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インビザライン矯正の費用はいくらくらい?治療の流れごとに解説!

2023年10月7日
インビザラインのマウスピースを手に持つ

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

装置が目立たないことから人気のインビザライン矯正ですが、費用が気になる方は多いのではないでしょうか。

今回は、インビザライン矯正の費用や保険が適用されるのかどうかなどを解説します。治療の流れに沿って詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

インビザライン矯正の費用

机に置かれた植物と電卓

インビザライン矯正にかかる費用は、トータルでおよそ600,000〜1,000,000円です。自費診療になるので、歯科医院ごとに費用が異なります。口内や歯並びの状態によっても費用が変動するため、相場に幅があります。

インビザライン矯正にかかる費用を、治療前・治療中・治療後に分けて詳しく確認しましょう。

治療前にかかる費用

インビザライン矯正を始める前に、カウンセリングと口内の状態を調べるための精密検査が行われます。検査の結果、インビザライン矯正の前に虫歯治療や抜歯が必要となった場合は、先に処置を行うのが一般的です。

カウンセリング

カウンセリングの費用相場は、無料〜10,000円程度です。無料でカウンセリングをしている歯科医院と、有料で行っている歯科医院がありますが、どちらがよいというわけではありません。

カウンセリングでは、簡易的に口内の状態も検査します。インビザライン矯正の進め方や必要な費用、治療期間などの説明を受けるでしょう。

歯科医院や歯科医師・スタッフの雰囲気などを知ることもできます。インビザライン矯正は長期間歯科医院に通う必要があり、費用もかかります。そのため、相性のよい歯科医院を選ぶための参考にするとよいでしょう。

カウンセリングを受けたからといって、必ずその歯科医院で矯正治療を始めなければいけないわけではありません。インビザライン矯正を検討している方は、一度カウンセリングを受けて費用などの説明を受け、歯科医院の雰囲気を確認しましょう。

検査

検査は、実際に矯正治療を始めるにあたって緻密な治療計画を立てるために行います。

検査費用の相場は、10,000円〜50,000円程度です。検査費用は、インビザライン矯正全体の費用に含まれている場合もあります。

インビザライン矯正で主に行われる検査の内容は、以下のとおりです。

・レントゲン撮影

・CT撮影

・顔の写真撮影

・歯並びの撮影

・CTスキャンによる歯型採取

インビザライン矯正では、専用のソフト「クリンチェック」を使い、検査のデータをもとに現在の歯並びから治療終了までの歯の動きをシミュレーションできます。治療開始前に矯正治療完了後のイメージを確認できることは、インビザライン矯正の大きなメリットでしょう。

虫歯治療や抜歯

インビザライン矯正を始める前に、虫歯治療が必要になる場合があります。虫歯治療は歯列矯正とは直接関係のない治療なので、保険で治療することも可能です。矯正専用の歯科医院の場合、別の歯科医院を紹介されることもあるでしょう。

費用の相場は虫歯の状態によって異なりますが、数千円程度です。虫歯の治療が終わり次第、矯正治療に移行します。

抜歯が必要な場合、虫歯や歯周病など歯科治療のための抜歯は保険が適用されます。矯正のために特に問題のない歯を抜く場合は、保険が適用されません。自費診療で5,000〜10,000円程度の費用がかかるでしょう。

治療中にかかる費用

治療中にかかる費用は、インビザライン矯正で使用するマウスピースの作製に関わる費用と、毎回の診察にかかる費用です。

マウスピースの作製

マウスピースの作製にかかる費用の相場は600,000〜1,000,000円です。

上述したようにインビザライン矯正では、クリンチェックというソフトによって治療開始から終了までのシミュレーションを行います。一度の歯型の採取で治療終了までに必要なマウスピースをすべて作製します。

診察

インビザライン矯正を開始したら、定期的に歯科医院で治療の進み具合をチェックしなければなりません。1〜2か月に一度の通院が一般的で、1回の診察にかかる費用の相場は3,000〜10,000円程度です。

歯科医院によって異なるので、カウンセリングの際などに確認しましょう。

インビザライン矯正では、1日20〜22時間マウスピースを装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら矯正治療を進めます。基本的にご自身で進めなければなりませんが、マウスピースの装着時間や交換時期が守られていないと、計画どおりに矯正治療が進みません。

診察の際は、矯正治療の進み具合をチェックし、必要な場合はマウスピースを追加するなど、治療計画を修正することもあります。

治療後にかかる費用

治療後とは、歯を並べ終わったあとの保定期間を指します。

矯正治療では、歯を動かす「動的治療期間」と、動かした歯の位置を固定させるための「保定期間」が必要です。保定期間は、一般的に矯正にかかった期間と同程度とされています。歯を動かすのに1年半かかった場合は、保定期間も1年半程度です。

保定期間は、リテーナーという保定装置を装着する必要があります。保定装置の作製にかかる費用の相場は、10,000〜60,000円程度でしょう。

保定期間中も定期的に受診する必要があり、1回の診療あたり3,000〜5,000円の費用がかかります。保定期間中の通院は、矯正治療中と比較して頻度が減るのが一般的です。

インビザライン矯正は保険が適用される?

資料を見ながら電卓を使う女性医師

インビザライン矯正は、保険が適用されません。歯列矯正は病気の治療ではないので、どのような治療でも基本的に自費治療になります。

例外的に、先天的な顎変形症などで矯正治療を行う場合は保険が適用されますが、大掛かりな手術が必要な症例が多いのでインビザライン矯正のみで改善することは難しいでしょう。大学病院などの大きな病院と連携して行われることが多いです。

インビザライン矯正は医療費控除の対象になる?

医療費控除の書類を虫眼鏡で拡大する

インビザライン矯正は、医療費控除の対象になることがあります。

医療費控除とは、1年間にかかった医療費が100,000円を超えた場合に受けられる、所得控除の制度です。対象になる場合は、確定申告の際に申請すれば還付金を受け取れます。

インビザライン矯正の費用が直接安くなるわけではありませんが、結果的に治療費を抑えられるでしょう。

インビザライン矯正で医療費控除を受ける場合は、注意する点があります。

見た目を美しくするための審美性の改善を目的とした矯正治療の場合、医療費控除の対象にはなりません。咀嚼や噛み合わせの改善など、機能の回復が目的の場合は医療費控除の対象になります。

インビザライン矯正の費用を安くする方法

顎に手を当てて考える女性

インビザライン矯正の費用を安くする方法はありませんが、歯科医院によって金額が異なるため、費用の安い歯科医院を選べばインビザライン矯正の費用は安くなります。

しかし、「費用が安い歯科医院」が「相性のよい歯科医院」とは限りません。インビザライン矯正は費用と時間がかかる治療です。費用の安さだけで歯科医院を選ぶのはあまり推奨できません。

必要以上に費用がかからないように、以下の点に注意しましょう。

マウスピースの装着時間と交換時期を守る

インビザラインは、自己管理が重要な矯正治療です。計画どおりに治療を進めるには、マウスピースの装着時間・交換時期をしっかりと守らなければなりません。

装着時間・交換時期を守らないと、治療計画を立て直す、マウスピースを追加で作製するなど、本来必要なかった費用がかかります。

トラブルがあった場合はすぐに連絡する

マウスピースがうまくはまらない、装着時間を守れなかったなど、問題が起きた場合はすぐに連絡して、歯科医師の指示を受けましょう。

インビザライン矯正では、マウスピースと歯の密着度を高めるためにアタッチメントという突起を装着することがあります。装着したアタッチメントが外れた場合や、マウスピースが破損した場合など、矯正装置にトラブルがあったときも計画どおりに治療が進まなくなるかもしれません。早めに歯科医院に連絡し、受診する必要があります。

すぐに歯科医院を受診すれば、治療計画が乱れて余計な費用がかかることを防げるでしょう。

まとめ

インビザラインのマウスピースを持って笑う女性

インビザライン矯正にかかる費用は、600,000〜1,000,000円が相場です。

矯正装置の費用以外に、矯正前のカウンセリングや検査、矯正中の診察、矯正後の保定装置などに費用がかかります。これらの費用は歯科医院によって異なります。すべて含めた金額を設定している歯科医院もあれば、診察のたびに支払う歯科医院もあるでしょう。治療開始前に確認することが重要です。

インビザライン矯正は、決して安い治療ではありません。インビザライン矯正を検討している場合は、カウンセリングを受けて費用について詳しく確認してください。

インビザライン矯正に興味がある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインですきっ歯を矯正!費用も解説!

2023年9月25日
インビザラインを専用のケースに収納する

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯と歯の間にすき間があるすきっ歯は、機能的にも審美的にもさまざまな問題があります。すきっ歯に悩む方のなかには、インビザラインで矯正したいと考える方も多いでしょう。

今回は、すきっ歯の概要や、インビザラインでのすきっ歯の矯正治療について解説します。すきっ歯でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

すきっ歯とは?

顎に手を当てて考える女性

すきっ歯は、歯と歯の間にすき間がある歯並びのことです。本来、歯は隣の歯と接触しており、すき間はフロスを通そうとしたときに少し抵抗がある程度しかありません。

すきっ歯では歯と歯の間が広く空いています。食べ物が詰まりやすい、噛み合わせが悪くなるなどの悪影響があるでしょう。

すきっ歯は正式には空隙歯列(くうげきしれつ)といい、なかでも上の前歯にすき間がある場合、正中離開(せいちゅうりかい)とよばれます。

こどものすきっ歯を心配する保護者の方は多いでしょう。5歳未満のお子さまで、乳歯が並んでいるときのすきっ歯は正常な歯並びであるため、心配しなくても問題ありません。

乳歯は永久歯に比べて小さく、本数が少ないです。そのため、乳歯列における歯と歯の間にあるすき間は、あとから生える永久歯がきれいに並ぶために必要なスペースといえます。

すきっ歯になる原因

CAUSEと書かれた木のブロック

すきっ歯になる原因は、以下のとおりです。

歯のサイズが小さい

生まれつき歯のサイズが小さい場合や、歯に対して顎のサイズが大きい場合、すきっ歯になりやすいです。特に、歯の形態異常の一つである矮小歯は、歯の頭部分(歯茎から見える部分)が通常よりも非常に小さいため、すきっ歯の原因になります。

歯の本数が少ない、または多い

本来生えてくるはずの歯の本数と、実際に生えた本数が異なる場合、すきっ歯になることがあります。

本来、永久歯は上下合わせて28本です。先天的に永久歯が欠損している場合や、過剰に生える場合があります。

歯が生まれつき足りない場合や歯茎の中に埋まっている場合は、本来歯があるべきところにすき間が生まれ、すきっ歯になるでしょう。本来歯が生えてこない場所に生えてくる過剰歯は、上の前歯の真ん中あたりに存在するケースが多いです。前歯が過剰歯に押されて本来の位置に生えることができず、前歯の間が空いて正中離開の原因になります。

過剰歯は歯茎の中に埋まったままのこともあるため、レントゲン写真で確認する必要があるでしょう。

上唇小帯の位置が低い

上唇小帯が前歯の近くまで下がっている場合、正中離開の原因になります。上唇小帯は上唇の裏側と歯茎をつなぐ筋で、上唇を引っ張ったときに裏側に見えるヒダのようなものです。

通常、上唇小帯は歯茎の上のほうにあるため、歯並びに影響しません。

しかし、上唇小帯が過剰に発達して上の前歯の近くまで伸びている場合があります。前歯が上唇小帯を避けるように生え、すき間が生じるのです。

歯並びに影響を与える癖がある

日常的に歯並びに影響を与える癖を行うと、すきっ歯につながります。特に、舌を前歯に押し付ける、歯のすき間に舌を入れるなどの癖は、歯と歯の間にすき間を作るでしょう。

下唇を噛む、指しゃぶりをする、頬杖をつく、咀嚼時に前歯に舌を押し付ける、爪を噛むなどの癖も、歯並びに悪影響を与えます。早期に改善するのが望ましいでしょう。

歯ぎしりの癖がある

就寝時に歯ぎしりをする癖があると、歯に大きな負担がかかって歯が移動しやすくなります。無意識に行われる歯ぎしりは、食事のときの何倍もの負荷をかけるとされており、自分の体重以上の力が歯や顎にかかります。歯が削れる、歯が移動するなど、すき間が生じることがあるでしょう。

就寝中の歯ぎしりは、自覚がない方も多いです。起きたときに顎や歯が重く感じる方は、歯ぎしりをしているかもしれません。歯科医院で口内を確認してもらいましょう。

歯を失ったまま放置した

歯周病や虫歯などによって歯を失ったあと、そのまま放置するとすきっ歯になる可能性があります。歯を失って生まれたすき間に、周囲の歯が移動することがあるからです。

歯を失ったまま放置すると、噛み合わせにも不具合が出るリスクがあります。歯を失った場合はブリッジや入れ歯などで歯を補いましょう。

加齢で歯茎が下がった

加齢に伴って歯茎が下がることで、歯のすき間が目立つようになるケースがあります。歯が動いたわけではありませんが、歯茎が痩せて歯の露出部分が増加することによって、歯の根元のすき間が目立つようになります。

年齢とともにすきっ歯が目立つようになった方は、歯茎の状態を確認してもらうとよいでしょう。

すきっ歯をそのままにするリスク

riskと書かれた木のブロックが積まれている

すきっ歯をそのままにするリスクは、以下のとおりです。

胃腸に負担がかかる

噛み合わせが悪いと、食べ物を小さく咀嚼できません。適切なサイズにならないまま飲み込むので、胃腸への負担が大きくなります。

特に正中離開がある場合、前歯で噛み切るのが難しくなるでしょう。食べにくいと感じることから、食事を楽しめなくなる可能性があります。

歯周病や虫歯になりやすい

すきっ歯の状態では、歯と歯の間のすき間が大きく食べ物が詰まりやすいです。歯周病や虫歯のリスクが高まるでしょう。

発音に影響が出る

歯と歯の間のすき間から空気が漏れ出ることで、明瞭な発音がしにくい場合があります。特にサ行とタ行に影響が出る方が多いです。

コンプレックスの原因になる

すきっ歯は、笑ったときや口を開けたときに目立つため、コンプレックスの原因になることがあります。見た目への自信を失い、人とコミュニケーションを取ることを避けるようになる方もいるでしょう。

インビザラインですきっ歯は治せる?

