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入れ歯が合わなくなる原因と対処法!使い続けるリスクも解説!

2023年10月14日
入れ歯と歯鏡

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

自分の歯と比べると入れ歯の噛む力は劣るため「入れ歯は合わないもの」と感じている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、合わない入れ歯を使い続けていると、お口の中だけでなく全身にも悪影響を及ぼすことがあるのです。

この記事では、入れ歯が合わなくなる原因と対処法について解説しています。合わない入れ歯を使い続けることで考えられるリスクについても言及していますので、入れ歯の使い心地についてお悩み方は、ぜひ参考にしてみてください。

入れ歯が合わなくなる原因

手で頬を押さえている女性

入れ歯が合わなくなる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。入れ歯が合わなくなる原因は、お口の中の状態が変化することによって起こるものと、入れ歯そのものによって起こるものの2つに分けられます。以下にそれぞれ詳しく解説します。

お口の中の状態が変化することによって起こるもの

顎の骨が痩せたことによるもの

顎の骨が痩せてしまうと入れ歯が合わなくなってしまいます。入れ歯は歯茎の下にある顎の骨によって支えられていますが、顎の骨が痩せてしまうと入れ歯を支えることができなくなってしまうのです。

なぜ顎の骨が痩せてしまうのでしょうか。それは入れ歯によって顎の骨に刺激が伝わらなくなるためです。健康な歯が生えそろっている場合、上下の歯が噛み合う刺激によって顎の骨の健康な状態を維持しています。

しかし、入れ歯を入れた状態で噛んでも顎の骨に刺激が伝わりづらく、徐々に顎の骨が痩せていき、さらに歯茎も痩せていってしまうのです。それに加え、加齢や持病によっても顎の骨は徐々に痩せていってしまいます。

そのため、入れ歯を作った当初はぴったり合っていても、顎の骨が痩せることによってだんだんと入れ歯が合わなくなることがあるでしょう。

支えになっている歯の不具合によるもの

部分入れ歯の場合、残っている歯を支えにして入れ歯を安定させます。

しかし、支えにしている歯が虫歯になってしまったり、負担がかかることによってぐらつくようになると安定感が失われ、入れ歯が合わなくなることがあるのです。

虫歯の場合には虫歯治療で対応できることがありますが、歯のぐらつきが原因で入れ歯が合わない場合には原因となる歯を抜歯しないといけないこともあります。

入れ歯そのものによって起こるもの

入れ歯の経年劣化によるもの

自分の歯と同様、入れ歯も食事などで噛み合わせるたびに、徐々にすり減ったり変色したりと経年劣化していくものです。これは、保険の入れ歯でも自費の入れ歯でも変わりはありません。

しかし、自費の入れ歯と比べると、保険の入れ歯の素材のほうが劣化しやすいため、長持ちしにくいでしょう。劣化した入れ歯を使い続けることで、上下の噛み合わせが変化し「噛みにくい」「すぐに外れる」など、入れ歯が合わなくなる原因になるのです。

入れ歯に付着した汚れによるもの

自分の歯と同じように、食事をするたびに入れ歯にも食べかすや汚れが付着します。

お口の中の汚れは、初めはやわらかいためすぐに洗い流せますが、2~3日経つと唾液によって歯石という硬い汚れに変化してしまうのです。歯石は歯ブラシでこすっても取り除けません。入れ歯の歯茎に触れる部分に歯石が沈着してしまうと、歯茎と入れ歯の密着度が弱まり、入れ歯が外れやすくなったりうまく噛めなかったりするなど、入れ歯が合わなくなる原因になります。

また、入れ歯に歯石が付着することで、入れ歯の見た目が気になったり、お口の中の菌が繁殖したりすることにもつながるため、食後は必ず入れ歯とお口のケアをしましょう。

合わない入れ歯を使い続けるリスク

RISKも文字が書かれたブロックが赤い背景の前に置かれている

合わない入れ歯を使い続けるとリスクが伴います。では、どのようなリスクがあるのでしょうか。ここでは合わない入れ歯を使い続けることによるリスクを5つご紹介します。合わない入れ歯を使い続けている方は、参考にしてください。

