。装置が目立たず周囲の人に気づかれにくいメリットがある一方で、噛み合わせが悪くなるといった声も聞かれます。

今回は、インビザラインで噛み合わせが悪くなるのか、原因や対応方法について解説します。

インビザラインで噛み合わせが悪くなるの?

歯科医で検診中の女性

インビザラインで矯正治療を行なって噛み合わせが悪くなることは、基本的にはありません。
インビザラインでは、独自の3D治療計画ソフトウェアを使用し、治療開始から治療終了までの歯の動きをシミュレーションします。歯並びはもちろん、噛み合わせもしっかりと確認するため、インビザラインが原因で噛み合わせが悪化することはありません。

正しい噛み合わせとは?

笑顔の女性

インビザラインでは、正しい噛み合わせを目指し矯正治療を進めていきます。

正しい噛み合わせとは、一般的に以下のようなものをいいます。

  1. 上下の前歯の中心が揃っている
  2. 上下の前歯の隙間が5mm以下になっている
  3. 下の前歯が上の前歯の内側にある
  4. 上の前歯が下の前歯に2~3mm被さっている
  5. 上下の奥歯がしっかり噛み合っている
  6. 上下の歯列がどちらもきれいなU字のアーチを維持している

正しい噛み合わせであるかは、自身で鏡を見てある程度は判断ができます。

ただし、最終的な確認は歯科医院で行ないましょう。レントゲン撮影や歯型を採取し、歯並びや噛み合わせをさまざまな角度から診断します。

インビザラインで噛み合わせが悪くなる原因

マウスピース

インビザラインが原因で、噛み合わせが悪くなることは基本的にはありません。

しかし、矯正治療によって歯並びが変わることや不適切なマウスピースの使い方が原因で、噛み合わせが悪くなったと感じることがあります。

インビザラインで噛み合わせが悪くなる原因には、以下のようなものが考えられます。

  • 矯正治療によって歯が動いているため
  • 装着時間が守れていないため
  • マウスピースを正しく使用できていないため

詳しく解説していきます。

矯正治療によって歯が動いているため

矯正治療によって歯が動くことで、噛み合わせに変化が生じて噛み合わせが悪くなることがあります。歯が動くことで起きる噛み合わせの悪さは、インビザラインに限らず矯正治療全般で感じる可能性が高いです。特に、治療を始めた頃やマウスピースを交換したタイミングで違和感をもつ方が多い傾向にあります。

ただし、一時的であることが多く、治療が完了する頃には改善しています。矯正治療が完了したにもかかわらず噛み合わせに不具合がある場合は、歯科医師に相談しましょう。

装着時間が守れていないため

装着時間を守らないことは、噛み合わせに影響が出る大きな原因になります。

インビザラインは1日20〜22時間以上の装着時間を推奨しています。装着時間が短かったり装着していなかったりする日が続くと、シミュレーション通りに歯が動かないばかりではなく「後戻り」が起こります。後戻りが起こると、治療期間が長引く可能性があります。マウスピースが合わなくなり、再製作が必要になる場合もあるため注意しましょう。

マウスピースを正しく使用できていないため

インビザラインで噛み合わせが悪くなる原因には、マウスピースを正しく使用できていないことが挙げられます。

マウスピースの不適切な使用方法は、以下のとおりです。

  • マウスピースが浮いたまま使用している
  • 変形したマウスピースを使用している
  • 交換時期を守っていない

詳しく解説していきます。

マウスピースが浮いたまま使用している

マウスピースを浮いたまま使用していると噛み合わせが悪くなることがあります。マウスピースと歯がしっかり密着していないと、装置から歯に適切な力が掛からず正しく歯が動きません。

変形したマウスピースを使用している

噛み合わせが悪くなる原因のひとつに、変形したマウスピースを使用している場合があります。マウスピースを正しく取り扱っていないと、落としたり踏んだりして変形してしまいます。変形したマウスピースを使用し続けていると、シミュレーション通りに治療が進まない可能性があるため注意が必要です。

また、噛み締めや歯ぎしりをする方は、マウスピースを変形させたり破損させたりする恐れがあります。噛み締めや歯ぎしりがあまりにも強いとインビザラインの適応になりません。ワイヤー矯正などの治療方法はあるため、歯科医師に相談してみましょう。

交換時期を守っていない

マウスピースの交換時期を守らないことは噛み合わせを悪化させる原因になります。インビザラインの交換周期は1〜2週間であることが多いです。交換周期には個人差があり、年齢や歯並びの状況などをみて歯科医師が判断します。インビザラインでは、マウスピースを交換することで徐々に歯を理想的な歯並びになるように動かしています。交換時期が来たにもかかわらず以前のマウスピースを使い続けていても、歯並びは改善しません。