マウスピースを装着しようとする女性

すきっ歯は、インビザラインで治せます。インビザラインは、柔らかい透明なマウスピースを1日20〜22時間装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで理想の歯並びを目指す治療です。矯正治療中であることが目立ちにくく、患者様自身で取り外しが可能なことから人気があります。

ただし、重度のすきっ歯はインビザラインで治せないケースもあります。インビザラインで治せない場合は、ワイヤー矯正との併用やワイヤー矯正単体で治療を行うでしょう。

インビザラインですきっ歯を治すための期間

机に置かれたカレンダーと白い時計

インビザラインですきっ歯を治すための期間は、1~3年ほどです。

部分矯正で治せる場合は数か月~1年半程度の短い期間で治療できるでしょう。全体的な歯並びや噛み合わせの調整が必要な場合は、3年程度必要になります。

また、インビザラインは装着時間が短いと効果を十分に発揮できません。歯科医師の指示どおりにマウスピースを装着しないと、治療期間が延びることがあるため注意しましょう。

インビザラインですきっ歯を治すための費用

机に置かれた茶色い手帳と白い電卓

インビザラインですきっ歯を治すための費用は、300,000〜1,000,000円が相場です。

症状が軽度な場合は使用するマウスピースの枚数が少ないので、費用も抑えられるでしょう。全体的な歯並びから改善しなければならない場合、費用が高くなります。

実際にかかる費用は、患者様の歯並びや噛み合わせの状態で大きく変動します。歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。

また、矯正治療は保険が適用されない自由診療のため、歯科医院によっても費用が異なります。同じインビザラインでも治療にかかる費用が異なるため、あらかじめ詳しく料金体系を確認しましょう。

まとめ

マウスピースを手に持って笑う女性

インビザラインですきっ歯の治療は可能です。

しかし、重度の症例ではインビザラインだけでの治療が難しく、ワイヤー矯正の併用などが必要になる場合もあるでしょう。ワイヤー矯正単体で治療したほうがよい場合もあります。

すきっ歯をそのままにすると見た目だけではなく、胃腸に負担がかかる、歯周病や虫歯になりやすくなる、発音に影響が出るなど、さまざまな問題が生じるかもしれません。すきっ歯であることをコンプレックスに感じ、コミュニケーションに支障が出る方もいます。

すきっ歯でお悩みの方は、歯科医院で相談するとよいでしょう。ご自身に合った治療を選択肢、歯並びを整えてください。

インビザラインでのすきっ歯の治療を検討している方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

入れ歯の値段はどれくらい?保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いも解説

2023年9月11日
入れ歯

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯を失ってしまって入れ歯を入れることになった場合、費用はどのくらいかかるのか、またどのような入れ歯があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。入れ歯には、保険で作ることができる入れ歯と、自費の入れ歯があります。

今回は、さまざまなタイプの入れ歯について、費用から特徴まで詳しく解説していきます。

保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いとは?

メリットとデメリット

保険治療は最低限の医療を提供するための仕組みで、保険の入れ歯は決められた材料・素材によるものです。また、治療工程もおよそ決められたものです。

それに対し、自費の入れ歯は、さまざまな材料から自由に選択することができ、多種多様なものがあります。

それぞれの特徴を、メリットとデメリットを踏まえて解説します。

保険の入れ歯の特徴

プラスチックの床(しょう)の上に、プラスチック製の人工の歯を並べた作りです。

部分入れ歯の場合には「クラスプ」という金属のバネを周囲の歯に引っ掛けることで固定します。総入れ歯の場合には、床(しょう)部分を粘膜に吸着させることで固定する仕組みで、上顎の場合は口蓋(こうがい)※を大きく覆う形です。

※口蓋とは、口の中の上顎の壁のことを指します。鼻腔との境になっており、前方の約2/3は骨があるため硬く、後方1/3は柔らかい粘膜組織です。

保険の入れ歯のメリットとデメリット

<メリット>
・費用が安価
・製作期間が短い

<デメリット>
・床(しょう)に厚みがあるため、違和感や異物感が気になることがある
・床に厚みがありプラスチック製のため、食べ物の熱を感じにくい
・入れ歯に臭いがつきやすく口臭の原因になりやすい
・天然の歯に比べて、噛む力が1/3〜1/10程度にまで低下してしまう
・保険の決まりにより、入れ歯を作ってから半年経過しなくては、新しい入れ歯を作ることができない

保険の入れ歯は、安価で簡単に作ることができますが、使用感などのデメリットが多いです。

自費の入れ歯の特徴

自費の入れ歯の場合には、保険適用では使用できないゴールドやコバルトクロムなどの金属を使うことや、弾力性のある材質を選択することができるなど、材料や素材を周囲の歯に合わせて自由に選ぶことができます。

入れ歯の固定方法も、マグネット式や被せ物のように固定するもの、インプラントを利用して固定するものなど、さまざまです。

自費の入れ歯の場合は、使用感や見た目にこだわった使い心地のよい入れ歯を製作することができます。

自費の入れ歯のメリットとデメリット

<メリット>
・目立たず、見た目のよい入れ歯を作ることができる
・違和感や異物感の少ない入れ歯を作ることができる
・ズレることや動くことの少ない、安定した入れ歯を作ることができる

これらのメリットのように、ご自身の希望に合った特注の入れ歯を作ることができます。

<デメリット>
・費用が高価
・製作に時間がかかる場合がある

【保険】入れ歯の種類・値段

保険の記載用紙

保険適用の入れ歯は、1種類しかありません。人工歯の部分と粘膜の上にのる床(しょう)の部分共に、プラスチック製です。部分入れ歯の場合は、歯に引っ掛けて固定するためのクラスプがあります。

費用は保険の自己負担割合によりますが、3割負担の場合、部分入れ歯では3,600〜7,500円程度、総入れ歯では9,000円程度です。

【自費】入れ歯の種類・値段

握手する歯科医と患者

自費の入れ歯の場合は、自分に合った特注の入れ歯を作ることができるので、種類が非常に多いです。

代表的な入れ歯の種類について、特徴や値段を紹介していきます。値段は、自費の場合は歯科医院ごとに設定しているため目安にしてください。また、ご自身の歯がどのくらい残っているかによって入れ歯の大きさに差があるため、費用も異なります。

金属床義歯

入れ歯の床(しょう)部分に金属を使ったものです。正面から見えるところはピンク色のプラスチックでできていますが、裏側や口蓋の部分は薄い金属のフレームでできています。厚みがないので異物感や違和感が少なく、密着性が高いのでフィットしやすいことが特徴です。

また、プラスチックと比べて熱が伝わりやすいので、温かいものや冷たいものをおいしく食べることができます。金属アレルギーの場合は、アレルギー状況に合わせてチタンなどのアレルギーが起こりにくい金属を選ぶことができます。

値段の相場は、10万〜60万円です。

マグネットデンチャー(磁性アタッチメント義歯)

入れ歯と残っている歯の部分に磁石を取り付けて、磁力で入れ歯を固定させる義歯です。磁石の力で入れ歯を安定させるので、金属のバネを取り付けなくても済みます。入れ歯とご自身の歯の側に磁石を取り付けなくてはならないので、取り付ける歯がなくてはなりません。

のちほどご紹介しますが、歯がまったく残っていなくても、インプラントを利用してマグネットデンチャーにする方法もあります。

値段の相場は、20万〜60万円です。

コーヌスクローネ(コーヌス義歯)

残っている歯に金属冠(内冠)を被せ、その上から入れ歯を装着するタイプの義歯です。義歯のほうには金属冠の外冠にあたる部分が組み込まれています。

内冠と外冠がピッタリと重なって、入れ歯が外れない仕組みです。外れにくく安定感があるので、しっかり噛める入れ歯といえます。

値段の相場は、10万円〜60万円です。

シリコーン義歯(コンフォート義歯)

床の一部がシリコンでできている入れ歯です。粘膜と接する面がシリコンでできているため、入れ歯の歯茎にかかる圧力が軽減されます。痛みが出にくいのが特徴です。

ただし、シリコン部分に汚れがつきやすく、経年劣化でシリコンが剥がれてしまうことがあります。

値段の相場は、10万〜60万円です。

ノンクラスプデンチャー

部分入れ歯の、金属のバネ(クラスプ)のない義歯です。金属のバネの代わりに、歯茎に近い色の樹脂でできた床を伸ばしたような形態をしています。

装着した際に自然な見た目になり、入れ歯を装着していることに気づかれにくいのが特徴です。金属に比べると耐久性が落ちますが、審美的に優れています。

値段の相場は、10万〜30万円です。

インプラントデンチャー(インプラントオーバーデンチャー)

総入れ歯・部分入れ歯の両方に可能な入れ歯です。数本のインプラントを埋入し、残った歯とインプラントで入れ歯を固定し安定させる方法です。インプラントと入れ歯を維持させるために「ロケーターアタッチメント」というパーツで固定させます。入れ歯の内面は凹タイプのアタッチメント、インプラント側は凸タイプのアタッチメントを用います。

失った歯の1本1本をインプラントにする必要がなく、少ないインプラントの本数で義歯を固定することができます。先にご紹介したマグネットデンチャーのように、インプラントにマグネットを取り付ける方法もあります。

インプラントデンチャーは手術が必要なので、治療期間が長くなります。

値段の相場は、50万〜200万円です。インプラントの手術料金が入るため費用は高額です。埋入するインプラントの本数によって料金が異なるため、大きく差があります。

まとめ

歯を指さして笑顔の女性
入れ歯には、保険内で製作する入れ歯と自費の入れ歯があります。
保険内で製作する入れ歯は安価ですが、材料や素材が決められているため、決められた形の入れ歯しか作ることができません。

一方で、自費の入れ歯は高額ですが、材料や素材を自由に選ぶことができ、装着感や使用感、見た目など、希望に合わせた入れ歯を製作することができます。値段は10万円程度のものから100万円以上のものまで、さまざまです。

入れ歯は毎日使うものです。値段や特徴を踏まえたうえで、どのような入れ歯にするのか検討するのがよいでしょう。

入れ歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインで開咬(オープンバイト)は治せる?費用も解説!