①お口の機能の衰え

合わない入れ歯を使い続けると、食事や会話などがうまくできないことでお口の機能の衰えにつながります。お口の機能とは、食べ物をしっかり噛む、咀嚼したものを飲み込むことに加え、人と楽しく会話できることです。

「おいしいと感じること」と「周りの人と楽しく話せること」は、私たちの健康だけでなく生きる幸せにつながるといえます。

しかし、食事や会話のたびに入れ歯が外れてしまったり、うまく噛み合わせられなかったりすると、お口の機能が衰えるだけでなくストレスにもつながり、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

②歯茎を傷つけてしまう

合わない入れ歯を使い続けると、歯茎を傷つけてしまうことがあります。例えば、外れやすい入れ歯はお口の中で入れ歯が動くことで歯茎に擦り傷のようなものができたり、噛み合わせが悪い入れ歯は歯茎に負担がかかることで赤く腫れたり痛んだりすることがあるのです。

また、合わない入れ歯で歯茎が傷つくと、義歯(ぎし)性口内炎ができてしまうことがあります。義歯性口内炎ができると、入れ歯が口内炎に当たるたびに痛みが出るため、使い心地がさらに悪くなるでしょう。また、入れ歯が口内炎に当たりやすいことで、口内炎の治りも悪くなるため注意が必要です。

③残っている歯に負担がかかる

部分入れ歯を使用している場合、入れ歯が合っている・合っていないに関わらず、残っている歯に負担がかかりやすいといわれています。

しかし、合わない入れ歯を使い続けることで、過大な負担が歯にかかり続け、さらに残っている歯の寿命を縮めてしまうかもしれません。入れ歯の支えになる歯が少なくなると、その分入れ歯の安定感が悪くなり、入れ歯の使い心地が悪くなってしまいます。

残っている歯を守るためにも、合わない入れ歯を使い続けることはやめましょう。

④歯茎に負担がかかる

合わない入れ歯を使い続けると、噛み合わせが悪いことで歯茎に過度な負担がかかり、フラビーガムというブヨブヨした歯茎になってしまうことがあります。ブヨブヨしたやわらかい歯茎になってしまうと、歯茎と入れ歯の間に余分な歯茎があることで入れ歯が密着せず、合わなくなってしまうのです。

また、新しい入れ歯を作ろうとしても、ブヨブヨしたやわらかい歯茎は変形しやすいため型取りが難しく、精密な入れ歯が作れないかもしれません。そのため、ブヨブヨした邪魔な歯茎の部分は切除するという処置が必要になることもあります。

合わない入れ歯を使い続けることでブヨブヨした邪魔な歯茎になり、入れ歯が合わないだけでなく、入れ歯の作成の邪魔になってしまうこともあるので、合わない入れ歯を使い続けることはやめましょう。

⑤顎の骨に負担がかかる

入れ歯が合わないとうまく食べ物が噛めないため、顎の骨に刺激が伝わりづらく、顎の骨が痩せてしまう要因になってしまいます。顎の骨が痩せると歯茎も瘦せてしまい、入れ歯の支えになる部分が少なくなってしまうことで入れ歯のフィット感がさらに悪くなるでしょう。

また、噛み合わせが悪い入れ歯を使い続けると、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあります。特に、左右どちらかの奥歯が入れ歯の場合、噛み合わせが悪い入れ歯で噛むことを避け、もう片方の歯ばかりで噛んでいると噛み合わせに偏りが出て噛み合わせのバランスが崩れたり、顎の骨の変形してしまったりすることもあるので注意が必要です。

顎関節に負担がかかり顎関節症を引き起こすと、お口の中だけでなく頭や肩、首など全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。このように、合わない入れ歯を使い続けることは、お口の中だけでなく全身にも悪影響を及ぼす可能性があるため、なるべく早く歯科医院を受診して相談しましょう。