また、自己判断でマウスピースを交換すると、痛みが出たり噛み合わせが悪くなったりする可能性があるので控えましょう。

インビザラインの正しい装着方法と注意点

ビックリマーク

インビザラインで矯正治療を進めるうえで噛み合わせの悪化を防ぐには、マウスピースを正しく装着することが大切です。また、治療中のトラブルを回避するため、マウスピースの取り扱いにも注意しましょう。

インビザラインの正しい装着方法

インビザラインを装着する際は、以下を意識して正しく装着しましょう。

  • 1日20時間以上装着する
  • 指定された交換時期を守る
  • しっかり奥まで装着する

装着時間や交換時期は、歯科医師の指示を守りましょう。マウスピースは浮いたまま使用すると正しい治療効果が得られません。マウスピースを装着する際は、指でしっかりと押して歯に隙間がないか確認しましょう。マウスピースが途中までしかはまっていないのに噛み込んで装着するのは、変形や破損の原因になるため避けてください。

最後にチューイーを噛みましょう。チューイーは、弾力のある素材でできたロール状のチューブで、噛むことで歯とマウスピースの密着度を高められます。

インビザラインを装着しているときに注意すること

インビザラインで矯正治療を行なっているときの注意点は、以下のとおりです。

  • マウスピースを装着したまま飲食をしない
  • 紛失や破損をしない
  • むし歯や歯周病に注意する

詳しく解説していきます。

マウスピースを装着したまま飲食をしない

マウスピースを装着したまま飲食をするのは、破損や変形などの原因になるため避けてください。「飲み物であれば問題ない」と思いがちですが、マウスピース装着中に飲めるのは、基本的には水のみです。甘い飲み物は、マウスピースと歯の間に糖分が蓄積されむし歯の原因になります。

また、ワインやコーヒーなどの色素の濃い飲み物は着色する可能性があるため、マウスピース装着中には控えてください。インビザラインで矯正を行なっているときは、飲食の際はマウスピースを必ず外しましょう。

紛失や破損をしない

マウスピースの紛失や破損には十分注意してください。

マウスピースを外した際に、ティッシュなどに包んでそのまま捨ててしまうことがあります。紛失や破損した場合は再製作しなければならず、治療期間が長くなったり余計な費用がかかったりとあまり望ましくはありません。マウスピースを外した際には、専用のケースに保管するなどしてしっかり管理しましょう。

むし歯に注意する

むし歯の治療のために詰め物や被せ物をして歯の形態が変わってしまった場合は、マウスピースを再製作しなければなりません。

ワイヤー矯正と比較して、インビザラインはマウスピースを取り外せるため歯磨きがしやすいのが特徴です。フロスなどの補助器具も併用してむし歯を防ぎましょう。

インビザラインで噛み合わせが悪くなったと思ったら

マウスピース

噛み合わせの悪さを感じた場合はそのままにせず、すぐに対処することが大切です。

対応方法は以下のとおりです。

  • マウスピースの状態や使用方法を確認する
  • 歯科医師に相談する

詳しく解説していきます。

マウスピースの状態や使用方法を確認する

噛み合わせが悪くなったと感じた場合、まずはマウスピースの状態や使用方法を確認しましょう。マウスピースが変形・破損している場合は、歯に適切な力が加わっておらず噛み合わせが悪化している可能性があります。無理に装着せず、歯科医院へ連絡しましょう。

また、歯科医師が指示した使用時間や交換時期を守れていない場合も、予定通りに歯が動かず噛み合わせに影響が出ることがあります。装着する際は、マウスピースがしっかりと密着するようチューイーを使用してください。マウスピースの使用方法に誤りがあった場合は、歯科医師にその旨を伝え、指示を仰ぎましょう。

歯科医師に相談する

マウスピースの状態や使用方法に問題がないにもかかわらず、噛み合わせが悪いと感じた場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。

噛み合わせが大幅にずれている場合は、マウスピースを再製作し、歯並びや噛み合わせの修正を行なう可能性もあります。矯正治療によって歯が動いているため、噛み合わせが悪くなっている場合は治療が進むにつれて改善します。いずれにしても、不安を感じた場合には歯科医師に相談するのが良いでしょう。

まとめ

歯をいたがるビジネスマン

インビザラインで噛み合わせが悪くなることは基本的にはないため、安心して治療を進めてください。

ただし、矯正治療では、インビザラインに限らず、歯が動く過程で一時的に噛み合わせに変化が生じることがあります。不安を感じた場合は、歯科医師に相談しましょう。また、インビザラインの治療をスムーズに進めるためには、装着時間や交換時期を守ることが重要です。必ず歯科医師の指示に従い、正しく治療を進めましょう。

インビザラインに不安がある方や検討されている方は、浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。