2023年6月25日
インビザラインを持って親指を立てる女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインで開咬(オープンバイト)は治せます。インビザラインは、歯を歯茎に押す動きや歯を傾斜させる動きが得意です。そのため、奥歯の高さを低くし、前歯を後方に移動させることで開咬を治せる確率が高まります。

今回は、インビザラインで開咬を治す方法や費用について解説します。

開咬(オープンバイト)とは

オープンバイトの男性

開咬(オープンバイト)とは、奥歯は噛んでいても上下の前歯がお互いに接触せず、隙間ができる噛み合わせ異常のことです。噛む、話す、笑うといった基本的な口元の動きに影響を及ぼす可能性があります。

開咬の原因は、顔の骨の成長パターン、遺伝、または子ども時代の習慣などさまざまです。特に、子どものころの習慣は顎や歯の成長を妨げ、適切な噛み合わせができなくなることがあります。

開咬を改善するためには、歯科矯正や顎の手術などが必要です。

開咬の原因

疑問をもつナース

開咬の原因は、遺伝による先天的な原因と、子どものころの癖や習慣による後天的な原因が挙げられます。

遺伝によるもの

開咬は、遺伝的要因によって発生する場合があります。生まれつき、顎の骨の形状が正常な噛み合わせと異なる形態になっている場合、開咬になる可能性があるのです。

一般的に、開咬は骨格の問題と関連しています。下顎角(エラの角度)が大きく開いている場合、あるいは後方に回転している場合、または上顎が通常よりも上方に位置している場合は、開咬を引き起こしやすいです。

さらに、成長過程での問題も開咬の発生に関係しています。たとえば、幼少期の成長過程で下顎骨の成長する方向が適切でなかったり下顎骨の成長が不十分だったりすると、開咬を引き起こす可能性があります。

指しゃぶり

長期にわたる指しゃぶりは、開咬の発生リスクを増大させることがあります。指しゃぶりにより指が上顎の歯の裏側に押し当てられ、持続的な圧力が加わるためです。この圧力は歯並びに影響を及ぼし、開咬を引き起こす可能性があります。

3〜4歳までの指しゃぶりは、一般的に幼児期の自然な行為とされ、ほとんどのケースでは問題にはなりません。

しかし、この行為を放置し続けると、指を吸う力により上顎の歯列が前方や上方に押し出される可能性があります。指しゃぶりによる歯列への圧力は、上顎と下顎の噛み合わせにズレを生じさせ、結果として開咬につながることがあります。

口呼吸

鼻炎、扁桃肥大、咽頭扁桃(アデノイド)肥大など、鼻呼吸が困難になる状況が続き、持続的に口呼吸になっている場合、開咬のリスクを高める可能性があります。口呼吸は、舌の位置が下がり(低位舌)、舌先が下の前歯に頻繁に接触する状態になります。

舌の先端は、上の前歯に接触している状態が正常です。舌が下顎に落ちている場合、食べ物を飲み込む際、舌が下の前歯を押しやすくなります。この前歯を押す圧力が歯並びに影響を及ぼし、開咬の発生リスクを増大させるのです。

口呼吸になっている場合は、鼻呼吸を意識する必要があります。鼻炎などで鼻呼吸ができない場合は、早めに治療を受けることが大切です。

舌の癖

舌の癖によって開咬になる場合もあります。たとえば、日常的に舌で前歯を押し出す癖や上下の歯の間に舌を挟む癖が挙げられるでしょう。

これらの舌の癖が原因で生じる圧力が、長時間にわたり歯にかかると、歯が前方に倒れやすくなります。前歯が前方に倒れると上下の前歯に隙間ができやすく、開咬になる可能性があります。

舌の癖は、早期に改善しなければ、開咬だけでなく出っ歯やすきっ歯など、さまざまな歯列異常や噛み合わせ異常を引き起こすため注意が必要です。

開咬を放置してしまうと

絶望し頭を抱える女性

開咬を放置すると機能面で問題が発生し、口内だけでなく、胃腸など全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

虫歯や歯周病になりやすい

開咬は口を閉じることができないため、口内の乾燥を引き起こします。口内の乾燥は、細菌が増殖しやすくなるため、虫歯や歯周病になるリスクが高まるのです。

口内が乾燥する原因には、唾液量の減少が関係しています。唾液の分泌は、口内の健康を保つために非常に重要です。唾液は口内を清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぐ役割があるため、唾液の量が減少するとさまざまな問題を引き起こします。乾燥によって細菌が増えると、虫歯や歯周病だけでなく、口臭を引き起こす可能性も高まります。

発音に影響する

開咬は放置すると、滑舌や発音に影響を及ぼす可能性があります。開咬では上下の前歯が接触しないため隙間が生じるのです。話すときに隙間から息が漏れることがあり、はっきりと発音できなくなることがあります。

さらに、上下の歯の隙間が大きいと、舌が前方へ滑り出しやすい状態になります。結果、舌足らずな話し方を引き起こすことがあり、コミュニケーションに支障をきたすこともあるでしょう。

顎関節症になりやすい

開咬が放置されると、顎関節症のリスクが高まる可能性があります。開咬は、一部の歯だけで食べ物を噛んでしまうため不適切な噛み合わせが生じ、顎関節に過度な負担をかけるからです。

顎関節症は顎の関節部分の異常を指し、これによってさまざまな問題が引き起こされます。たとえば、口を大きく開けるのが困難になったり、噛むときに痛みを感じたり、顎から異音がするなどです。また、体調不良やストレスなどの不定愁訴も引き起こすことがあります。これらは日常生活に大きな影響を及ぼし、生活の質を著しく下げる可能性があります。

歯の寿命が短くなる

開咬を放置することで、歯の寿命を縮めるリスクが高まる場合があります。開咬の場合、前歯が接触しないため、食事の際は特定の歯のみで噛むことになります。通常、全体の歯に圧力が分散されるのに対して、開咬は特定の歯に異常な負担がかかるからです。

一部の歯に集中して負担がかかるため、ほかの歯と比べて割れたり欠けたりすることが多くなるなど、消耗が早くなります。結果、早期に歯を失う原因にもなるでしょう。

胃腸に負担がかかりやすい

開咬などの噛み合わせの異常は、胃腸の健康にも影響を及ぼす可能性があります。開咬により前歯がきちんと噛み合わないため、食べ物を適切に噛み砕くことが困難になります。十分にすりつぶさないまま飲み込むことで、食べ物の大きな塊が直接胃や腸に送られることになり、消化の過程で過度な負担をかけることになるのです。

食物の消化や吸収に時間がかかるようになり、胃や腸が長時間にわたって働き続けることになり、胃腸障害を引き起こす可能性が高まります。

インビザラインで開咬は治せる?

インビザラインを装着する女性

インビザラインで開咬は治せます。

インビザラインが効果的な理由の一つに「圧下」という技術を使用できることが挙げられます。

「圧下」は、歯を歯茎側に沈ませる動きのことで、ワイヤー矯正では困難な矯正方法です。インビザラインは、常に噛み合わせの面を覆うマウスピースを使用します。このマウスピースの厚みにより、歯に圧力をかけて「圧下」を実現するのです。

さらに、インビザラインは前歯を後方に移動させる動きにも優れています。開咬では前歯が開いている状態ですが、インビザラインを使うことにより、前歯をスムーズに舌側に引き込むことが可能になります。

インビザラインによる開咬の治療法

モニターを使って患者に説明する医師

インビザラインによる開咬の治療法は、前歯を後方に傾斜させる方法と、奥歯の高さを低くする「圧下」の2種類の動きを利用して矯正する方法があります。

インビザラインは、開咬の治療において前歯の位置を調整することで効果を発揮します。

開咬の患者さまは、前歯が前方へ倒れてしまっているケースが多く見られます。そのため、治療の主な目標は前歯を内側に傾斜させることです。この動きを通じて前歯の位置が改善され、噛み合わせが改善されるのです。これにより、噛み合っていなかった前歯が噛み合うようになり、開咬の症状を改善することが可能です。

また、圧下で奥歯の高さを低くすることで、前歯の接触を実現します。

しかし、圧下は顎関節に過度な負荷をかけ、顎関節症のリスクを高める可能性があります。顎関節症の発症を避けるためには、前歯の位置調整が重要です。

インビザラインで開咬を治すためにかかる費用

お金と聴診器と電卓

インビザライン治療は自費診療のため、費用は歯科医院によって異なります。一般的にインビザラインで開咬を治す場合、治療費は70〜100万円程度が相場です。

しかし、患者さんの口腔内の状態によっては、さらに治療費用が増えることがあります。

たとえば、舌の癖などがある場合、インビザラインの治療と並行して筋機能療法も必要になることがあります。筋機能療法は、舌や口唇などの筋肉の動きを改善することで、悪い噛み合わせを修正する治療法です。筋機能療法が必要な場合、治療期間は長くなり、それに伴って費用も増加する可能性があります。

舌の癖を治さなければ、矯正して改善した噛み合わせが時間とともに元に戻ってしまう可能性が高いでしょう。そのため、全体的な治療費は、患者さんの口腔内の状態や必要な治療方法によって変わります。

まとめ

親指を立て合う患者と医師たち

インビザラインで開咬は治せます。インビザラインは、歯を歯茎に押し込む動きや歯を傾斜させる動きが可能です。開咬の場合、奥歯の高さを低くし、上の前歯を後方に動かすことで、上下前歯の隙間を改善します。

しかし、重度の開咬の場合、インビザラインだけでは矯正が難しいこともあり、ワイヤー矯正との併用が必要です。また、骨格に問題がある場合は矯正装置だけでは改善が困難なため、外科手術が必要になる可能性があります。

開咬(オープンバイト)についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインで正中のずれは治せる?正中がずれる原因や治療期間、費用も詳しく解説!

2023年2月1日
綺麗な歯並びの女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインで正中のずれは治せます。

ただし、症例によってはワイヤー矯正や手術との併用が必要になる場合もあります。正中のずれは審美性に大きく影響するため、可能な限り真ん中に合わせたいと思う方も多いでしょう。

今回は、正中がずれる原因とインビザライン治療における治療期間と費用について解説します。

正中とは?

歯の模型を使って説明をする歯科医師

歯科でいう正中とは、歯を噛み合わせたときの上下の前歯の真ん中を指します。正面から見たときに、鼻筋と上下の前歯の真ん中が一直線につながっている状態が美しいとされています。

特に、上顎の正中が鼻筋とずれていると顔が歪んだ印象に見えます。人間の顔や体は左右対称と思われがちですが、完全に左右対称の方はほとんどいません。生まれつきの特性だけでなく、歩き方の癖や姿勢によって体のバランスは悪くなります。歯も同様で、噛み方の癖などがある場合は、左右の歯や顎のバランスが崩れやすくなります。

正中がずれる原因

顎の骨のレントゲン写真

正中がずれる原因は、先天的と後天的に分けられます。また、歯の生え方によるものと、顎の骨が非対称な場合の2パターンあります。正中がずれる原因は、以下の6つです。

歯の数が少ない

通常、永久歯は28本で、親知らずを含めると32本あります。先天性欠如歯といわれる、生まれつき歯の本数が1〜2本少ない方がいます。歯の本数が少ない場合、左右の生え方のバランスが崩れ、正中がずれやすくなります。また、歯の本数が少ないと歯茎にスペースが余ってしまうため、全体的に歯並びが悪くなる傾向があります。

歯の大きさが左右で異なる

左右の歯を比べて大きさが非対称の場合、均等に生えそろうことが難しいため、正中がずれる原因になります。左右の目の大きさが若干違うように、歯の大きさにも差が出ることがあります。例えば、片側だけに八重歯が生えている場合は左右でバランスが崩れるため、正中にずれが生じやすくなるのです。

噛み合わせが悪い

奥歯の噛み合わせが悪い場合も、正中がずれる原因の一つです。重度の出っ歯や受け口、歯の生える方向がバラバラな場合も、正中がずれやすくなります。

顎の骨のバランスが悪い

顎の骨は歯を支える土台となるため、顎の骨のバランスが悪いと歯並びにも影響します。上下の顎の骨が歪んでいると、歯の正中も中心からずれてしまいます。また、歯に対して顎のサイズが極端に大きかったり小さかったりすると、正中のずれが起きやすいです。

顎の骨は遺伝によるものが多いですが、次の項目で説明する日頃の癖でも顎の形が変形することがあります。顎が大きく歪んでいる場合、無理に正中を合わせてしまうと、かえって顔のバランスが崩れ、噛み合わせが悪くなるリスクがあります。顎の骨に問題がある場合は、歯科矯正だけでなく、骨格を調整する手術も必要になります。

日頃の癖によるもの

日頃の癖によって顎の骨がずれやすくなることがあります。以下の癖があてはまる方は注意が必要です。

・片側ばかりで噛む

・頬杖をつく

・いつも同じ側を下にして寝る

食事の際に左右どちらかに集中して噛んでいると、片側のみに負担がかかり顎のバランスが崩れやすくなります。頬杖をついたり、就寝時に同じ側ばかりを下にして寝ていたりすると、片側の顎に負担がかかり正中がずれる原因になります。

歯科矯正の影響

生まれつき歯が少ない方や抜歯した方などは、歯科矯正を受けても基本的に正中は合いません。歯科矯正は噛み合わせを重視することが多いので、奥歯に合わせることにより正中がずれる可能性があります。

正中のずれを放置することによるリスク

青い背景にRISKという文字の中に赤いハシゴがかけられている

正中のずれは見た目に影響するだけでなく、さまざまなリスクがあります。以下に、正中のずれを放置することによるリスクについて説明します。

顔の歪みにつながる

正中のずれが2mm以上ある場合、顔の歪みが目立ちます。もともと顔が完全に左右非対称のかたは極めて少ないとお伝えしましたが、正中がずれていると、顔が左右非対称であることにくわえて歪みにつながることがあるのです。上下の前歯だけでなく鼻筋からも正中が大きくずれている場合は、顔の歪みが目立ち、見た目にも大きく影響します。

噛み合わせに問題が生じる

正中がずれていると、上下の歯が正常に噛み合っていないことが考えられます。噛み合わせが悪いと、食べ物をすりつぶすことが難しくなり、胃腸への負担が大きくなります。食べ物を十分に噛み砕かずに大きいまま飲み込むと、消化不良を起こすこともあるでしょう。

さらに、正中がずれていると前歯で噛む力が弱くなることがあります。奥歯ばかりを使うと負担が大きくなるため、歯の消耗が激しくなる可能性が考えられます。同じ歯を酷使していると、将来的に歯が欠けたり割れたりすることがあるので、咀嚼する際は全体の歯を均等に使うようにしましょう。

顎関節症の発症リスクが高くなる

顎が原因で正中がずれている場合は、顎に負担がかかりやすい状態のため、顎関節症を発症するリスクが高くなります。顎関節症を発症すると「口を大きく開けられない」「口を開けると痛い、音が鳴る」などの症状が現れます。また、重度の顎関節症になると手術が必要になる場合もあります。

インビザラインで正中のずれは治せる?