入れ歯が合わないときの対処法

入れ歯を水で洗っている

入れ歯が合わない場合はどのように対処すればよいのでしょうか。入れ歯が合わない場合の対処法について、以下に3つご紹介します。

・毎食後、入れ歯のお手入れをする

・入れ歯安定剤を使用する

・歯科医院を受診する

それぞれ詳しく解説します。

毎食後、入れ歯のお手入れをする

食事をしたら必ず入れ歯のお手入れをしましょう。入れ歯を清潔に保てていないと、歯石ができて入れ歯が変形したり、粘膜を傷つけたりする恐れがあります。入れ歯のお手入れをする際は、歯磨き粉で磨いたり強くゴシゴシ磨いたりすると、入れ歯がすり減ってしまうため、流水でやさしく洗い流しましょう。

入れ歯安定剤を使用する

合わない入れ歯の応急処置として、入れ歯安定剤を使用するのもおすすめです。歯茎に触れる部分に安定剤を使用することで、入れ歯と歯茎の密着度がアップし、使い心地がよくなるでしょう。

歯科医院を受診する

お手入れをしたり、安定剤を使用するだけでは合わない入れ歯の根本的な解決にはなりません。自分の歯に比べて入れ歯の噛む力は3分の1程度といわれています。新しく入れ歯を作る際、最初に何度か調整が必要なように、お口の中の変化に合わせて入れ歯を調整する必要があるのです。

そのため「前より噛みにくくなった」「歯茎が痛い」「外れやすい」など、入れ歯が合わないと感じるようになったら、歯科医院を受診しましょう。入れ歯の合わない部分を研磨したり、噛み合わせやバネ部分を調整したりすることで合うようになることもあります。場合によっては、新しく入れ歯を作り直す必要もあるでしょう。

前述のとおり、合わない入れ歯を使い続けると、さまざまなリスクがあります。入れ歯が合わないと感じたら、お口の中や入れ歯の状態が悪くなる前に歯科医院を受診しましょう。

まとめ

歯科医院で治療を受ける男性

ここまで入れ歯が合わなくなる原因や合わない入れ歯を使い続けるリスク、対処法について解説してきました。

合わない入れ歯を使い続けると、食事や会話などがうまくできないことでお口の機能の衰えにつながりやすくなり、また歯茎や残っている歯や顎の骨に負担がかかるなど、お口の中だけでなく全身にも悪影響を及ぼすことがあることをおわかりいただけたのではないでしょうか。

我慢して合わない入れ歯を使い続けていると、お口の中や入れ歯の状態が悪くなってしまう可能性があります。「前より噛みにくくなった」「歯茎が痛い」「外れやすい」など、入れ歯が合わないと感じるようになったら、まずは歯科医院を受診しましょう。

合わない入れ歯にお悩みの方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインで正中のずれは治せる?正中がずれる原因や治療期間、費用も詳しく解説!

2023年2月1日
綺麗な歯並びの女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインで正中のずれは治せます。

ただし、症例によってはワイヤー矯正や手術との併用が必要になる場合もあります。正中のずれは審美性に大きく影響するため、可能な限り真ん中に合わせたいと思う方も多いでしょう。

今回は、正中がずれる原因とインビザライン治療における治療期間と費用について解説します。

正中とは?

歯の模型を使って説明をする歯科医師

歯科でいう正中とは、歯を噛み合わせたときの上下の前歯の真ん中を指します。正面から見たときに、鼻筋と上下の前歯の真ん中が一直線につながっている状態が美しいとされています。

特に、上顎の正中が鼻筋とずれていると顔が歪んだ印象に見えます。人間の顔や体は左右対称と思われがちですが、完全に左右対称の方はほとんどいません。生まれつきの特性だけでなく、歩き方の癖や姿勢によって体のバランスは悪くなります。歯も同様で、噛み方の癖などがある場合は、左右の歯や顎のバランスが崩れやすくなります。