水色の台の上に2つのマウスピースが置かれている

インビザラインで正中のずれは治せますが、歯の生え方が原因の場合に限ります。正中のずれが数mm以内なら許容範囲内とされています。顎の骨に問題がある場合は、インビザラインだけでの改善は難しいため、矯正にくわえて骨格改善の手術が必要です。また、正中のずれが重度で抜歯が必要になる場合は、インビザラインの適用は難しいでしょう。

正中のずれが軽度の場合はインビザラインで治療できますが、上記のようにすべての症例に対応しているわけではないので確認が必要です。歯そのものが曲がっていたり、正中だけでなく全体の歯並びが極端に悪かったりする場合は、ワイヤー矯正との併用が必要になる可能性があります。

インビザラインは、治療前にシミュレーション動画を作成して治療結果を予測します。ワイヤー矯正の場合は、実際に歯を動かしてみないと、どこまで正中を合わせることができるかが不明というデメリットがあります。一方、インビザラインであれば、シミュレーション動画によって、事前に正中のずれを治せるかどうかを知ることができます。また、一度のインビザライン治療で正中のずれを治せなかった場合でも、マウスピースを作り直して治療を継続することができます。

しかし、インビザラインで治療をしても正中がずれたままになる場合があるということに注意が必要です。正中が鼻筋から前歯の上下まで垂直になっている場合は審美性が高いですが、必ずしも「正中が真ん中であることが、噛み合わせがよいことである」とは限りません。噛み合わせを正しい位置に合わせたら、正中がまっすぐにそろわない場合もあります。インビザライン治療において、正中のずれがある場合はできる限り合わせるように治療を進めますが、真ん中でそろうようにすることで噛み合わせが悪化する場合は、噛み合わせのよさを優先することがほとんどです。

正中を合わせるためにインビザライン治療を受けたにもかかわらず、正中がずれたまま治療が終わってしまっては本末転倒です。このような事態を避けるには、治療前に歯科医師とのすり合わせが重要といえます。

インビザラインで正中のずれを治すためにかかる期間・費用

水色の台の上に木の時計と黄色いペン、黒いカレンダーが置かれている

症例の度合いによって治療期間は異なりますが、約1〜2年でしょう。また、費用は自費診療のため歯科医院によって異なり、約800,000〜900,000円が相場です。

インビザライン治療の流れ

階段の絵を指で登っている

インビザライン治療は、以下の流れで行います。

  1. カウンセリング
  2. 検査
  3. 治療計画の作成
  4. 治療開始

カウンセリングは、治療内容の説明を受け、インビザラインで症状が改善されるかなど、治療に対する不安や疑問を解消するために行います。この時点で、歯科医師としっかり情報共有をしておかないと、希望していた治療効果が得られないなどのトラブルにつながります。

検査では、診断と治療計画を立てるために、レントゲンや顔写真の撮影や歯型の採取を行います。集めたデータをもとに治療計画を立てますが、インビザラインでは「クリンチェック」とよばれるソフトを使用し、シミュレーション動画を作成します。シミュレーションで予測された治療結果に納得がいけば治療を開始します。

インビザラインのマウスピースはアメリカで製作されるため、届くまでに約1か月かかります。インビザラインは、治療段階によってマウスピースを使い分け、1〜2週間で新しいマウスピースに交換する必要があるので、定期的な通院が必要です。

まとめ

黄緑の背景の前に歯鏡と歯の模型が置かれている

症例によってはインビザラインで正中のずれを治せますが、歯科矯正は、審美性だけでなく噛み合わせも考慮しなければいけないため、正中がずれたままになることもあります。インビザライン治療は治療期間が長く費用も高額になるため、納得した治療ができるよう事前に歯科医師としっかりコミュニケーションを図ることが大切です。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

 

 

【マウスピース矯正】インビザラインとアソアライナーの違いとは?

2023年1月25日
片手にマウスピースを持った白衣を着た女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

矯正治療の中でもマウスピース矯正は装置が目立ちにくく、人気があります。「矯正をするならマウスピース矯正がいい」という方もいらっしゃるでしょう。マウスピース矯正といってもさまざまな種類があります。

今回はマウスピース矯正の中でも特に人気が高いインビザラインとアソアライナーの特徴についてご説明します。2つの治療法の違いをわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

水色の台の上にマウスピースが置かれている

インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース矯正です。世界中で採用されている治療法であり、マウスピース矯正の中でもっとも主流な治療法といえるでしょう。

インビザラインの治療法

インビザライン矯正は、マウスピースを1日20〜22時間以上装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換して歯並びを整えていく治療法です。最初に印象採得した歯型をもとに、治療で使用するすべてのマウスピースを製作するため、型取りが一度で済みます。

インビザラインのメリット

インビザラインのメリットは、以下の3つです。

・型取りが一度で済む

・多くの症例に対応できる

・装置の違和感が少ない

型取りが一度で済む

インビザラインがほかのマウスピース矯正と大きく違う点は、型取りが一度で済むということです。最初の型取りの情報から治療計画を立てて、ゴールまでのマウスピースをまとめて製作します。

多くの症例に対応できる

インビザラインは多くの症例に対応できるようになり、矯正治療の中でも主流な治療法です。当初は対応できる症例が限られていましたが、現在では抜歯が必要な矯正治療にも対応できるようになりました。

しかし、実績がある歯科医院でないと難症例の対応は難しいため、歯科医院選びが重要です。

装置の違和感が少ない

インビザラインのマウスピースは歯茎は覆わず、歯だけを覆います。そのため、装置を使用しても違和感をおぼえる方は少ないです。マウスピース矯正は長時間装置を装着しなければいけない治療なので、装置の違和感が少ないのは大きなメリットといえるでしょう。

インビザラインのデメリット

インビザラインのデメリットは、歯の形状を変えられないため、虫歯に注意しなければならないことです。

インビザラインは最初の型取りで、すべての装置を製作します。そのため、途中で歯の形状が変わる虫歯治療などは行えません。歯の形状が変わらない虫歯治療であれば、矯正期間中にも行えますが、基本的にはインビザラインを行う前に虫歯治療を終わらせておく必要があります。万が一、歯の形状が変わる虫歯治療が必要になった場合、マウスピースを再度製作しなければいけません。そうなると、装置が完成するまでに時間がかかるので、治療期間も延びてしまいます。

アソアライナーとは?

歯の治療器具が水色のマスクの上に置かれている

アソアライナーもマウスピース矯正の一種です。インビザラインと同様に透明のマウスピースを使用し、歯並びを整えていきます。矯正治療後に後戻りしてしまった場合に、アソアライナーが使用されることもあります。

アソアライナーの治療法

アソアライナーは1日17時間以上装置を装着し、2週間ごとに装置を新しいものに交換して、歯並びを整えていく治療法です。アソアライナーのマウスピースは、その都度型取りを行い、製作します。

アソアライナーのメリット

アソアライナーのメリットは、以下の4つです。

・治療の正確性が高い

・矯正中の虫歯治療にも対応できる

・装置の仕上がりが早い

・比較的費用が安い

治療の正確性が高い

アソアライナーは、装置を製作するたびに型取りが必要ですが、そのときの歯並びに適したマウスピースを製作できるというメリットがあります。歯がどれくらい動いているのかを確認しながら治療を進められるため、治療の正確性が高いです。

インビザラインは、一度にすべてのマウスピースを製作するため、思わぬトラブルなどで歯の形状が変わってしまった場合、マウスピースが合わなくなってしまう可能性があります。アソアライナーは、その都度型取りをしてマウスピースを製作するため、歯の形状が変わってしまっても臨機応変に対応できます。

矯正中の虫歯治療にも対応できる

アソアライナーは、製作するたびに型取りを行うため、矯正中の虫歯治療にも対応できます。矯正期間中に虫歯治療が必要になり、歯の形状が変わってしまったとしても、治療後に再度型取りをして新しいマウスピースを製作することが可能です。

装置の仕上がりが早い

インビザラインのマウスピースはアメリカで製作されます。さらに、すべての装置をまとめて製作するため、仕上がりまで時間がかかってしまいます。その点、アソアライナーは日本国内で製作されるため、仕上がりスピードが早く、インビザラインよりも早く矯正治療をスタートできます。

比較的費用が安い

アソアライナーは、インビザラインに比べて比較的安価な傾向にあります。相場は200,000〜300,000円ほどです。

アソアライナーのデメリット

アソアライナーのデメリットは、以下の3つです。

・都度型取りが必要である

・適応症例の範囲が狭い

・違和感をおぼえやすい

都度型取りが必要である

アソアライナーは、装置を製作するために都度型取りをします。都度型取りをすることで、虫歯治療も臨機応変に対応できるメリットはありますが、型取りの多さに苦痛を感じてしまう方もいるでしょう。

適応症例の範囲が狭い

アソアライナーの適応症例は、インビザラインのように多くありません。前歯の歯並びを整えるなど、簡単な部分矯正にしか対応ができません。

違和感をおぼえやすい

インビザラインもアソアライナーも透明なマウスピースを使用するため、見た目の差はそれほどありません。

しかし、歯のみを覆うインビザラインのマウスピースに対して、アソアライナーのマウスピースは歯茎部分まで覆うため、形は大きめです。そのため、インビザラインと比較すると違和感をおぼえやすいでしょう。

インビザラインとアソアライナーを使用するうえでの注意点

キャミソールを着た女性が左手を頬に当て、右手の人差し指を立てている

インビザラインもアソアライナーも透明なマウスピースを使用した矯正治療なので、共通した注意点があります。インビザラインとアソアライナーを使用するうえでの注意点は、以下の3つです。

・装置の装着時間を守る

・装置を装着したまま飲食しない

・マウスピースの衛生管理が必要である

それぞれ詳しく解説します。

装置の装着時間を守る

インビザラインもアソアライナーも取り外しが可能なマウスピースを使用して治療を行います。決められた時間装着しなければ歯を動かすことができないため、治療が進まず、治療が失敗してしまうケースもあります。

取り外しが可能な装置を用いて矯正治療を行う場合、患者さん自身の意識が一番重要です。

装置を装着したまま飲食しない

装置を装着したまま飲食はできません。水程度なら飲むことは可能ですが、装置を装着したまま飲食をすると破損したり、不衛生な状態になってしまいます。

飲食をする際は必ず装置を外し、食後の歯磨きをしてから装着するようにしましょう。

マウスピースの衛生管理・保管が必要

歯磨きなどでマウスピースを取り外すたびに洗浄しましょう。しっかり洗浄できていないと、装置に菌が繁殖してしまうため、お口の中の環境も悪くなってしまいます。マウスピース専用の洗浄剤なども販売されていますので、装置を清潔に保つためにもぜひ活用してください。

衛生管理だけでなく、保管にも気を付けましょう。装置を外したときは、紛失防止のため、必ずマウスピースケースに保管することが大切です。

インビザラインとアソアライナーの違い

両手で比較するポーズをしている白いブラウスを着た女性

インビザラインとアソアライナーはどちらもマウスピース矯正であるため、共通点も多いですが、違う点もいくつかあります。インビザラインとアソアライナーの違いを表にまとめてみました。

〈インビザラインとアソアライナーの違い〉

インビザラインアソアライナー
装置の装着時間1日20〜22時間以上1日17時間以上
通院頻度2〜3か月に1回1か月に1回
費用幅広い症例にも対応できるため、費用が高くなる
全顎矯正の場合、700,000〜1,000,000円ほどかかる
相場は200,000〜300,000円だが、部分的な矯正に限られるため、費用は比較的安価である
違和感歯のみを覆うマウスピースのため、違和感は少ない歯と歯茎を覆うマウスピースなので、インビザラインの装置と比較すると違和感をおぼえやすい
適応症例幅広い症例に対応できる前歯の歯並びを整えるなど、部分的な矯正に限られる
型取り最初に一度だけその都度型取りが必要

インビザラインとアソアライナーどちらがいいの?

木で作られたテコが置かれている

インビザラインとアソアライナーのどちらで治療するか悩まれる方が多いですが、選択できる治療法はご自身の歯並びの状態によって異なります。全顎矯正の場合は、アソアライナーで治療できないため、インビザラインで治療することになるでしょう。

どちらの治療法でも対応できる症例の場合は、型取りをその都度行うか、一度で済ませたいかを基準に考えてみてください。一度で済ませたほうが楽ではありますが、装置が完成すると歯の形状を変えることはできません。治療中に虫歯になってしまうと、インビザラインでは歯の形状を変えられないため、できる虫歯治療は限られてしまいます。型取りが苦手な方はインビザラインのほうがいいでしょう。

また、インビザラインとアソアライナーは装置の装着時間が異なります。アソアライナーはインビザラインに比べて装着時間が短いですが、基本的にはどちらの治療でも食事と歯磨きのとき以外は装置を装着したほうがいいです。そのため、装置の装着時間で治療法を選択する必要はありません。

まとめ

マウスピースケースと歯鏡、歯形に装着されたマウスピースが置かれている

インビザラインもアソアライナーもマウスピース矯正ですが、治療法が異なります。インビザラインのマウスピースはアメリカで製作されるため、治療をスタートするまでに2か月ほどかかります。それに対して、アソアライナーのマウスピースは日本国内で製作されるため、2週間程度で完成し、インビザラインよりも早く治療を始められます。

また、インビザラインとアソアライナーは治療できる症例も大きく異なります。インビザラインは幅広い症例に対応できるのに対して、アソアライナーで治療できる症例は限られています。それぞれの特徴をよく理解して、ご自身に合ったマウスピース矯正を選択してください。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

インビザラインと裏側矯正どちらがいいの?それぞれの違いを詳しく解説!

2023年1月18日
インビザラインとワイヤー矯正が装着された歯の模型を持っている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

「装置が目立たない矯正をしたい」という方は、インビザラインか裏側矯正のどちらかで悩まれる方が多いです。どちらも矯正していることが気付かれにくいので、見た目を気にされる方にとっては嬉しい治療法です。

この記事では、インビザラインと裏側矯正の特徴をそれぞれ説明しています。治療法の選択で悩まれている方はぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

インビザラインを持っている

インビザラインとは、取り外しが可能なマウスピースを1日20〜22時間以上装着することで歯並びを整える、マウスピース矯正の中でも代表的な治療法です。使用するマウスピースは、最初にまとめて製作され、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。当初は、インビザラインで治療可能な症例は限られていましたが、ここ数年で幅広い症例にも対応できるようになりました。

インビザラインのメリットは?

インビザラインのメリットは、以下の3つです。

・装置が目立ちにくく、矯正していることが気付かれにくい

・装置を取り外せるため、お口のケアをしやすい

・違和感や痛みが少ない

それぞれを詳しく解説します。

装置が目立ちにくく、矯正していることが気付かれにくい

インビザラインの装置は透明なマウスピースなので、装着していても気付かれにくいでしょう。接客業などで見た目を気にされる方や、結婚式を控えているけどすぐに治療を始めたい方などにおすすめです。

装置を取り外せるため、お口のケアをしやすい

インビザラインは装置を取り外せるため、歯磨きなどのお口のケアをしやすいです。ワイヤー矯正は歯の表面に装置を接着しているのでブラッシングが難しく、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。その点、マウスピースはブラッシング時に装置を取り外せるため、しっかりお口のケアができます。

違和感や痛みが少ない

ワイヤー矯正はワイヤーで固定するため、調整後はしばらく締め付けられるような痛みが出ます。インビザラインは取り外しが可能なマウスピースを装着するため、締め付けられるような痛みは少ないでしょう。

しかし、まったく痛みが出ないわけではありません。歯を動かすので多少の痛みは伴います。また、ワイヤー矯正は歯の表面にたくさんの装置を接着するため、慣れるまではお口の粘膜が傷つきやすく、口内炎になってしまうこともあります。その点、マウスピースは薄いため、それほど違和感がありません。

インビザラインのデメリットは?

インビザラインにはデメリットもあります。インビザラインのデメリットは、以下の4つです。

・きちんとマウスピースを装着していないと治療が進まない

・飲食のたびにマウスピースを取り外してブラッシングをする必要がある

・紛失しやすい

・インビザラインでは治療できない症例もある

それぞれを詳しく解説します。

きちんとマウスピースを装着していないと治療が進まない

取り外しが可能な装置のため、お口のケアをしやすいメリットがありますが、きちんと装着しなければ治療が進まないというデメリットもあります。ワイヤー矯正は固定されているので、着実に歯を動かすことが可能です。インビザラインは指示された装着時間を守らずにさぼってしまうと治療が進まず、治療期間も延びてしまいます。

飲食のたびにマウスピースを取り外してブラッシングをする必要がある

インビザラインでは、マウスピースを装着したまま飲食ができません。マウスピースを装着したまま飲食をすると、破損や虫歯、歯周病の原因になります。水を飲む程度なら装着したままでも問題ありませんが、基本的には飲食をするたびにマウスピースを取り外す必要があります。再度マウスピースを装着するときも、きちんと歯磨きをしてからでないと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

紛失しやすい

飲食のたびにマウスピースを取り外さないといけないため、外食などに出かけるとマウスピースを紛失してしまうことが非常に多いです。マウスピースを取り外したときにティッシュに包んでしまうと、ほかの人が気付かずに捨ててしまうことがあります。マウスピースを取り外したときは必ず専用の容器に入れて保管するようにしましょう。

インビザラインでは治療できない症例もある

インビザラインは、ここ数年で幅広い症例に対応できるようになりましたが、それでもインビザラインでは治療が難しいケースがあります。歯の移動量が多い場合や捻れている歯を動かす場合などは、ワイヤー矯正のほうが適しています。

裏側矯正とは?

歯の模型の歯の裏を歯鏡で確認している

裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットと呼ばれる装置を接着するワイヤー矯正のことです。通常のワイヤー矯正よりも治療の難易度が高く、治療期間も長くなりやすいですが、装置が目立ちにくいので見た目を気にされる方におすすめです。

裏側矯正のメリットは?

裏側矯正のメリットは、装置が目立たないという点です。歯の裏側に装置を接着しているので、外出先で食べ物が装置に挟まったとしても目立たないでしょう。

裏側矯正のデメリットは?

裏側矯正のデメリットは、以下の5つです。

・違和感をおぼえやすく、舌が傷つきやすい

・治療期間が長くなりやすい

・慣れるまで話しにくい

・ブラッシングが難しい

・費用が高額

それぞれを詳しく解説します。

違和感をおぼえやすく、舌が傷つきやすい

歯の裏側に装置を接着するので、舌に装置が当たりやすくなります。慣れるまでは違和感をおぼえやすく、舌のあちこちが傷ついてしまうこともあります。特に上下とも裏側矯正を選択した場合、最初は粘膜のトラブルに悩むでしょう。装置が目立ちやすい上の歯は裏側矯正にして、装置が目立ちにくい下の歯は通常のワイヤー矯正にすると、違和感を減らせ、費用も抑えられます。

治療期間が長くなりやすい

裏側矯正は、治療の難易度が高く、通常のワイヤー矯正よりも治療期間が長くなことが多いです。すべての症例で治療期間が長くなるわけではないですが、治療前にどれくらいの治療期間がかかるか歯科医師に確認しておきましょう。

慣れるまで話しにくい

歯の裏側に装置を接着することによって舌の邪魔になり、話しにくさを感じる方も多いです。慣れれば気にならなくなりますが、最初は発音にも問題が出やすいでしょう。

ブラッシングが難しい

通常のワイヤー矯正でもブラッシングが難しいですが、裏側矯正はさらにブラッシングの難易度が上がります。適切なブラッシングができていなければ、虫歯や歯周病などのトラブルになりやすいため、歯科衛生士にブラッシング指導を受けるようにしましょう。

費用が高額

裏側矯正は、通常のワイヤー矯正よりも難易度が高い治療のため、費用も高額です。自由診療なので歯科医院によって費用は異なりますが、1,000,000〜1,500,000円ほどかかるでしょう。

インビザラインと裏側矯正の違い

インビザラインとワイヤー矯正の装置が付いた模型を持っている

インビザラインと裏側矯正の共通点は、矯正していることが周囲に気付かれにくい点です。

しかし、治療法はまったく異なります。それぞれの違いを表にまとめてみました。

〈インビザラインと裏側矯正の違い〉

インビザライン裏側矯正
見た目目立ちにくい目立ちにくい
費用相場では700,000〜1,000,000円程度相場では1,000,000〜1,500,000円程度
治療期間ワイヤー矯正とそれほど変わらず、治療に消極的だと治療期間が長くなることもある通常のワイヤー矯正よりも治療期間が長くなることがある
違和感少ない強い
トラブル装置を紛失しやすい装置により舌が傷つきやすい
お口のケア通常通りにブラッシングが行える装置が裏側に付いているため、ブラッシングがより難しくなる

インビザラインと裏側矯正どちらがおすすめ?

4つの豆電球が並んでおり1つだけ電気が付いている

インビザラインと裏側矯正で迷われている方は「目立ちにくい矯正」を希望されている方が多いのではないでしょうか。

2つの治療法の大きな違いは、取り外しが可能か、固定式かという点です。しっかりマウスピースの装着時間を守って治療に取り組めるのであれば、費用を抑えられて痛みも少ないインビザラインを選択したほうがいいでしょう。

しかし「マウスピースを装着するのを忘れてしまいそう」という方は、治療が進まず失敗する恐れもあるため、裏側矯正を選択したほうがいいかもしれません。インビザラインは幅広い症例に対応できるようになりましたが、それでもインビザラインでは治すのが難しい症例もあります。その場合はワイヤー矯正で治療することになりますが、装置が目立つことに抵抗があるのであれば裏側矯正をおすすめします。

まとめ

治療椅子に座りインビザラインを装着しようとしている女性

インビザラインも裏側矯正も、矯正していることが気付かれにくい治療法です。インビザラインは違和感や痛みも少なく、費用を抑えられるメリットがありますが、自分で装置の管理を行い、指示されたとおりに装置を装着しなければ治療が失敗する可能性もあります。

一方で、裏側矯正は、インビザラインでは治療が難しい難症例にも対応できますが、治療の難易度が高く、費用が高額です。また、舌が傷つきやすいなどのトラブルも起こりやすいでしょう。自分自身がどれだけ治療に積極的に取り組めるのか、違和感や粘膜のトラブルに耐えられるのかを検討されたうえで治療法を選ぶことをおすすめします。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

前歯のみのインビザライン治療はできる?治療にかかる期間や費用を解説!

2022年12月21日
舌を噛んでいる女性

長いマスク生活が続きますが、マスクを外したときの歯並びに自信はありますか?実は多くの方が歯並びにコンプレックスを抱えていて、なかなか歯科矯正に踏み出せないのが事実です。矯正治療は「費用が高い」「矯正器具が目立つ」「期間が長い」「痛みが心配」などの理由から諦める方もいます。

歯科矯正はさまざまな種類がありますが、透明のマウスピースを使い、目立ちにくく、食事や歯磨きのときも外せるインビザラインは、近年人気が高い矯正方法です。

しかし、歯の全体をインビザラインで矯正すると2~3年はかかるため「前歯のみを短期間で矯正したい」という方もいます。また、全体を矯正するのは大掛かりで、ハードルが高いという方もいらっしゃるでしょう。

今回は、インビザラインで前歯のみ治療ができるか、治療にかかる費用や期間について、詳しく解説します。

インビザラインで前歯だけを治療することはできる?

「?」が描かれた5つの丸い積み木

インビザラインで全体矯正するのではなく、前歯のみを矯正治療することは可能です。

注意してほしいのは、誰もが前歯のみのインビザラインが対象ではなく、一部の方のみに適応されることです。対象の方は、軽度の叢生と出っ歯の方、前歯に隙間がある「すきっ歯」といわれる方が対象です。

軽度の叢生

叢生とは、歯並びが凸凹ガタガタな状態で「乱ぐい歯」ともいわれます。歯と歯が重なりあい、歯の向きが斜めになっています。軽度の叢生だと、前歯のみを動かすインビザラインが可能で、少し歯を削りスペースを確保して動かすこともあります。

歯が捻れた状態で生えている捻転歯も、軽度の状態でしたら前歯のみのインビザラインで治せます。

軽度の出っ歯

前歯のみのインビザラインでは、軽度の出っ歯も治すことができます。前歯全体が大きく出ている出っ歯は奥歯も動かす必要があるため全体矯正をします。

前歯に隙間がある

前歯に隙間があると歯を動かせるスペースがあるため、前歯のみのインビザラインが可能です。前歯に隙間があると、見た目が悪いだけでなく、空気が抜けたような発音になるため会話にも影響が出ます。

前歯のみのインビザライン治療ができないケース

医師が胸の前で「×」サインを出している

前歯のみのインビザラインは治療できないケースもあります。詳しく見ていきましょう。

抜歯を必要とする歯並び

重度の歯並びの悪さは、場合によって抜歯が必要です。歯の大きさに対して顎が小さくて歯が並びきらない場合は、抜歯することが多くあります。抜歯したスペースを利用して歯を動かしてから全体矯正するため、前歯のみのインビザラインはできません。

噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪いと、顎関節症や噛みにくさからくる消化不良・肩こり・頭痛など、体の不調が現れます。矯正は、歯並びがよくなり見た目がキレイになることが重要ですが、噛み合わせがよくなることも非常に大切です。噛み合わせが悪い場合はインビザラインで前歯のみ矯正はできず、全体矯正をします。

叢生が強い方

叢生が強いと歯を動かすスペースがないため、前歯のみのインビザラインはできません。凸凹ガタガタと歯が入り組んで生えているため、全体矯正をします。歯を並べるスペースがない叢生は、抜歯をして全体を動かし矯正します。顎が小さい方・歯が大きめな方・乳歯の時にたくさん虫歯があった方は、強い叢生になる傾向があるのです。