正中がずれる原因

顎の骨のレントゲン写真

正中がずれる原因は、先天的と後天的に分けられます。また、歯の生え方によるものと、顎の骨が非対称な場合の2パターンあります。正中がずれる原因は、以下の6つです。

歯の数が少ない

通常、永久歯は28本で、親知らずを含めると32本あります。先天性欠如歯といわれる、生まれつき歯の本数が1〜2本少ない方がいます。歯の本数が少ない場合、左右の生え方のバランスが崩れ、正中がずれやすくなります。また、歯の本数が少ないと歯茎にスペースが余ってしまうため、全体的に歯並びが悪くなる傾向があります。

歯の大きさが左右で異なる

左右の歯を比べて大きさが非対称の場合、均等に生えそろうことが難しいため、正中がずれる原因になります。左右の目の大きさが若干違うように、歯の大きさにも差が出ることがあります。例えば、片側だけに八重歯が生えている場合は左右でバランスが崩れるため、正中にずれが生じやすくなるのです。

噛み合わせが悪い

奥歯の噛み合わせが悪い場合も、正中がずれる原因の一つです。重度の出っ歯や受け口、歯の生える方向がバラバラな場合も、正中がずれやすくなります。

顎の骨のバランスが悪い

顎の骨は歯を支える土台となるため、顎の骨のバランスが悪いと歯並びにも影響します。上下の顎の骨が歪んでいると、歯の正中も中心からずれてしまいます。また、歯に対して顎のサイズが極端に大きかったり小さかったりすると、正中のずれが起きやすいです。

顎の骨は遺伝によるものが多いですが、次の項目で説明する日頃の癖でも顎の形が変形することがあります。顎が大きく歪んでいる場合、無理に正中を合わせてしまうと、かえって顔のバランスが崩れ、噛み合わせが悪くなるリスクがあります。顎の骨に問題がある場合は、歯科矯正だけでなく、骨格を調整する手術も必要になります。

日頃の癖によるもの

日頃の癖によって顎の骨がずれやすくなることがあります。以下の癖があてはまる方は注意が必要です。

・片側ばかりで噛む

・頬杖をつく

・いつも同じ側を下にして寝る

食事の際に左右どちらかに集中して噛んでいると、片側のみに負担がかかり顎のバランスが崩れやすくなります。頬杖をついたり、就寝時に同じ側ばかりを下にして寝ていたりすると、片側の顎に負担がかかり正中がずれる原因になります。

歯科矯正の影響

生まれつき歯が少ない方や抜歯した方などは、歯科矯正を受けても基本的に正中は合いません。歯科矯正は噛み合わせを重視することが多いので、奥歯に合わせることにより正中がずれる可能性があります。

正中のずれを放置することによるリスク

青い背景にRISKという文字の中に赤いハシゴがかけられている

正中のずれは見た目に影響するだけでなく、さまざまなリスクがあります。以下に、正中のずれを放置することによるリスクについて説明します。

顔の歪みにつながる

正中のずれが2mm以上ある場合、顔の歪みが目立ちます。もともと顔が完全に左右非対称のかたは極めて少ないとお伝えしましたが、正中がずれていると、顔が左右非対称であることにくわえて歪みにつながることがあるのです。上下の前歯だけでなく鼻筋からも正中が大きくずれている場合は、顔の歪みが目立ち、見た目にも大きく影響します。

噛み合わせに問題が生じる

正中がずれていると、上下の歯が正常に噛み合っていないことが考えられます。噛み合わせが悪いと、食べ物をすりつぶすことが難しくなり、胃腸への負担が大きくなります。食べ物を十分に噛み砕かずに大きいまま飲み込むと、消化不良を起こすこともあるでしょう。

さらに、正中がずれていると前歯で噛む力が弱くなることがあります。奥歯ばかりを使うと負担が大きくなるため、歯の消耗が激しくなる可能性が考えられます。同じ歯を酷使していると、将来的に歯が欠けたり割れたりすることがあるので、咀嚼する際は全体の歯を均等に使うようにしましょう。

顎関節症の発症リスクが高くなる

顎が原因で正中がずれている場合は、顎に負担がかかりやすい状態のため、顎関節症を発症するリスクが高くなります。顎関節症を発症すると「口を大きく開けられない」「口を開けると痛い、音が鳴る」などの症状が現れます。また、重度の顎関節症になると手術が必要になる場合もあります。

インビザラインで正中のずれは治せる?