重度の出っ歯

軽度の出っ歯はインビザラインで前歯のみ矯正できますが、重度の出っ歯の場合は対象外です。重度の出っ歯は全体矯正が必要で、場合によっては外科手術も適応されます。

反対咬合

しゃくれや受け口ともいわれる反対咬合は、噛み合わせが悪く、サ行やタ行の発音がしにくい状態です。しっかり噛めないため消化不良を起こしやすく、見た目や発音のコンプレックスもみられます。反対咬合の場合は前歯のみのインビザラインはできないため、全体矯正や外科手術で顎の骨を後ろに下げることも検討されます。

過蓋咬合

過蓋咬合とは、噛み合わせが深く、上の前歯が下の前歯のほとんどを覆ってしまいることです。通常は上の前歯が下の前歯の4分の1を覆った状態ですが、過蓋咬合で深く噛み合っていると、上の前歯の裏側を下の前歯で傷つけ、歯茎に炎症が起きます。噛み合わせの問題で、詰め物や被せ物が外れやすく、奥歯に負担もかかります。過蓋咬合は噛み合わせ全体を治す必要があるため、インビザラインで前歯のみの矯正はできません。

前歯のみのインビザライン治療のメリットとデメリット

メリット・デメリットが書かれている手帳

インビザラインで前歯のみ部分矯正することは気軽で負担も少なく、メリットが多いといえます。

しかし、当然デメリットも存在しますので、前歯のみのインビザラインを希望している場合は事前に主治医に確認しましょう。

メリット

インビザラインは透明のマウスピースを使用するため、従来のワイヤー矯正より気付かれずに矯正できます。しゃべりにくくなったり食べづらいなどのわずらわしさがなく、金属アレルギーの心配もいりません。

前歯のみをインビザライン治療できると、全体を矯正するよりも簡単に短期間で矯正が終わります。結婚式や入学などのイベントを控えている方も、気軽に矯正できて費用も安く済みます。

また、インビザラインは、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないのが特徴です。前歯のみのインビザラインは、全体をインビザライン矯正するよりもさらに痛みを軽減できます。

デメリット

前歯のみのインビザラインは奥歯の矯正はできないため、噛み合わせを治すことはできません。

また、前歯を動かすスペースを確保するため、少し歯を削る「ディスキング」と呼ばれる処置をすることがあります。ディスキングで削る量は微量なため、歯にダメージがなく心配はいりませんが、削った刺激で一時的に知覚過敏のようにしみやすくなることがあるでしょう。しみる症状が出た場合は、しみ止めのお薬を塗布して様子をみますが、大体の場合は短期間で症状が落ち着きます。

前歯のみのインビザライン治療にかかる期間

木のテーブルの上にカレンダーと赤いボールペンが置かれている

前歯のみのインビザラインの治療期間は、おおよそ6か月~1年です。個人差もありますが、全体矯正すると2~3年はかかるため、期間はかなり短縮されて患者さんの負担も減ります。「矯正は期間が長い」とあきらめていた方も、前歯のみインビザライン矯正ができたら気軽に挑戦できるでしょう。

注意したいのは、上記の期間とは別に、動いた歯が後戻りを防ぐために行う「保定期間」が必要ということです。保定期間は「リテーナー」と呼ばれる歯の後戻り防止装置を矯正後に約2年間装着します。リテーナーは、インビザライン矯正と同様に食事や歯みがきのときには取り外し可能で、部分矯正も全体矯正も保定期間は同じです。

前歯のみのインビザライン治療にかかる費用

「¥」マークが描かれている積み木が階段のように並べられている

歯並びの状態や歯科医院によって料金は異なりますが、前歯のみのインビザラインは30~50万円程度でおこなうことができます。全体矯正をすると100万円前後はかかるので、費用をかなり抑えられるでしょう。

全体矯正は高額で踏み出せない方も、前歯のみのインビザラインなら気軽にチャレンジできるという方も多くいます。昨今、前歯のみのインビザラインで見た目のコンプレックスを解消して、金銭に余裕ができたら噛み合わせをしっかりと治すために全体矯正をする方もいます。

まとめ

マウスピースを持っているロングヘアの女性

前歯のみのインビザラインは、目立ちにくいだけでなく、費用も安く短期間で行えるので、矯正治療に躊躇している方も気軽にできるよさがあります。

しかし、見た目を重視した矯正方法のため、噛み合わせを治すことや全体矯正はできません。また、誰もが前歯のみのインビザライン対象ではないことも理解しておく必要があります。自分が対象であるかは詳しい検査と審査が必要になり、前歯のみのインビザラインのデメリットも知っておかなくてはなりません。全体矯正と部分矯正が選べるのは、矯正治療の幅が広がります。前歯のみのインビザラインが気になる方は、マスク生活でさらに目立たせずに矯正できる今、歯科医院にぜひ相談してみてください。

インビザラインとワイヤー矯正どちらがいいの?それぞれの違いについて詳しく解説!

2022年12月7日
白いシャツを着た女性がどちらがいいか悩んでいる

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

現在、歯列矯正で多く行われている方法はインビザラインとワイヤー矯正ですが、どちらの治療方法が良いか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、それぞれの治療方法の違いやメリットとデメリットなどについて解説していきます。

インビザラインとは?

口元にマウスピースを近づけている女性

特徴

インビザラインは、アメリカで25年前に開発され、2022年6月時点で1300万人を超える治療実績があります。

アライナーというマウスピースを利用して歯を移動させる矯正治療で、マウスピースを10日〜2週間毎に交換して歯を移動させていきます。

メリット

インビザラインには、以下の3つのメリットがあります。

取り外しが可能である

インビザラインはマウスピースを使用します。

ワイヤー矯正の装置は固定式のため取り外しができませんが、インビザラインでは食事や歯磨きのときなどにマウスピースを取り外すことが可能です。歯のケアがしやすいことで、矯正治療中の虫歯や歯周病の心配も少なくなります。

目立ちにくい

インビザラインで使用するマウスピースは透明なので、周囲の方に矯正をしているということが気づかれにくく、目立ちやすいワイヤー矯正に抵抗がある方には適した治療方法です。

痛みや違和感が少ない

1枚のマウスピースでの歯の移動量は、わずか0.25mmです。そのため、矯正治療に伴う痛みは少なく、マウスピース装着中の違和感もほとんどありません。

デメリット

インビザラインには、以下の3つのデメリットがあります。

症例に制限がある

インビザラインは大きく歯を動かすことは得意ではないため、対応できる症例が限られてしまいます。

比較的軽度な歯列不正の治療には向いていますが、顎に大きなズレのある方や抜歯が必要な場合はインビザラインのみの使用では治療が難しいこともあります。

装着時間を守る必要がある

インビザラインは、1日20〜22時間以上使用することで効果を発揮します。

基本的には食事と歯磨き以外の時間は装着する必要があるので、日常生活の中で使用時間を守れない場合は治療計画通りに歯が移動せず、思うような結果が得られません。

マウスピースの自己管理が必須である

インビザラインのマウスピースは、使用していると歯と同じように汚れが付着します。

歯にぴったりと密着する装置のため、きちんとお手入れをしないで使用すると虫歯や歯周病の原因になってしまいます。毎日歯ブラシでマウスピースの内面を磨いたり、必要に応じて洗浄剤などを使用する必要があります。

ワイヤー矯正とは?

ワイヤー矯正の模型に治療器具を当てている

特徴

ワイヤー矯正は歴史が長く、最も一般的な歯列矯正の方法です。

歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を付けて、そこにワイヤーを通して力をかけることで徐々に歯を移動させていきます。

メリット

ワイヤー矯正には、以下の3つのメリットがあります。

多くの症例に対応できる

ワイヤー矯正では、基本的にすべての歯列不正の治療が可能です。インビザラインでは治療が難しいような症例も対応でき、出っ歯や受け口などがある場合も治療後は口元の印象を変えることが可能です。

細かい調整が可能である

インビザラインはあらかじめ作成されたマウスピースの歯並びに合わせて歯を移動させていきます。

一方、ワイヤー矯正では、ある程度歯並びが改善されたあとに一部だけもう少し動かすなどの細かい調整が可能です。

目立ちにくい装置も選択できる

ワイヤー矯正は、基本的には歯の表側に付ける装置のため目立つ印象がありますが、装置の種類は金属のみならず、セラミックのブラケットや白いワイヤーが選択できたり、歯の裏側に装置を付ける舌側矯正という方法もあります。

デメリット

ワイヤー矯正には、以下の3つのデメリットがあります。

装置が目立ちやすい

メリットでお伝えしたように、ワイヤー矯正は目立ちにくい装置を選択できますが、インビザラインに比べるとどうしても目立ちやすいです。

食事や歯磨きがしにくい

ワイヤー矯正の装置は固定式のため、食べ物が詰まりやすく歯磨きもしにくいため、汚れが溜まったままにしていると虫歯や歯周病の原因になります。歯磨きは時間をかけて行うことが大切です。

痛みが出やすい

インビザラインに比べて、ワイヤー矯正は歯の移動量が大きいため、痛みが出やすいです。痛みがずっと続くわけではありませんが、ワイヤーを交換したり、調整した日から2〜3日は痛みが出やすいといわれています。

また、歯が移動することでワイヤーが奥に伸びて粘膜に刺さってしまうこともあります。

インビザラインとワイヤー矯正の違い

歯科医がレントゲンと歯の模型を使って説明している

インビザラインとワイヤー矯正の違いを分かりやすく一覧でご紹介します。

<インビザラインとワイヤー矯正の比較>

インビザラインワイヤー矯正
費用約800,000〜1,000,000円約700,000〜1,300,000円
治療期間約2年〜2年半約2年半〜4年
見た目目立ちにくい目立ちやすい
痛み出にくい出やすい
歯磨きしやすいしにくい
適応比較的軽度な歯列不正すべての歯列不正

表に示した費用や期間はあくまでも全顎治療を行なった際の平均のため、個々のお口の状態や医院によっても違いはあります。

インビザラインとワイヤー矯正のどちらでも部分矯正で治療できる場合もあり、その場合はもう少し治療期間が短くなり、費用も安くなります。ワイヤー矯正の場合は、金属ではなく歯の色に近いセラミックのブラケットを選択したり、舌側矯正の場合は費用が高くなる傾向があります。

インビザラインとワイヤー矯正どちらがいいの?

ピンクのニットを着た女性がマウスピースとワイヤー矯正が付いた歯の模型を持っている

インビザラインに向いている方

インビザラインは、軽度の歯列不正など適している症例は限られてしまいますが、目立ちにくい装置で且つ歯のケアもしやすい方法で矯正を行いたいという方に向いています。インビザラインで治療の大きなメリットは、装置が目立ちにくく取り外しができることでしょう。

また、インビザラインはワイヤー矯正に比べて、比較的短い期間で治療が終了することが多いです。簡単な矯正方法ではありますが、マウスピースを1日20〜22時間以上使用しなければ、きちんとした治療結果は得られません。日常生活の中できちんと装着時間を守ってマウスピースを使用できるかは、インビザライン治療をするうえで重要なポイントです。

ワイヤー矯正に向いている方

ワイヤー矯正は、治療中の見た目は気にならず、時間がかかっても細かい部分も含めてきちんと歯並びを治したいという方に向いています。単に見た目を治すだけでなく、上下の歯を全体的に噛ませることもできるので、食事がしやすくなるなど機能的なメリットも大きいです。

しかし、インビザラインに比べると、調整を行ったあとは痛みが出やすく、固定式の装置に食べ物が詰まりやすいため歯磨きにも時間を要します。治療を始めてから後悔しないように、ワイヤー矯正のデメリットも理解し、納得したうえで治療を開始しましょう。

まとめ

白いシャツを着た人の前に歯の模型がある

今回はインビザラインとワイヤー矯正の治療方法の違いと、それぞれの治療はどのような方に向いているのかを解説しました。

歯列矯正を行ううえで何を重要視するかは人それぞれです。どちらもそれぞれにメリットとデメリット、適した症例があります。どちらの治療が適しているかわからない場合は、両方の治療方法を取り扱っている歯科医院でカウンセリングを受け、歯科医師からアドバイスを受けることをおすすめします。

この記事でインビザラインとワイヤー矯正の違いを理解していただき、治療につながるイメージをもっていただけたら幸いです。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。ご自身に合った方法で矯正治療をスタートしましょう。

インビザラインの部分矯正とは?メリットや治療できる歯並びについてわかりやすく解説!