水色の台の上に2つのマウスピースが置かれている

インビザラインで正中のずれは治せますが、歯の生え方が原因の場合に限ります。正中のずれが数mm以内なら許容範囲内とされています。顎の骨に問題がある場合は、インビザラインだけでの改善は難しいため、矯正にくわえて骨格改善の手術が必要です。また、正中のずれが重度で抜歯が必要になる場合は、インビザラインの適用は難しいでしょう。

正中のずれが軽度の場合はインビザラインで治療できますが、上記のようにすべての症例に対応しているわけではないので確認が必要です。歯そのものが曲がっていたり、正中だけでなく全体の歯並びが極端に悪かったりする場合は、ワイヤー矯正との併用が必要になる可能性があります。

インビザラインは、治療前にシミュレーション動画を作成して治療結果を予測します。ワイヤー矯正の場合は、実際に歯を動かしてみないと、どこまで正中を合わせることができるかが不明というデメリットがあります。一方、インビザラインであれば、シミュレーション動画によって、事前に正中のずれを治せるかどうかを知ることができます。また、一度のインビザライン治療で正中のずれを治せなかった場合でも、マウスピースを作り直して治療を継続することができます。

しかし、インビザラインで治療をしても正中がずれたままになる場合があるということに注意が必要です。正中が鼻筋から前歯の上下まで垂直になっている場合は審美性が高いですが、必ずしも「正中が真ん中であることが、噛み合わせがよいことである」とは限りません。噛み合わせを正しい位置に合わせたら、正中がまっすぐにそろわない場合もあります。インビザライン治療において、正中のずれがある場合はできる限り合わせるように治療を進めますが、真ん中でそろうようにすることで噛み合わせが悪化する場合は、噛み合わせのよさを優先することがほとんどです。

正中を合わせるためにインビザライン治療を受けたにもかかわらず、正中がずれたまま治療が終わってしまっては本末転倒です。このような事態を避けるには、治療前に歯科医師とのすり合わせが重要といえます。

インビザラインで正中のずれを治すためにかかる期間・費用

水色の台の上に木の時計と黄色いペン、黒いカレンダーが置かれている

症例の度合いによって治療期間は異なりますが、約1〜2年でしょう。また、費用は自費診療のため歯科医院によって異なり、約800,000〜900,000円が相場です。

インビザライン治療の流れ

階段の絵を指で登っている

インビザライン治療は、以下の流れで行います。

  1. カウンセリング
  2. 検査
  3. 治療計画の作成
  4. 治療開始

カウンセリングは、治療内容の説明を受け、インビザラインで症状が改善されるかなど、治療に対する不安や疑問を解消するために行います。この時点で、歯科医師としっかり情報共有をしておかないと、希望していた治療効果が得られないなどのトラブルにつながります。

検査では、診断と治療計画を立てるために、レントゲンや顔写真の撮影や歯型の採取を行います。集めたデータをもとに治療計画を立てますが、インビザラインでは「クリンチェック」とよばれるソフトを使用し、シミュレーション動画を作成します。シミュレーションで予測された治療結果に納得がいけば治療を開始します。

インビザラインのマウスピースはアメリカで製作されるため、届くまでに約1か月かかります。インビザラインは、治療段階によってマウスピースを使い分け、1〜2週間で新しいマウスピースに交換する必要があるので、定期的な通院が必要です。

まとめ

黄緑の背景の前に歯鏡と歯の模型が置かれている

症例によってはインビザラインで正中のずれを治せますが、歯科矯正は、審美性だけでなく噛み合わせも考慮しなければいけないため、正中がずれたままになることもあります。インビザライン治療は治療期間が長く費用も高額になるため、納得した治療ができるよう事前に歯科医師としっかりコミュニケーションを図ることが大切です。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

 

 

インビザラインで受け口(しゃくれ)は治せる?治療法についてわかりやすく解説!

2022年12月14日
顎元に手を置いている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

受け口の方は見た目や発音などで悩みを抱えることが多いです。歯列矯正を行うことで受け口は改善されるので、治療をするか考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はマウスピースを使った矯正方法のひとつであるインビザラインも受け口の治療が対象になっています。

今回は、受け口の原因からインビザラインを使った治療方法まで解説していきますので、治療を始める前にぜひ参考にしてみてください。

受け口(しゃくれ)とは?

歯の模型を使って説明している医師

受け口とは、反対咬合や下顎前突とも呼ばれる不正咬合のひとつで「しゃくれ」という言葉でも馴染みがあるかと思います。下の歯が上の歯に重なっている状態が正常な噛み合わせですが、受け口の場合はその逆で、下の歯が上の歯に重なっている状態です。

受け口の方は見た目を気にされて矯正治療を検討される場合が多いですが、実際は見た目以外に機能的にもリスクになることがあり、治療したほうが日常生活がより快適になります。

受け口(しゃくれ)になる原因

白いシャツを着た人が虫眼鏡で歯の模型を見ている

主な原因は遺伝といわれていますが、家族に受け口の方がいない場合でも発症することがあります。受け口になる原因は2つのタイプに分かれていて、それぞれのタイプによって治療開始の時期や治療法が変わってきます。そのため、どちらのタイプに当てはまる症例なのかを見極めることが大切です。受け口の2つの原因と、受け口と密接な関係のある癖について解説していきます。

歯が原因のタイプ

歯が生えてきた時に、上の歯と下の歯の噛み合わせが逆になってしまったような場合がこちらのタイプで、歯槽性の受け口といいます。乳歯列の場合は、永久歯に生え変わる段階で解消されることもあるため様子を見ることがほとんどですが、すでに永久歯に生え変わっている状態で受け口の場合は矯正治療の対象です。

顎の骨が原因のタイプ

下顎の骨が通常よりも成長することが原因による場合はこちらのタイプで、骨格性の受け口といいます。家族に受け口の人がいる場合も遺伝する可能性があり、歯が原因のタイプに比べて治療が難しいことが多いです。

受け口に関連のあるお口の癖

大人でも子どもでも、歯や顎に力がかかり続けることで歯並びに影響を与えてしまうことがあります。受け口に関連のある癖をいくつかご紹介します。

口呼吸

口呼吸は舌の位置が下がって気道が狭くなります。気道を確保するために下顎を突き出すようになり、受け口の原因になるのです。

下顎を前に出す癖

無意識に下顎を前に出す癖がある方がいますが、継続すると筋肉が発達して受け口になりやすくなります。これらの癖はご自身で意識することで改善させることもできますので、心当たりのある方はなるべく癖を出さないようにしていきましょう。

受け口(しゃくれ)を放置することによるリスク

赤いRISKの文字が置かれている

受け口を放置することで起こる可能性のあるリスクは、以下の5つです。

噛む機能が悪くなる

受け口は本来の噛み合わせと逆のため、噛むときに無理な力がかかりやすいです。そのような噛み方を長く継続してしまうと奥歯ばかりが負担になり、将来的に抜歯が必要になってしまうこともあります。また、食事がしにくく、きちんと噛みきれないことが消化不良にも繋がってしまいます。

発音が悪くなる

受け口の方は、上下の歯の間に隙間があるせいで息が漏れてしまい、発音しづらいことがあります。特に歯と舌先が触れるサ行やタ行、また英語も発音しづらいです。

受け口がより目立つようになってくる

思春期の時期にあたる成長期には下顎が顕著に成長します。受け口がもともとある場合は、下顎の成長とともに受け口が目立ちやすくなってしまいます。見た目が気になるだけでなく、重度の受け口の場合は一般的な矯正治療では治療が難しく、外科処置が必要になるケースもあります。