2022年11月30日
インビザラインを着脱しようとしている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

全体的には悪い歯並びではないけれど、前歯の部分だけ治したいといった場合は、部分矯正を行います。その際にインビザラインを使った治療法があることをご存知でしょうか?全顎的な矯正治療に比べると、使用するマウスピースの量は半分ほどになるので、費用を抑えてさらに短期間で行うことができる患者さんにとって負担の少ない治療法といえます。

インビザラインの部分矯正の種類

歯の模型

インビザラインを使った部分矯正は2種類あります。どのプランが適しているのかは歯並びの状態によって変わってきますので、歯科医師と相談のうえ検討しましょう。それぞれの特徴を全顎的な治療と比較してご紹介します。

<インビザラインの全顎矯正と部分矯正の比較>

製品名治療範囲マウスピースの数治療期間
インビザライン全顎約30〜80枚約2〜3年
インビザライン・ライト部分最大14枚約半年〜1年
インビザライン・GO部分最大20枚約半年〜1年

インビザライン・ライト

インビザライン・ライトは、軽度の歯列不正や矯正治療終了後の後戻りに適した部分矯正です。前歯のみならず、奥歯も含めた歯の移動が可能です。使用するマウスピースは最大でも14枚なので、費用を抑えた治療が可能です。

ただし、症例が限られていることや途中での治療計画の変更が難しいことがデメリットです。

インビザライン・GO

インビザライン・GOは、前歯のみの歯の移動が可能な部分矯正です。奥歯の歯の移動は対象ではないため、奥歯はきちんと噛んでいても前歯の歯並びだけ治したい、という方に向いている治療法です。

インビザラインの部分矯正のメリット

メリット

インビザラインの部分矯正のメリットについて、解説します。

費用が抑えられる

インビザラインで全額的な治療を行う場合だと、使用するマウスピースの量はおよそ30〜80枚ですが、部分矯正の場合だと最大でも14〜20枚と少ない量のマウスピースを使用します。そのため、かかる費用も全額的な治療よりも抑えることができます。

治療期間が短い

インビザラインは、1枚のマウスピースにつきおよそ10日〜2週間ほど使用します。その後、きちんと歯が移動していれば次のステップのマウスピースに交換していきます。 月に2枚ずつ使用するとしても、使用するマウスピースは最大で20枚のため、1年以内には治療が終了することになります。

痛みが少ない

部分矯正の場合は使用するマウスピースの枚数が少ないため、歯を移動させる量も少なくなり、痛みも少なくなります。全顎的な歯の移動を行う場合でも、インビザラインは痛みが少ないのが特徴ではありますが、部分矯正ではさらに痛みが少なく、快適に治療が行うことができます。

インビザラインの部分矯正で治療できる歯並び

OKのジェスチャーをする女性

インビザラインを使用して治療できる歯並びは「軽度の歯列不正」が共通事項です。具体的な4つの症例をご紹介します。

軽度の叢生

叢生とは、歯並びがガタガタで、歯と歯が重なって生えてしまっている状態をいいます。顎の大きさに対して歯が収まりきれていないことが原因で、通常はIPRと呼ばれる歯と歯の間を削ってわずかに隙間を作る処置を行い、その隙間を利用して歯を移動させていきます。

軽度のすきっ歯

すきっ歯のような空隙が歯と歯の間にあるような場合は、すきっ歯以外の問題がなければ部分矯正での治療が可能です。すきっ歯と併発することが多い問題としては、歯と歯の間の顎の中に埋まったままの歯があったり、舌で歯を押す癖があるような場合です。このような問題がなく、すきっ歯のみを治す場合は部分矯正の適応です。

軽度の出っ歯

上下の顎のズレが大きいことが原因である出っ歯は部分矯正で治療することは難しいですが、抜歯が必要のない軽度の出っ歯であればIPRを行うことで、歯を後方へわずかに下げることができます。

軽度の歯のねじれ

前歯のみに軽度の歯のねじれがある場合も、IPRを行うことで部分矯正の適応になります。

ただし、奥歯にねじれがあるような症例は適応外です。

インビザラインの部分矯正で治療できない歯並び

医者

次に、インビザラインで部分矯正できない歯並びについて解説します。具体的な症例は、以下の3つです。

重度の叢生

重度の叢生がある場合は、IPRを行なっても歯を移動させるためのスペースが確保できないことがあります。その場合は抜歯が必要となり、歯を移動させる量も多くなるため、部分矯正での治療はできません。

重度の出っ歯

重度の出っ歯の場合は、抜歯が必要になることが多いです。軽度の出っ歯であればIPRを行うことで改善が見られることがありますが、重度の出っ歯で大きく口元を下げるためには、ワイヤーを使った矯正治療やインビザラインの全顎矯正のほうが適しています。

噛み合わせに問題がある場合

上下の歯がきちんと噛んでいないような噛み合わせに問題があるような歯並びは、部分矯正の適応外です。噛み合わせをきちんと治すためには上下顎の歯並びのバランスが大切で、部分的な治療のみでは対応しきれないことがあります。

インビザラインの部分矯正にかかる費用

電卓とノート

インビザラインの部分矯正にかかる費用は医院ごとに異なりますが、相場は約30〜50万円といわれています。そのほかにも、通院時に調整料など別途料金が発生することが一般的です。

<インビザラインの部分矯正にかかる費用の一覧>

項目料金
相談・カウンセリング無料
精密検査・診断30,000円〜50,000円
矯正料金300,000円〜500,000円
調整料5,000円〜10,000円
保定装置30,000円〜50,000円

初回の相談やカウンセリングは無料で行っている医院がほとんどですが、精密検査などは料金がかかります。新しいマウスピースを受け取るタイミングでおよそ1〜2か月ごとに通院が必要となり、調整料はその都度支払うことになります。さらに、インビザラインでの治療が終わった後は、後戻り防止のための保定装置を作成していきます。

上記料金はあくまで一例なので、詳しい料金は相談時に担当医へ確認しましょう。

治療費の支払いが難しい場合

インビザラインの部分矯正は、全顎矯正ほどではないものの、大きな金額の支払いが必要になってきます。今すぐの支払いが難しいという場合に活用したい2つの制度をご紹介します。

デンタルローン

デンタルローンとは、歯科治療費専用のローン商品です。審査は必要となりますが、一般的なカードローンに比べると低い金利設定になっているため、返済計画が立てやすいことがメリットです。

ただし、すべての歯科医院が取り扱っているわけではないため、通院予定の医院でデンタルローンが使えるかどうかは事前に確認が必要です。

医療費控除

医療費控除とは、1年間でかかった医療費が10万円を超える場合に、確定申告の際に所得税の一部が還付される制度です。歯列矯正治療費も医療費控除の対象となりますので、必ず申告するようにしましょう。

インビザラインの部分矯正にかかる期間

歯科医で説明を受けている

インビザラインの部分矯正は、全顎矯正に比べて短い期間で終了するのが特徴です。

冒頭でもお伝えしたように、使用するマウスピースの枚数はインビザライン・ライトで最大14枚、インビザライン・GOで20枚となっています。1枚のマウスピースを10日から2週間使用するので、終了するまでにかかる期間は半年から1年程度となります。なるべく短期間で治療を終わらせたいという方に向いている治療法です。

ただし、最後のマウスピースまで使用した段階でもう少し歯を動かしたいという場合は、2年以内であれば再度型取りや専用の機械でスキャンすることで追加のマウスピースを1度のみ作成することができます。その場合は、当初予定していた期間より長くかかってしまいますので注意が必要です。

まとめ

歯と治療器具

今回は、インビザラインを使用した部分矯正についてご紹介しました。

部分矯正で考えていても、症例によっては全顎矯正を行わないと思うような治療結果を得られないこともありますので、事前のカウンセリングで疑問点の残らないようにしましょう。軽度の歯列不正でも、治療することで口元の印象は大きく変わります。

今回の記事の内容を参考に、部分矯正の治療を検討してみてください。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

インビザラインとキレイラインどちらがいいの?特徴と違いを解説!

2022年11月23日
アイボリーの背景の前で微笑んでいる長髪の女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

透明のマウスピースを装着することで歯を動かすマウスピース矯正は、目立ちにくく簡単に取り外せることなどから人気になっています。マウスピース矯正は、装着しているマウスピースを取り替えながら理想的な歯並びに近づけていく治療方法です。

さまざまなマウスピース矯正を提供しているブランドがありますが、今回はインビザラインとキレイラインをさまざまな特徴ごとに比較します。

インビザラインとは?

マウスピース

インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社によって開発されたマウスピース矯正ブランドです。2022年6月時点で世界100か国以上の国々で、1300万人を超える人々がインビザラインによる治療を受けています。

確かな技術と実績により日本でもよく知られるマウスピース矯正で、多くの歯科医院が提供しています。独自の3D画像化技術と多数の治療実績を基に治療計画を立案し、治療開始から完了までの歯並びをシミュレーションすることが可能です。

キレイラインとは?

歯科医

キレイラインとは、2016年に設立された日本のマウスピース矯正ブランドです。2022年11月時点で提携クリニックは全国に85院、症例数11万人以上と発展途上にあります。

低価格で気軽に矯正治療を始められることをコンセプトにしています。国家資格を保有している歯科技工士が日本国内で製造しているマウスピースを提供しているのが特徴のひとつです。

インビザラインとキレイラインの違い

白い風船と赤い風船

高品質のマウスピース矯正を提供しているインビザラインとキレイラインですが、費用や治療適応範囲など、さまざまな違いがあります。

インビザラインとキレイラインを比較した表は、以下のとおりです。

<インビザラインとキレイラインの比較表>

インビザラインキレイライン
治療適応範囲上下の歯16~28本上下の前歯12本
費用の目安(税込)21~38万円20~100万円
治療期間3か月~3年5か月~1年3か月
通院頻度2~3か月に1回1か月半もしくは3か月に2回
歯型を採取する回数治療開始前に1回歯並びの変化に合わせて歯型を採取する
治療開始可能な年齢6~7歳男性:16歳・女性:14歳

治療適応範囲

インビザラインの治療適応範囲は、4種類ある治療コースによって異なります。

<インビザラインの治療適応範囲>

治療コースの種類歯並びの状態
インビザライン エクスプレス上下16本(歯並びの悪さが軽度)
インビザライン GO上下20本(歯並びの悪さが比較的軽度)
インビザライン ライト上下28本(歯並びの悪さが比較的軽度)
インビザライン コンプリヘンシブ上下28本(歯並びの悪さが重度)

インビザラインは、前歯などの部分的な矯正から奥歯を含む全体的な矯正まで幅広く対応しています。治療適応範囲が異なる4種類の治療コースが用意されているのが特徴のひとつです。抜歯を伴う治療も行なっているため、大きく歯を動かす必要がある難しい症例にも対応可能です。

キレイラインは、八重歯・出っ歯・受け口など、さまざまな歯並びに対応しています。治療適応範囲は上下の前歯12本で、奥歯の噛み合わせの治療が必要な症例は適応外です。抜歯も基本的には行なわない方針であるため、軽度の歯並びを治すのに適しています。

費用の目安

インビザラインの費用は、治療コースの種類によって異なります。

<インビザラインの費用の目安・使用するマウスピースの枚数>

治療コースの種類費用の目安使用するマウスピースの枚数
インビザライン エクスプレス20~40万円最大7枚
インビザライン GO35~50万円最大20枚
インビザライン ライト45~70万円最大14枚
インビザライン コンプリヘンシブ70~100万円無制限

インビザラインの費用は、治療範囲が広い場合や重度の歯並びに対応するほど高額になります。歯並びが複雑になるほど使用するマウスピースは多くなり、治療期間が長くなるためです。インビザラインの費用は、基本的にはマウスピース発注前に支払わなければなりません。

キレイラインは、支払い方法によって2種類の治療コースがあり費用が異なります。

<キレイラインの費用の目安>

都度払い(税込)・初回:2.2万円

・2回目以降:5.5万円

コース払い(税込)・4回コース:17.6万円

・7回コース:31.9万円

・10回コース:46.2万円

キレイラインは、治療ごとに支払いをする「都度払い」とまとめて支払う「コース払い」が選べます。都度払いであれば、初回料金の2.2万円でマウスピース矯正を試してみて、その後に治療を続けるか決めるのも可能です。コース払いは都度払いよりもお得になるため、費用を安く抑えられます。

治療期間

治療期間は元の歯並びの状態によって大きく異なります。矯正する範囲が広かったり歯を大きく動かす必要がある症例では、治療期間が長くなることが多いです。

<インビザラインの治療期間の目安>

治療コースの種類治療期間の目安
インビザライン エクスプレス3~4か月
インビザライン GO7か月程
インビザライン ライト5か月程
インビザライン コンプリヘンシブ1年半~3年

インビザラインの治療期間が比較的長いのは、複雑な歯並びにも対応しているためです。キレイラインは比較的程度の歯並びを対象としているため、治療の期間は短い傾向にあります。

通院頻度・歯型を採取する回数

インビザラインは、治療開始前に1回だけ歯型を採取します。採取した歯型を3D画像化しシミュレーションを行ない、治療開始から完了までのマウスピースを一度に製作する仕組みです。

ただし、矯正途中にむし歯になり被せ物をするなどの治療を行なうと、歯の形態が大きく変わります。マウスピースが合わなくなり再製作が必要になるため注意が必要です。

キレイラインは、動いた歯に合わせてマウスピースを製作するため、歯型を採取する回数は多くなります。都度払いであれば1か月半に1回、コース払いであれば3か月に2回行われます。数か月ごとに型取りをするため、むし歯ができても対応が可能です。

治療開始可能な年齢

インビザラインには、成長過程にある子供を対象とした「インビザライン ファースト」があります。乳歯と永久歯が混在する時期である小学校低学年から治療を開始することが可能です。

キレイラインは、男性では16歳以上、女性では14歳以上を対象年齢としています。

ただし、前歯の歯根が完成する時期を治療開始の目安にしているため、歯根が未完成であれば経過観察になる場合があります。

インビザラインとキレイラインどちらがいいの?