顎関節症になる可能性がある

受け口は噛みにくいため、顎の関節に力がかかり負担になって、顎関節症になりやすいです。顎関節症になってしまうと口を大きく開けられなかったり、咀嚼時に痛みを感じる症状が出てきてしまいます。

気持ちが塞ぎがちになってしまう

口元は顔の印象を決める大事なパーツです。受け口は審美性を損ねるため、周りからどのように見られているのかを気にしたり、自信を持って笑えなかったりといったコンプレックスを抱えた状態で気持ちが塞ぎがちになりやすいです。

上記に挙げた以外にも、お口が乾燥しやすく虫歯や歯周病のリスクが高くなったり、頭の重心がずれることで姿勢が悪くなるといったリスクもあります。

インビザラインで受け口(しゃくれ)は治せるの?

薄オレンジの背景前で悩んでいる女性

インビザラインで受け口の治療は可能です。

ただし、一概に全ての受け口が治療できるわけではなく、受け口の原因が歯槽性のケースはインビザラインで治療できることがあります。骨格性の受け口の場合は、下顎の骨を切除して後方へ移動させる大掛かりな外科手術が必要になってくることもありますので、まずは歯科医師と相談し、ご自身がどのタイプの受け口なのかを把握してから治療法を検討するのが良いでしょう。

インビザラインで受け口(しゃくれ)を治す方法

黄色い背景の前に手のひらに置かれたマウスピース

インビザラインでの矯正治療は歯列全体に力をかけることを得意としています。下顎に歯を移動させることのできるスペースがある場合は、マウスピースを使用することで前に出ている歯列を後退させ、受け口を改善することができます。軽度の受け口の場合は抜歯をせずに歯を動かすことができますが、下顎に十分なスペースがない場合は抜歯が必要になることもあります。

インビザラインでの矯正で歯の動く距離は1枚のマウスピースでわずか0.25mmで、10日〜2週間ごとにマウスピースを交換していき、徐々に歯を移動させていくのです。抜歯をした場合は移動距離が増えるため、インビザラインのみの治療だと時間がかかりすぎてしまうこともあります。そのため、ワイヤー矯正と組み合わせた治療を行うこともあります。

インビザラインで受け口を治療するメリット

インビザラインは、治療を開始する前に型取りやお口の中を専用のスキャナーでスキャンして、どのように治療が進んでいくのかをシミュレーションすることができます。治療後のイメージが湧きにくい場合も事前にシミュレーションを見ることができるので、インビザラインでの受け口の治療に不安を感じている方も安心です。

また、インビザラインの治療は1日の中で20〜22時間の装着義務がありますが、マウスピースを使用するだけというシンプルな方法のため、患者さんのストレス軽減にもつながります。マウスピースは透明で、矯正していることが周りの人に気付かれにくく、取り外しが可能なため、ワイヤー矯正に比べると歯磨きがしやすいこともポイントです。

インビザラインで受け口を治療するデメリット

インビザラインは、使用時間を守らないときちんと歯が移動してくれません。そのため、1日20〜22時間の装着を守らなければいけないことや、マウスピースのお手入れを毎日する必要があることがデメリットと感じる方もいらっしゃるでしょう。

また、全ての受け口の方がインビザラインで治療できるわけではなく、軽度の受け口の方のみが適応のため、インビザラインでの治療を望んでもできないこともあります。

まとめ

両頬に指を当てている笑顔の女性

受け口は歯槽性のものと骨格性のものがあり、それぞれ原因と治療法が異なります。受け口は噛み合わせに関しても見た目に関しても気にされる方が多く、それぞれの状態によって治療方針も変わってきます。インビザラインで治療できる受け口の症例は限られてしまいますが、今回の記事の内容で受け口についてより深く理解し、治療を始める際の参考にしてみてください。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。