悩んでいる3人の男性

インビザラインとキレイラインの大きな違いは、治療適応範囲が異なることです。

キレイラインは前歯の12本を治療適応範囲としているため、奥歯の歯並びを治したい場合は適応外になります。また、基本的には抜歯はしない方針であるため、抜歯をしてスペースを確保して歯を大きく動かす症例には不向きです。奥歯も含めた治療や抜歯をして歯を動かすスペースを確保しなければならない症例にはインビザラインを選択するのが良いでしょう。軽度の歯並びの悪さを治すには、キレイラインがおすすめです。奥歯の噛み合わせに問題がなく、「前歯の歯並びを治したい」「以前矯正をしていたが再び歯並びが乱れてきた」といった症状に適しています。

キレイラインは都度払いが選択できるため、一度に支払う金額を抑えることが可能です。インビザラインにも軽度の歯並びの悪さに対応した治療コースがありますが、費用は治療開始前にすべて支払わなければなりません。

支払い方法は、どちらも現金・クレジットカード・デンタルローンに対応しています。取り扱いは歯科医院によって異なるため、あらかじめ確認しましょう。

インビザラインとキレイラインで治療をするときの注意点

ビックリマーク

インビザラインとキレイラインは、どちらも優れたマウスピース矯正ブランドです。

ただし、どちらを選択したとしても治療を行なううえで注意しなければならないことがあります。インビザラインとキレイラインで治療をするときの注意点は、以下のとおりです。

・症例によっては治療を行なえない場合がある

・装着時間や交換時期を守らなければならない

・飲食をするときはマウスピースを外す必要がある

・矯正治療終了後は一定期間リテーナーを装着する

それぞれ解説していきます。

症例によっては治療を行なえない場合がある

骨格に問題がある症例は、インビザラインやキレイラインに限らず、マウスピース矯正の適応外になることが多いです。上下の顎骨の大きさや位置に不調和があり、出っ歯や受け口になることがあります。マウスピース矯正では改善が難しいと判断された場合は、ワイヤー矯正や外科的手術を視野に入れて対応します。

重度の歯周病である場合も、マウスピース矯正だけではなく矯正治療全般を行なえないことがあります。歯周病の症状が進行すると、歯を支えている骨が吸収し溶けだします。そのような状態で矯正治療によって歯を動かすために力を加えると、歯が抜ける恐れがあるため治療を行なえない場合があります。

装着時間や交換時期を守らなければならない

マウスピースの装着時間や交換時期を守らないと、治療が計画通りに進みません。

インビザラインとキレイラインでは、以下の装着時間・交換時期が推奨されています。

<マウスピースの装着時間・交換時期>

インビザラインキレイライン
1日の装着時間20~22時間以上20時間以上
交換時期1~2週間ごと2~3週間ごと

装着時間や交換時期は歯並びなどによって異なることがあります。歯科医師に確認し、指示に従いましょう。

飲食をするときはマウスピースを外す必要がある

飲食するときは必ずマウスピースを外しましょう。

マウスピースを装着したまま飲食をすると、破損したり変形したりする恐れがあります。また、食べ残しや糖分がマウスピースと歯の隙間に残り、むし歯や歯周病のリスクも高まります。マウスピースが破損・変形すると、再製作する必要があるため、注意が必要です。

矯正治療終了後はリテーナーを装着する必要がある

矯正治療が終了した後は、一定期間リテーナーを装着する必要があります。

矯正治療が終了したばかりの骨や周辺組織は固まっておらず、歯は元の歯並びに戻ろうとする後戻りを起こしやすい状態です。リテーナーを装着することで、歯並びが崩れるのを防ぎます。

まとめ

歯科医

インビザラインとキレイラインは、同じマウスピース矯正でありながら、さまざまな特徴の違いがあります。矯正治療は高額であるため、費用面での比較はもちろん大切です。そのうえで、なりたい歯並びに適している治療法を選択しましょう。

まずは歯科医院に相談し、歯並びの状態を確認してもらうことが大切です。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

 

インビザラインとは?メリットや向いている人、注意点についても解説!

2022年11月16日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正に興味はあるけれど、ワイヤーの装置を付けることに抵抗があるという方は多いのではないでしょうか。インビザラインは透明のマウスピースを使用して歯を移動させるので、見た目を気にすることなく矯正治療を行うことができます。

今回は、インビザラインの治療概要、メリットや向いている人についても解説していきます。

インビザラインとは?

歯の模型と矯正器具を持った女性

インビザラインは、1997年にアメリカで開発された透明のマウスピースの装置を使用した歯列矯正法です。

型取りを行い、専用のマウスピースが出来上がってきます。どのくらいの枚数のマウスピースを使用するかはプランや歯並びによっても異なりますが、難しい症例のほうがマウスピースの枚数は多くなり、治療期間も長くなります。1日20〜22時間以上の使用を推奨されていて、基本的に食費と歯磨きの時間以外は装着することになります。1枚のマウスピースを約10日〜2週間使用して、その後新しいマウスピースに交換していきます。

インビザライン治療のメリット

メリット

インビザラインで矯正治療を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説していきます。

目立ちにくい

インビザラインは、従来のワイヤーを使用した矯正装置に比べると、透明のマウスピース型なので矯正していることが気付かれにくいです。見た目の点で歯列矯正をするかどうか悩まれている方も抵抗なく始めることができます。

取り外しができる

ワイヤーを利用した矯正装置は固定式のため、治療が終わるまでは外すことができません。そのため、食べ物が装置の間に詰まりやすかったり、歯磨きもとても時間がかかります。インビザラインのようなマウスピース型の矯正装置は取り外しが可能なため、歯磨きもしやすく虫歯や歯周病になるリスクも低くなります。

痛みや違和感が少ない

従来の矯正装置は違和感を感じやすく、粘膜に当たることで唇や頬の粘膜を傷つけてしまうことが多いのですが、インビザラインはわずか0.5mmの厚みしかありません。また、1枚のマウスピースで歯を移動させる量は最大で0.25mmのため、装着している間の痛みも少なくなるようになっています。

信頼性の高い装置である

インビザラインは比較的新しい治療法ではありますが、世界中で1300万人以上の治療実績があります。その数はマウスピース矯正の中でもトップであり、信頼性の高い治療と言えるでしょう。

インビザライン治療のデメリット

デメリット

インビザラインでの治療は、メリットのみならず、デメリットもあります。詳しく解説していきます。

難しい症例には対応できない

ワイヤーを使用した矯正に比べると、インビザラインは矯正にかかる力が弱くなります。そのため、歯並びのガタガタが強い場合や重度の出っ歯や受け口、骨格的な顎のズレが大きい場合は、インビザラインでの治療の対象外になるか治療の期間が長くかかってしまう可能性があります。

マウスピースの管理が必要

インビザラインのマウスピースは使用していくと汚れも付きやすく、毎日のお手入れが必須といえます。また、透明の装置は紛失しやすく、もし紛失してしまった場合は新しく作成するための費用が発生してしまうこともあります。治療期間が伸びてしまう原因にもなりますので、自己管理の徹底が重要です。

食事や歯磨き時には外す必要がある

インビザラインは取り外し可能な装置で、お食事や歯磨きの際は外さなければいけません。糖分を含む飲み物は虫歯の原因になるので避ける必要があります。また、熱い飲み物は変形の原因になります。よく間食をする方や職業柄よく味見などをする飲食関連のお仕事をされている方などは向いていない治療法です。

治療できる歯科医院が限られている

歯科医師がインビザラインの治療を行うには条件があり、どの歯科医院もインビザラインを取り扱っているわけではありません。現在ご自身が通っている医院で取り扱っていない場合は、別の医院にも通院する必要があります。

インビザライン治療にかかる期間

歯の模型

インビザラインの治療にかかる期間は症例によっても異なりますが、短い方でも1年半で、一般的には2年から3年かかるとされています。

治療の流れは、まずインビザラインを取り扱っている歯科医院でのカウンセリングを受けます。カウンセリングでは、インビザラインのメリットやデメリット、治療内容や費用などが確認できます。その後、治療を開始する場合は、レントゲンや型取りを行う精密検査を行います。精密検査で問題がなければ専用の口腔内スキャナーでの撮影かインビザライン用の型取りを行い、約2週間前後でマウスピースが届いて治療を開始できます。

治療が開始すると、1〜2か月ごとに通院が必要となり、その都度新しいマウスピースがきちんと使用できているかの確認と、新しいマウスピースの受け取りが必要です。治療が終了したあとは、後戻り防止のためのリテーナーの装置を約1〜2年使用します。

インビザライン治療にかかる費用

電卓とボールペン

インビザラインの費用は、治療期間と同様に症例ごとに異なりますが、平均的な相場はおよそ800,000〜1,200,000円です。治療期間が長くなるほど使用するマウスピースの枚数が多くなるため、費用が高くなる傾向があります。

歯列矯正は基本的に保険が効かないため自費診療となり、多くの医院が治療前に行う検査やマウスピースを作成するための矯正料金と、通院時に毎回発生する処置料を設定しています。また、治療が終わった後は後戻り防止のための保定装置を作成するための料金も発生します。

<インビザラインにかかる費用の一例>

 

カウンセリング0円〜5,000円
 精密検査・診断料20,000円〜50,000円
矯正料金650,000円〜1000,000円
処置量5,000円〜10,000円
保定装置10,000円〜30,000円

上記以外にも、もし途中でマウスピースを紛失してしまった場合は別途料金が発生することもあります。医院ごとに料金も変わりますので、詳しい料金体系に関してはカウンセリング時にしっかり確認をしておきましょう。

インビザライン治療が向いている人・向いていない人

歯と時計

インビザライン治療に向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれ解説していきます。

インビザライン治療が向いている人

抜歯が必要ない症例

インビザラインは1枚のマウスピースで歯を動かす移動量が少ないため、歯並びのガタガタが多い場合や極端に出っ歯や受け口のような抜歯を必要とする症例よりも、比較的軽度な歯並びの治療を得意としています。

使用時間を1日20〜22時間以上確保できる

インビザラインは1日20〜22時間の使用を推奨しています。日常生活で使用時間を確保できる方はきちんと治療の効果を発揮することができます。

インビザライン治療が向いていない人

抜歯が必要な症例

抜歯が必要な症例の場合は歯の移動量が多く必要なため、インビザラインよりもワイヤーを使用した矯正のほうが適しています。

骨格に問題がある

顎の骨格に大きなズレがあったり変形があるような場合、インビザラインでは対応できません。

使用時間を1日20〜22時間以上確保できない

お仕事などでマウスピースを頻繁に外さなければいけない場合や装着し忘れることが多い可能性がある方は、思うような治療結果が得られない可能性があります。

インビザライン治療をするときの注意点

チェックリスト

インビザライン治療において気をつけておきたい注意点があります。詳しく解説していきましょう。

装着時間を守る

インビザラインの治療効果を発揮するためには、1日20〜22時間以上のマウスピースの装着が必要です。

もし装着時間が足りないと、予定通りに歯が移動せずに想定している治療期間に終了しなかったり、追加のマウスピースを作成する必要が出てきてしまうことがあります。その場合は、追加の料金が発生する可能性もありますので、確実に治療の効果を得たい場合は装着時間を守りましょう。

飲食時の取り外し

食事をする際は必ずマウスピースを外しましょう。

マウスピースを装着したまま食事をすると、歯と歯肉とマウスピースの間に食べ物が詰まり、虫歯や歯周病の原因になります。飲み物は装着したまま飲むこともできますが、糖分の含まれているものや熱いものは避けましょう。また、マウスピースは透明のため、着脱しない状態で冷たいコーヒーやお茶を頻繁に飲んでしまうと、着色が付いて黄ばんだ状態になりやすいです。

交換や通院のタイミングを守る

マウスピースは、通常10日〜2週間のタイミングで交換します。

交換のタイミングが早すぎたり遅すぎたりしてしまうと、予定通りに治療が進まなくなってしまいます。特に交換が早すぎる場合は、歯や歯肉などの組織に余計な力がかかってしまいトラブルに繋がることもあり危険です。交換の時期は確実に守りましょう。

通院はおよそ1〜2か月ごとで、その際は歯科医師にマウスピースの状態やきちんと装着されているかの確認を行います。通院間隔が長引いてしまうと、もし治療の経過でトラブルが起きてしまっていても把握することが難しくなりますので、決められた時期に通院するよう徹底しましょう。

まとめ

歯を指している女性

今回は、インビザラインのメリットや治療に向いている方などについて解説しました。

料金形態などは医院ごとに異りますので、カウンセリング時に疑問点がないように確認しましょう。インビザラインは、目立ちにくく取り外しができるという点では非常に優れた治療法ではありますが、デメリットや治療に向かない方もいますので、自分は治療に適しているのかどうかを今回の記事の内容を参考に検討してみてください。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。